幼稚園の3人グループで、一人の子に無視されるようになって…
幼稚園の年長の娘のことで相談です。年少から、ずっと仲良くしていたAちゃんがいます。娘とAちゃんの間に、後からBちゃんが加わったのですが、娘はBちゃんに意地悪をされるようです。Aちゃんとは笑顔を交わすのに、娘がニッコリ笑うと、Bちゃんはあからさまに無視するそうです。
Aちゃんと同じように接してもらえないため、娘は「も~いい!」と言って、別の遊びをしようとすると、Bちゃんに「またすねた!」と言われます。
娘が先生に相談すると、先生は「Bちゃんに自分で言いなさい」と言うだけです。娘が、もう一度先生に「Bちゃんに言ったけれど、聞いてくれない!」と言うと、先生は「何回も言いなさい!」と言うだけで、間には入ってくれません。
娘は、無視されたり、嫌な思いをしても、2人と仲良くしたいようです。でも、毎日のように「今日はBちゃんに〇〇された~」と話してきます。親として、どのように対処すればいいでしょうか。(年長の女の子のママ)
5歳ぐらいになると、独占欲が強くなり、仲良し度に過敏に
こういうことはよくあります。とくに5歳児に多いです。5歳ぐらいになると子どもは、独占欲が強くなり、仲良し度に過敏になります。どちらの方と密に仲が良いかを、心の中で測るのです。「普通の友だち」「本当の友だち」なんて区別して言ったりもします。
娘さんのように3人グループというのが一番難しいです。でも、子どもたちは乗り越えて行きます。
一人になって殻にこもる子も…
友だち関係がうまくいかないと、ほかの友だちを探したり、一人で遊んだり…と自分のなかで模索し始めます。
そして「〇〇ちゃんなんか、いなければいいのに!」「いじわるされても、一緒がいい」「もう、ほかの友だちを見つけよう…」と心の中で葛藤するのです。長いときは数カ月に渡って葛藤することもあります。
一人になって遊ぶ子もいます。本を読んだり、折り紙をしたり…、一人になって殻にこもるのです。一人で遊びながらもチラリと相手を見たり、「ほかの友だちはいないかな?」と周囲を観察したりします。子どもにとっては、苦しい時間だと思います。でも、子ども自身が殻から出てくる力を持っていると信じるしかありません。
友だち関係で悩み、苦しむ葛藤が、子どもを成長させます
家では、親に「つらい」と話すこともあるでしょう。先生にも助けを求めているかもしれません。しかし、結論を出して一歩前に進むのは本人しかできないことです。
殻から出てきたときに、子どもは大きくなっています。すっきりした顔になります。そうすると、ほかの友だちを見つけて自分から近づいて行きます。新しい友だちが、声をかけてくるかも知れません。
お母さんにできることは、子どもの話を聞いてあげること
こうした心の葛藤は、子どもの成長に欠かせません。これから人付き合いをしていくうえで、大きな糧になるはずです。お母さんにできることは、子どもの話を聞いてあげることです。
一緒にBちゃんの悪口を言ってもいいので、娘さんの心に寄り添ってあげてください。娘さんができそうな方法をいくつか提案してあげてもいいでしょう。お母さんもつらいでしょうが、子どもの力を信じて待ってあげてください。
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記事監修

柴田愛子 しばた・あいこ
自主幼稚園「りんごの木」代表。子供の気持ち、保護者の気持ちによりそう保育をつづけて47年。小学生ママ向けの講演も人気を博している。ロングセラー絵本『けんかのきもち』(ポプラ社)、『こどものみかた』(福音館書店)、『あなたが自分らしく生きれば、子どもは幸せに育ちます』(小学館)など、多数。
イラスト/海谷泰水