こんにちは。離乳食インストラクターの中田馨です。今日のテーマは豚肉。豚肉は、疲労回復してくれるビタミンB1の含有量が多いので、大人にも嬉しい食材のひとつです。今日は、そんな豚肉を離乳食に取り入れるときのポイントとレシピを紹介します。
目次
離乳食の豚肉はいつから?
豚肉は離乳食後期の後半から食べられます。肉を食べる順番は、鶏肉(ささみ⇒むね肉⇒もも肉)⇒牛肉⇒豚肉の順です。
また、豚ひき肉は豚の赤身肉が食べられるようになってから。豚ひき肉と牛ひき肉を混ぜた合びき肉は脂肪分が多いので、離乳食完了期以降。両方とも、使い始めのしばらくは熱湯で下茹でするか、ザルに入れて熱湯をかけて脂肪を取り除きます。
離乳食に使う豚肉の選び方・下処理の方法
選び方
使用する豚肉選びのポイントとしてはふたつ。
・脂肪の少ない「赤身」
・新鮮なもの
を選ぶことが大原則です。
下処理のテクニック
さらに下処理として、脂肪部分を取り除き、初めて食べるとき更に熱湯の中に入れて下茹でします。
離乳食で豚肉アレルギーが出ることは?
豚肉は、アレルギー表示27品目のうちのひとつ。初めて食べるときは他の食材よりも慎重に与えます。どの食材もそうですが、豚肉も小さじ1(約5g)からスタートします。食べた後は、赤ちゃんの様子がいつもと違わないかを身体観察しましょうね。
※アレルギー表示27品目とは
消費者庁が指定するアレルギー発症の原因になりやすい物質のこと。重篤度・症例数の多い 7 品目(鶏卵、牛乳、小麦、落花生、ソバ、カニ、エビ)については内閣府令で表示を義務付けし、過去に一定の頻度で健康被害が見られた 20 品目(いくら、キウイフルーツ、くるみ、大豆、バナナ、山芋、カシューナッツ、もも、ごま、サバ、さけ、イカ、鶏肉、りんご、松茸、あわび、オレンジ、牛肉、ゼラチン、豚肉)については通知により表示を推奨しています。
豚肉を使った離乳食完了期のレシピ
ここでは、赤身以外の部分も使用しているので全て完了期のレシピです。赤ちゃんと一緒に大人も楽しめるものばかりです。
【完了期】 さつま汁
さつまいもの甘みさが赤ちゃん好みの、具沢山さつま汁です!
<材料>
かつお昆布だし 200ml
豚肉 15g
玉ねぎ 15g
大根 15g
にんじん 10g
さつまいも 10g
蒸し大豆 5g
味噌 0.5g
<作り方>
・玉ねぎ1㎝スライス
・他野菜、皮をむいていちょう切り
・豚肉脂肪を取って1㎝に切ってサッと下茹でする
・蒸し大豆 湯がいて薄皮をむいて1/2にカット
1.かつお昆布だしに、野菜⇒豚肉、大豆の順に入れて煮る。
2.味噌で風味付けする
【完了期】 和風マーボー豆腐風
かつお昆布だしを使って作る和風のマーボー豆腐。ニラの風味がアクセントになって、一気に中華風になりますよ!
<材料>
だし 150ml
豚ひき肉 10g
木綿豆腐 25g
しいたけ 5g
にんじん 10g
玉ねぎ 20g
ニラ 5g
水溶き片栗粉 大1/2~1
しょう油 0.5ml
<作り方>
・にんじん、玉ねぎ、しいたけ、ニラ みじん切り
・豆腐 2㎝角切り
1.豚ひき肉を炒める
2.ほかの野菜も炒めてしんなりしたら、かつお昆布だしを加え中火~弱火で煮る
3.豆腐を加え、火が通ったら水溶き片栗粉でとろみをつける
4.しょう油で風味づけする
【完了期】 レンコンのみぞれうどん
すりおろしたレンコンを入れると、甘くてトロッとしてうどんがさらに美味しくなります!
<材料>
かつお昆布だし 300ml
うどん 80g
豚肉 15g
にんじん 15g
大根 10g
レンコン 20g
なめこ 5g
ほうれん草 5g
しょう油 0.8ml
<作り方>
・うどんは、下茹でして1㎝に切る
・豚肉は脂肪を取り除いて1㎝に切ってサッと下茹でする
・にんじん、大根は1㎝の長さの千切り
・レンコンをすりおろす
・なめこサッと茹でる
・ほうれん草は下茹でして1㎝に切る
1.かつお昆布だしににんじんと大根を入れて煮る
2.牛肉、うどん⇒れんこん、なめこ、ほうれん草順に入れて、弱火でコトコトしっかり火を通す
3.しょう油を入れて風味付けする
離乳食で使用する豚肉の冷凍方法と期間
豚肉を冷凍する場合は、生のままで冷凍します。
1.豚肉にある水分をペーパーでふき取る
2.離乳食に使う1回分を空気が入らないようにきっちりラップに包んで冷凍庫に入れる
保存期間は1週間です。1週間以内に使い切ります。解凍は冷蔵庫に入れ替えて自然解凍するのが基本ですが、時間がない時は流水を流したボウルの中に入れて解凍します。
先輩ママに聞いた、離乳食の豚肉の取り入れ方は?
Hugkumでは先輩ママ約100人に離乳食の豚肉の取り入れ方についてアンケートを実施しました。
結果は、約2割のママは離乳食に豚肉は取り入れていなかったものの、離乳食で豚肉にチャレンジした赤ちゃんの多くは豚肉を嫌がらずに食べてくれていたようです。
離乳食で豚肉を取り入れるときの工夫は?
続いて、離乳食で豚肉を取り入れるときに工夫したことについてもお聞きしました。なるべく細かくして赤ちゃんが食べやすく刻んだり、圧力鍋を使って煮込んだり。既製品の離乳食に混ぜて豚肉を慣れさせるや、完了期以降にOKなひき肉を使って豚肉を離乳食に取り入れていたなどの回答があつまりました。
・細かく刻んで好みのメニューに
「筋が気になったので細かく切ってあげた」 (30代・長野県・子ども2人)
「細かく刻んで、焼きそばやすき焼きの味付けにしました。」 (30代・大阪府・子ども2人)
・あんかけなどとろみをつける
「とろみをつけた」 (20代・神奈川県・子ども1人)
・圧力鍋で柔らかくする
・ひき肉を少しずつ使う
「挽き肉を茹でて冷凍にして少しずつ使った」 (30代・岐阜県・子ども2人)
「そぼろご飯にして」 (30代・千葉県・子ども1人)
・おやきやお好み焼きなどの手づかみメニューに
「おやきなどに混ぜた」 (30代・福岡県・子ども1人)
・既製品の離乳食と一緒に
今回、紹介したレシピは、多めに作って赤ちゃん用に取り分けた後、大人用に味をつければとりわけ離乳食にもなります。離乳食で豚肉を使えるようになってくる頃は、他にも様々な野菜も食べられるようになってきます。様々な野菜と組み合わせながら豚肉離乳食を楽しんでくださいね!
記事執筆
一般社団法人 離乳食インストラクター協会代表理事。中田家庭保育所施設長。現在13歳の息子の離乳食につまづき、離乳食を学び始める。「赤ちゃんもママも50点を目標」をモットーに、20年の保育士としての経験を生かしながら赤ちゃんとママに寄り添う、和食を大切にした「和の離乳食」を伝えている。保育、講演、執筆などの分野で活動中。自身が開催する離乳食インストラクター協会2級・1級・養成講座はこれまで2500人が受講。
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