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「自分でやりたい」という気持ちが、自立への第一歩
2歳ごろからいろいろなことに対して「自分でやりたい」という意思を持つようになります。これは成長の段階でとても大切なこと。失敗してもチャレンジする中で試行錯誤し、自分でできるようになっていくのです。
もしうまくできなかったとしても責めたり叱ったりするのではなく、「やりたいんだね」「悔しかったね」と共感すること。
できなくてもいい、という安心感があると、またチャレンジしようという気持ちが生まれます。これが、自立へとつながっていくのです。
すぐできるようにはならないからこそ、積み重ねが大切
育児書には「着がえは〇歳ごろ」「〇歳ごろには自分で食べる」などと書かれていますが、その年齢になったからといって急にできるようになるわけではありません。今できていることは、0歳からの積み重ねでできるようになったのです。
同じように、今できないとしても「もう〇歳なんだからやらせなきゃ」と焦ることはありません。できるようになるために、少しずつ積み重ねていくこと。今は練習の時期と捉えて、焦らず気軽に、楽しみながら習慣づけるといいでしょう。
今日からできる! 生活習慣を身につけるための3つのポイント
「自分でやりたい!」に寄り添いながら、受け身ではなく自分からできるようになるために、大切なポイントをご紹介します。
ポイント1 「大人が当たり前」にやっている姿を見せる
生活習慣とは特別なことではなく、「当たり前」にやること。できるようになってほしいと思うことを、まずは大人が当たり前にやり、その姿を子どもに見せることから始めましょう。
ポイント2 子どもができることを大人が奪わない
受け身になるのではなく自分でやろうとすることで、できることが増えていきます。お子さんができることを大人が先回りしてやってしまわないよう、注意しましょう。
ポイント3 見通しを立てて同じ流れを習慣づける
やることの流れを自分でわかっていないと、次に何をするのか考えられず、受け身になってしまいます。脱いだ物はかごに入れるなど、順序を決めることで見通しを立てられるようになります。
【食事】「3歳まで」を目指して、手づかみ食べも大切に
1~2歳のうちに手づかみ食べで手指をたくさん使うことは、こぼさず上手に食べられるようになるための大切な練習です。こぼすこともありますが、練習のために必要なものと諦めて、ストレスが少ない環境を整えるといいでしょう。
【環境づくり】足がつく椅子や子ども用食器など、使いやすいものを用意
自分で食べやすい、子ども用の椅子や食具を用意。椅子の下に新聞紙やシートなどを敷いておくと、こぼしたときの片づけが簡単です。
【声かけ】食べることの喜びを実感できる、楽しくなる声かけを
「おいしいね!」「全部食べられたね!」など、食べることは楽しいことと実感できるような声かけを。食べない場合は、「食べなさい」ではなく、「どっちから食べる?」と選択肢を示す声かけがいいでしょう。
【イヤイヤ対策】「イヤ」を正面から捉えずに状況を変えてみる工夫を
食事中のイヤイヤは、料理がイヤという場合もありますが、ただ単に「イヤ!」と言いたいだけという場合も多いもの。歌って楽しい気分にする、「じゃあこっちは?」と別の選択肢を示すなど、状況を変えてみるといいでしょう。
【身支度】「どっちにする?」自分で選べるよう工夫を
受け身ではなく自分から身支度に取り組めるように、帽子や靴下、上着などは何種類か用意しておいて「今日はどっちにする?」と自分で選べるようにするといいでしょう。靴は「右と左どっちから履く?」と声をかけるのもいいですね。
【環境づくり】スムーズに準備できる動線を整えよう
行ったり戻ったりせずに準備ができるよう、お出かけに必要なものは玄関に置いておくなど、動線を整えると、スムーズに準備できます。
【声かけ】次の活動が楽しくなる声かけで、モチベーションアップ!
身支度は、お出かけのために必要な準備です。幼児は見通しを立てることが難しいので、「準備できたら公園でシャボン玉しようね」など、「お出かけしたらこんなに楽しいことがある」と実感できる声かけをすることで、モチベーションが上がります。
【イヤイヤ対策】お気に入りのキャラクターの力を借りて
準備中にイヤイヤが始まると、ついせかしたり叱ったりしがちですが、その対応がさらに状況を悪化させることも。好きなぬいぐるみを置いて、「お靴はけるところアンパンマンに見せてあげよう!」など、キャラクターの力を借りるのもいいでしょう。
【お片づけ】2歳までは大人がたくさん手伝ってOK!
片づける習慣を身につけるためには、片づいている状態が当たり前であることが大切です。そのためには、まずは大人が率先して片づけること。
2歳までは大人がたくさん手伝ってOK。「当たり前にやること」と感じられることが第一歩です。
【環境づくり】遊びの延長で片づけられるよう、ひと工夫を
どこに何をしまうのかがわかりやすい収納を工夫しましょう。おもちゃは遊びの延長で片づけられるよう工夫してみましょう。
【声かけ】歌ったり、ハイタッチしたり。とにかく楽しく片づけよう
歌いながら片づける、ひとつ片づけたら「イェイ!」とハイタッチするなど、「片づけ=楽しい」と感じられる工夫を。「すっきりして気持ちいいね」「これでおやつ食べられるね」など、片づけられた喜びを共感する声かけもいいですね。
【イヤイヤ対策】生活に必要かどうか。「わが家流」の線引きでOK
イヤイヤは、自分の気持ちに折り合いをつけるための練習です。頭ごなしに「ダメ!」と否定するのではなく、「まだ遊びたかったんだね」と気持ちに寄り添い、「ご飯を食べるためにここだけ片づけようか」という「譲れないライン」を決めましょう。
【手洗い】自分で洗面台の前に立ち、手を伸ばせる年齢から
自分で洗面台に行けるようになってからでOK。それまでは親が手を拭いてあげましょう。洗面台の前に立ち、蛇口を操作して水を出し、石けんで手を洗ったら拭く。この一連の動作を受け身ではなく自分の意思で行えることがゴールです。
【環境づくり】洗面台やタオルなどに手が届く工夫を
洗面台に手が届く高さになっているか確認し、踏み台など必要なものをそろえましょう。石けんを2種類用意しておいて「今日はどっちで洗う?」と声をかけると自分で選べる喜びがあります。
【声かけ】好きな歌を取り入れて、楽しく習慣づけしよう
2歳くらいまでは、手を洗っていても水遊びになってしまうことがよくあります。頭ごなしに「ダメだよ!」と否定するのではなく、好きな歌を歌いながら大人も一緒に手を洗うなど、楽しく取り組めるといいですね。
教えてくれたのは
『ベビーブック』2022年7・8月号 イラスト/ひらのゆきこ 文/洪 愛舜 構成/童夢
小学館の知育雑誌『ベビーブック』は、毎月1日発売。遊び・しつけ・知育が一冊にぎっしりとつまっています! アンパンマン、きかんしゃトーマス、いないいないばあっ!など人気キャラクターがお子さんの笑顔を引き出します。はってはがせるシール遊びや、しかけ遊びでお子さんも夢中になることまちがいなしです。
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再構成/HugKum編集部