地球の自転とは?
まず、地球の自転とはどのようなものなのか解説します。速度や周期についても紹介しますので、基礎知識を学びましょう。
地球が地軸を中心に回転すること
地球の自転とは、地球が北極と南極を結ぶ地軸を中心に、1日で1回転することです。
地軸は、地球が太陽の周りをまわる「公転面」に対して23.4度傾いており、日本がある北半球においては、北極星から見て反時計回りに自転しています。
昼と夜があることや、太陽や月が東からのぼって西に沈む現象は、地球が自転しているからです。自転する中で太陽の真正面にきたとき、その地点は正午となります。
自転速度と自転周期
地球の「自転速度」は、時速約1,700kmです。地球上にいる私たちがそれだけの速さを感じないのは、私たちも地球といっしょに同じスピードで動いているためです。
1回の自転にかかる時間を表す「自転周期」は、海洋や大気などの影響で変化することが珍しくありません。ただ、近年は徐々に自転周期が短くなっていることが分かっており、より慎重な観測が続けられています。
自転周期が早い、もしくは遅い状態が続くと、時間のズレが大きくなってしまうため、「うるう秒」という秒数を加えて調整がなされています。
ほかの天体の自転周期
太陽系惑星の自転周期は、それぞれ大きく異なります。木星・土星・海王星・天王星は、約10~17時間と自転周期が早いのが特徴です。
逆に、自転周期が約1~240日と遅いのが水星・金星・火星です。いちばん早い自転周期は木星の約10時間で、いちばん遅いのが金星の約243日になります。
また、天王星は地軸の傾きが97.8度で、公転周期(太陽の周りを1周するのにかかる時間)が約84年と長いのが特徴です。
天王星の北極と南極では、昼と夜が約42年ごとにやってきます。さらに、金星の地軸の傾きは177.3度とほぼ逆さになっているため、自転する方向も地球や他の惑星と逆方向です。
地球の公転とは?
次に、地球の公転とは、どのような現象なのでしょうか? 公転の意味や公転がもたらす変化について紹介します。自転との違いについても学びましょう。
地球が太陽の周りを回転すること
地球の公転とは、地球が太陽の周りを1年間で1周することと言われています。地球は、地軸が傾いたまま楕円を描いて、北極星から見て反時計回りに太陽の周りを公転しています。
地球の公転周期は、ぴったり365日ではなく、約365.24日です。生じたズレを調整するために、「うるう年」が設けられています。
なお、太陽は移動することがなく、太陽系の惑星の中心に位置していると思われがちですが、太陽も、天の川銀河(銀河系)の中心を公転しています。
太陽の公転周期は、1周まわるのに2億年〜2.5億年もかかるといわれており長いので、動いているように見えないのです。
季節と公転の関係
地球が地軸を傾けたまま公転することによって、春夏秋冬の「四季」が表れます。
北極側が太陽のほうを向くと北半球は昼の時間が長くなり、夏になります。南極側が太陽のほうを向くと北半球は昼の時間が短くなり、冬になります。自転軸が公転面(公転の軌道によって描かれる平面)に対して垂直になったときは春と秋です。
地球が公転することで四季や夏至・冬至が表れ、北半球と南半球で季節が逆になるのです。
なお、自転軸が公転面に対して垂直な水星や金星では、常に太陽が赤道上にあるため、季節がありません。
地球の自転に関するQ&A
地球の自転に関するよくある疑問の答えをまとめました。知識を深め、子どもに話してあげるのもよいのではないでしょうか。
地球やその他の天体に興味を持ってくれるかもしれません。
自転を発見したのは誰?
地球の自転を初めて証明したのは、フランスの物理学者のレオン・フーコーです。1851年、彼の有名な発明の一つである振り子を用いた公開実験を行い、自転の証明に成功しました。
ただ、それ以前にも多くの学者が地球の自転について議論してきました。例えば、紀元前4~5世紀には、すでにピタゴラス学派が地球は自転しながら公転していると考えていたのです。
コペルニクスは出版した本の中で地動説を唱え、太陽が太陽系の中心であるとしました。ガリレオもコペルニクスの地動説を支持した一人です。
ニュートンは、地球の自転を証明するための実験を行いました。理論と一致する結果だったものの、証明できない結果もあったため、決定的な自転の証明にはならなかったのです。
なぜ自転しているの?
地球は、何かしらの力によって自転しているわけではありません。地球は、もともと宇宙に漂っていた回転するガスや塵の中から誕生しました。地球の自転や公転は、誕生したときから続いているのです。
地球は宇宙空間にあり、自転を止める摩擦が起きないため、ずっと回り続けることができます(慣性の法則)。実際には太陽や月、惑星による力が働いていますが、自転を止めるほどではありません。
つまり、自転を止める摩擦が起きない限り、これからも地球は自転し続けるのです。
自転が止まったら?
音速よりも早い、時速約1700kmの自転が突然止まることになった場合、人・建物・木々などあらゆるものが物凄い勢いで吹き飛ばされます。
この力は大気にも働くので、今まで誰も経験したことがない、強烈な突風が吹き荒れます。強風によって、世界各地で巨大な津波も発生するでしょう。
太陽のほうを向いた側は昼のままで極度の灼熱にさらされ、反対側は夜のままで極寒の日が続きます。また、宇宙空間から降り注ぐ放射線から守ってくれている地磁気も消滅し、強烈な放射線が降り注ぐことになります。
地球が自転し続けることは、人間が地球上で暮らしていく上で欠かせない現象なのです。
地球は自転しながら公転している
地球の自転は、地球が北極と南極を結ぶ地軸を中心に1日で1回転することです。地球の公転は、地球が太陽の周りを1年間に1周することを指します。昼と夜や四季があるのは、地球が自転しながら公転しているからなのです。
子どもに昼と夜の関係について話すとき、あるいは季節の移り変わりを話すときに、地球が回っていることを伝えてあげると、より身近な現象として興味を持ってもらえるかもしれません。
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文・構成/HugKum編集部