乳幼児との暮らしに「アロマセラピー」はどう取り入れる?現役ママ医師が基礎知識を伝授

子育て中のパパママに知って欲しい、アロマセラピーの正しい知識

私たちの身近になったアロマセラピーは、子どもの寝かしつけや風邪症状の緩和など子育て中のケアとしても人気です。しかしながら、アロマセラピーの知識を持たない方がベビーマッサージ教室で安易に精油を用いていたり、親子交流の場所で赤ちゃん連れでアロマクラフトを作っている現場も目撃することがあります。

成人に比較し体重が少ない乳幼児へのアロマセラピーは、使用法や濃度によっては重大な副作用を引き起こす可能性があり危険です。ですから、子育て中のパパママは、使用にあたって必要な知識を持っておくことが重要です。

私の4歳になる娘もそうなのですが、子どもは特に匂いに敏感です。好き嫌いがはっきりしており、芳香としての療法よりも精油の薬理効果を用いて行う皮膚症状への応用が主に行われているのが実際です。

子どもだからといって一概にアロマセラピーを避けるのももったいない話です。アロマセラピーは補助療法として様々な病気の予防やマイナートラブルの改善に役立ちます。ここでは年齢に合わせたアロマセラピーの考え方を紹介します。

 

赤ちゃんと幼児へのアロマセラピーの考え方

 

1歳未満の乳幼児への精油の使用は禁止

私が所属している日本アロマセラピー学会によりますと、新生児〜1歳未満の乳幼児へのアロマセラピーは原則禁止ですが、生後7ヶ月以降〜満1歳のお子さんへのアロマセラピーはそのメリットなどを考慮し医師の指導のもと行われる場合(例:アトピー性皮膚炎)もあります。神経毒性があるもの、てんかんを誘発するもの、皮膚刺激があるものなどそれぞれのリスクを理解するのは非常に難しいです。

また、ママをはじめとする赤ちゃんをお世話する方のアロマセラピーの使用も、赤ちゃんが香りを敏感に感じることがあるので控え目にしましょう。医療現場では、生後6ヶ月からアトピー性皮膚炎で応用されることもありますが、あくまでも医師の指示のもとで行う必要があります。ベビーマッサージもスイートアーモンド、ホホバオイルなどの植物油のみを使用しましょう。

3歳未満は芳香浴のみ

日本アロマ環境協会(AEAJ)が作成したガイドラインには、「3歳未満の乳児・幼児には、芳香浴法以外は行わないように」と記載されています。使用する精油もラベンダーやローズなどフローラル系のものがアレルギーを起こしにくく使用しやすいです。

3歳以上は使用範囲は広がるものの、量に注意

3歳以上になると芳香浴に加えて、トリートメントやアロマバスも取り入れることができるようになります。ただし、必ず植物オイルなどで精油を希釈して、濃度・使用量を大人の1/10~半分程度に抑えておきましょう。

 

目に入った、誤飲、皮膚についた。。よくあるトラブルへの対処法

育児にアロマを取り入れる前に、まずトラブルの可能性を認識しておき、未然に防ぐことが大切です。

保管場所を見直そう

幼児期になると相談が多いのが精油の誤飲です。そもそも子どもの手の届くところに置いてあることが問題ですのでまず、保管場所を見直し、子どもが開けにくいセーフティキャップ付きのものを選択するようにしましょう。

それでも起こってしまったときの、具体的なトラブルへの対処法を以下に紹介します。

精油を誤飲してしまったときは

精油の原液を飲んでしまっても無理に吐かせることはせず、すぐにかかりつけ医師に相談しましょう。誤飲した精油が何であるかも伝え、病院に持参します。また、精油を添加したキャリアオイルを飲んでしまった場合は何%の濃度であるか分かるようにしておきましょう。

子どもの目に入った場合

すぐにオイルを洗い流して眼科医の診察を受けるようにして下さい。

原液が皮膚についた場合

成人の場合でもそうですが、誤って精油の原液が皮膚に付いた場合、可能であれば植物油をコットンなどに大量に染み込ませたものを付着した部位に当てて拭き取りましょう。なければ水洗いで構いませんが、石鹸やメイク落としを使用して下さい。精油は親油性の高い物質です。親油性の高い物質は人体や繊維などが持つ親油性の部分になじみやすく、水との親和性は低いため水のみで洗い流すことが困難です。しばらくご自身で観察し、皮膚に異常が生じた場合は皮膚科の診察を受けるようにして下さい。

以上、小児へのアロマセラピーでの基本的な注意点をご紹介しました。

育児にアロマをうまく取り入れて、お子さんとの触れ合いでパパママも癒され、親子の絆が深まり素敵な時間になることを私も陰ながら応援しています。

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記事を執筆したのは

桐田泰江|麻酔医
浜松医科大学医学部を経てを経てシドニー大学医学部で、Pain Management修士号修得。自身が痛みに苦しんだ経験から麻酔科を志す。麻酔科医として勤務の傍ら、アメリカ、カナダなど海外では普及している「子どもの痛みのケア」を日本でも定着させるべく活動中。『イタイのイタイの飛んでけー 子どもの痛みに寄り添う』の翻訳を手がける。2児の母。麻酔科標榜医・日本麻酔科学会認定医。日本アロマセラピー学会認定医、IFAアロマセラピスト。

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