本気で子どもを守りたい!が詰まった『子ども版 これで死ぬ』は夏休み前に親子で必読したい1冊

ドキッとするタイトルの『子ども版 これで死ぬ』。
水の事故を始め、子どもの周りには思いもよらない危険がたくさん潜んでいます。どうしたらわが子を助けられるか、危険にあわないようにできるのか、事故の増える夏休みの前に親子で読むことをオススメしたい一冊です。

「子ども版これで死ぬ」とは?

山と溪谷社から、2024年6月に『子ども版 これで死ぬ 外遊びで子どもが危険にあわないための安全の話』というタイトルの本が発売になりました。

本書では外遊びで子どもが危険にあわないために、安全について基本的な知識を解説しています。本編では実際に亡くなってしまったお子さんの事故の状況が語られますが、決して怖がらせることが目的ではなく、危険を知らずに遊ぶことで大事故に繋がってしまうケースを伝えています。

本書にはたくさんの危険の例がありますが、水の事故だけで13件、そしてそれらのシーンで身を守る方法を提案しています。この記事では、『子ども版 これで死ぬ』から一部を抜粋して、危険を紹介します。

これから夏休みが始まります。レジャーに出かける前に親子で「安全と危険」について、一度しっかり話し合ってみてはいかがでしょうか。

夏のレジャー解禁!その前に「水の事故」の危険を知ろう

川の事故

お菓子を拾おうとしておぼれる

小学生の男女4人が川の中州で遊んでいたところ、7歳の男の子が落としたお菓子を拾おうとして川の中に入り、深みにはまっておぼれ、死亡しました。

写真はイメージで本書の内容とは関係ありません

死なないためにはどうしたらいい?

●川では物を追いかけない

川には、陸から肉眼では見えない深みや複雑な流れが隠れています。

子どもの事故で多いのが、ボートやサンダル、浮き輪などが流され、深みに気付かず追いかけて溺れてしまう、というケース。水の中に入っていなくても、水面に落ちたものを拾おうとして転落する危険もあります。「川では物を追いかけない・拾わない」ということを子どもとよく話して約束しましょう。もちろん、大人も同様です。

●かかとが固定できるシューズを選ぶ

川では、ビーチサンダルや樹脂製のサンダルは脱げて流されやすいので危険です。専用のリバーシューズや、バックル付きストラップで止めるタイプのスポーツサンダルなど、かかとが固定できるものが適しています。

川岸で遊ぶ際にもフットギアの選び方は重要です。水際の石やコンクリートはコケが生えていることもあり、滑りやすくなっています。靴底が滑りにくいものを選びましょう。

海の事故

高波にさらわれる

観光地としてハイカーや旅行客も多く訪れる海岸沿いの遊歩道で、歩いていた13歳と11歳の姉妹が高波にさらわれて行方不明になり、妹が亡くなりました。

『子ども版 これで死ぬ』P.48より転載 イラスト=コルシカ
『子ども版  これで死ぬ』P.48より転載 イラスト=コルシカ

死なないためにはどうしたらいい?

●台風は遠くても危ない。海の予報を確認

当時雨は降っていませんでしたが、台風が近づいていたとのことでした。低気圧で発生した強い風が吹くとき、高波が発生しやすくなります。自分のいる場所が晴れていて、目の前の海はおだやかに見えても、遠く海上にある台風や低気圧の影響で高波が押し寄せてくることがあります。

海水浴をはじめ海沿いにレジャーに出かけるときは、事前に日本近海に台風が発生していないか、波浪注意報や高潮注意報などが出ていないかなどを確認し、注意報が出ていたら海には近づかないようにしましょう。

また、台風が過ぎ警報や注意報が解除されても、すぐにおだやかな海に戻るわけではありません。台風の通過前後の海のレジャーでは細心の注意が必要ということを忘れずに。

まだある、身近な「夏」の危険

熱中症で倒れる

13歳の中学生が部活動後に自転車で帰宅する途中に、ヘルメットをつけたまま意識不明で倒れているところを発見され、病院に搬送されましたが、死亡しました。当日、その地域の最高気温は35.5℃と猛暑日で、熱中症が原因だったと見られています。

2005年度~2022年度、学校の管理下に起きた熱中症で死亡した子どもは25人。高校生19人、中学生5人、小学生1人。25人のうち21人は、部活動中に熱中症を発症していました。

(※災害共済給付制度(全国の学校等の児童生徒約95%が加入/2022年度)を運営する日本スポーツ振興センター公開のデータによる(2024年1月25日現在)

『子ども版 これで死ぬ』P.48より転載 イラスト=コルシカ
『子ども版  これで死ぬ』P.102より転載 イラスト=コルシカ

死なないためにはどうしたらいい?

●熱中症の危険が大きい状況を知る

熱中症は気温の高さだけでなく、湿度が高く、日差しや地面からの照り返しなどの環境で危険度が高まります。暑さ指数(WBGT)28~31は「厳重警戒」で激しい運動は避ける、暑さ指数31以上で、運動は原則中止(特に子どもは中止するべき)とされています。(日本スポーツ協会が定めた「熱中症予防運動指針」による)

夏の炎天下のような環境では、汗による発汗機能が十分でない思春期前の子どもは、深部体温が上昇しやすく熱中症の危険が増します。熱中症の危険度の指標、暑さ指数が28を超える日は、炎天下での運動、遊びは避けましょう。

学校管理下の熱中症による死亡事例で最も多いのは、中学・高校の部活動中の事故。部活動中の管理は顧問にゆだねられているケースが多く、そのリスクを過小評価している事例も少なくありません。暑さ指数を始め、登下校の移動手段や距離、環境を考え、子どもと保護者の判断で休むことも必要です。

夏休みを前に親子で危険を知ることが大切

夏でいえば最近はゲリラ雷雨などの突発的な大雨や雷も多発しています。遭遇してしまったとき、どのように身を守ればよいかは場所や状況によっても変わるため、子どもだけでいるときに正しく判断して行動をすることはとても難しいことです。ですが、たとえば雷の音が聞こえたらどういった行動をとれば良いか、しっかり家族で話し合っておくことは、子どもを守るうえでとても有効です。

本書では他にも山の危険や身近な場所の危険についても紹介しており、こんなところにも?と今まで気づかなかった危険も知ることができます。

子どもを大きく成長させる夏休みがやってきます。「危険だからダメ」ではなく、最大の安全を考慮して、ぜひ楽しい夏休みを過ごしてくださいね。

子ども版 これで死ぬ 外遊びで子どもが危険にあわないための安全の話

著者名:大武美緒子 イラスト:コルシカ
監修:羽根田 治、藤原尚雄、松本貴行、山中龍宏
出版社名:山と溪谷社
販売価格:1,540円(税込み)

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文・構成/HugKum編集部

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