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いざという時に困らない!暮らしにローリングストックを取り入れよう
今回のテーマは「もしもに備えるローリングストック」です。9月は防災月間なので、災害発生時に必要な備蓄品を確認する良いタイミング。特に気になるものが、食品や水です。せっかく揃えたのにうっかり期限切れ…という経験はありませんか?今回は、備蓄を簡単に行うローリングストックや、普段から意識しておきたいポイントなどをご紹介します。この機会に一緒に見直してみましょう。
覚えておこう!防災備蓄品の3種類
ローリングストックをお伝えする前に、まずは防災備蓄食品の3種類をご説明します。
① 非常用の食品
主に災害時に使う食品です。カロリーを手早く摂取できる甘いものや、お湯や水を注ぐだけでご飯になるアルファ米など、長期保存可能なものが多いです。
わが家は玄関に非常用持ち出し袋を用意して、それぞれのリュックに非常食を分散させています。最近は色々な商品が販売されていて、種類も豊富。保存性の高さや栄養価はもちろんですが、いざという時に家族みんなが好んで食べられるアイテムを選んでおくと安心ですね。
② 普段の食品(ローリングストック用の食品)
普段から使い、そして災害時にも使う食品です。後述しますが、今回のご紹介するローリングストック(回転備蓄)は、これらのことをさします。
災害時には避難所に行けない、もしくは行かない方がいいというケースも。その場合、自宅でそのまま生活を送る「在宅避難」になりますが、普段の食品の備蓄はこの在宅避難を想定して考えていきましょう。
③ 持ち歩き用の食品
外出時に災害や事故に遭ってしまったら?電車のトラブルや、車の渋滞に巻き込まれてしまったら?すぐに食べ物を手に入れられない時のために、カロリーを素早く摂取できる甘いお菓子を持ち歩くと安心です。不安な時に甘いものを口にすると少し和む効果もありますね。
また、水分は必ず持ち歩く習慣を。夏場は意識する方が多いですが、命を守るためにはいつでも必要。荷物が重くなってしまいますが、常に準備しておくと安心です。
①、②、③の防災備蓄食品の違いがわかると効率よく用意することができます。
ローリングストックとは?
ローリングストックとは、言葉の通りストック(備蓄品)をローリング(回転)すること。普段の食品を少し多めに買い置きしておき、期限が古いものから定期的に消費。食べた分だけ買い足す方法です。災害時を意識しながら常に一定数の食品を家庭で備蓄できます。
ローリングストックは、フードロス予防にも!
整理収納アドバイザーとしてもこのローリングストックはオススメ。実践すると、冷蔵庫や食材収納庫も含めて「何が、どこに、どれくらいある?」と家じゅうの食品に目が行き届きやすくなります。
フードロスは、本来食べることができたはずの食品が廃棄されることですが、実は一般家庭からも多く発生しています。環境面、家計面から考えても無駄はなくしたいですよね。ローリングストックを意識して買い物をしたり、わかりやすく収納して消費しやすくしておくと、普段はもちろん、いざという時のストレスも減らすことができるはずです。
ローリングストックで意識するポイントは?
基本的に、生鮮食品以外の数ヶ月以上保存ができるものはローリングストック可能です。食品は各家庭で嗜好が異なるので、基本は普段の食生活に合ったものを用意しましょう。備蓄品リストや量の目安は、政府や各省庁、各自治体からも詳しい情報が発行されているのでご確認ください。それを踏まえた上で、わが家では特にこのようなことに気をつけています。
賞味期限・消費期限が半年以上あるものを買う
ローリングストックは普段から使っている食品ですが、期限があまりに短いとうっかり期限切れということも。心配せずに食べ切ることができるよう、購入時はなるべく期限が半年以上先の食品を買い足すようにしています。
食品は最低3日〜できれば1週間分×人数分 用意する
災害時、食品が手元に届くまで1週間ほどかかると言われています。まず冷蔵庫や冷凍庫に入っている傷みやすいものから食べ、その後に常温で保管しているものを食べ、最後に長期保存可能な非常食を食べるようにすると、だいたい1週間分乗り切ることができるようです。
普段はつい忘れがちですが、冷蔵庫や冷凍庫の中も立派な備蓄庫。万が一のことを考えて、冷蔵庫や冷凍庫の中はカラにしすぎないように心がけています。
食物繊維、タンパク質、ビタミン、ミネラルを意識する
災害時被災地に配られる食品はおにぎり、パン、カップめんなどの炭水化物が多く、食物繊維、タンパク質、ビタミン、ミネラルが不足する傾向があるそうです。そのため、フリーズドライのスープ、魚や果物の缶詰、干し野菜などを普段から取り入れるようにしています。
わが家では、無印良品のフリーズドライのスープは人気メニュー。どれも具材がしっかり入っているので満足感があります。細かくカットされた高野豆腐も味噌汁の具としてよく登場します。栄養的な面はもちろんですが、普段から食べて「いつもの味」になっていると災害時の心理的なストレスも少し減らせるのではないかと考えます。
水は1人あたり1日3L×最低3日〜できれば1週間分
水は命を守るために必ず必要なものなので、十分に用意します。家族が増えればその分増えますし、小さな子ども、高齢者、ペットがいるお宅はさらに多めにしておくと安心です。
わが家はこれまで水は2Lボトルで用意していたのですが、衛生面や携帯面から飲み切り可能な500mlボトルを追加購入することにしました。ただ、2Lの方が便利な場面もあるようなので、今後は2Lボトルと500mlボトルを両方備蓄する予定です。
ローリングストックは、どこに収納する?
食品はキッチンやその周辺に収納しておくと使いやすいですよね。ローリングストックの食品も含め、全て収納できるスペースがある場合はキッチン周辺に収納しましょう。ただ、間取りや他の収納アイテムとの兼ね合いで難しい場合も。その場合は家の中に分散させて収納します。便利な場所はそれぞれ異なりますが、水や食品が傷まないように直射日光や高温多湿を避けられる場所に収納します。
分散させる場合は、目が届く工夫を
わが家の場合、キッチンの収納棚に入れる食品は、ファイルボックス6個分と決めています。それ以外はキッチンから離れた場所にあるウォークインクローゼットの中。すぐ近くにお米のストックを置き、1~2ヶ月に1回、補充のタイミングで周辺の食品の期限を確認し、キッチンに移動するようにしています。目が届く工夫をすることでうっかり期限切れを起こしにくくしています。
見直すタイミングは?
ローリングストックの食品は、なるべく普段の暮らしで回転して消費していくように心がけますが、食べ切ることができずに残ってしまう場合も。大きな見直しを半年に1回行うことでフードロスを避けます。
見直す時期は、9月と3月がオススメ。その頃になるとテレビやネットで防災関連情報を目にする機会が増えます。スーパーや量販店でも防災用品売り場を設けたりするので「そろそろ見直そうかな」と気がつきやすくなります。
期限はとにかく分かりやすく
見直すついでに、収納方法もひと工夫。期限の印字面を分かりやすくします。たとえ商品のパッケージが逆さになっても、期限の印字面が見やすければOK!印字が小さくて読みにくい場合は、見やすい場所に手書きする方法も。少しでも確認する時の負荷を減らす工夫をします。
あると便利!カセットコンロのチェックも忘れずに
食品だけでなく、調理に使う道具も確認を。電気やガスや使えないことを想定するとカセットコンロは持っておきたいアイテム。お湯を沸かしたり温かい食事を作ることができます。でも、いざという時に使えない、なんてことがないように確認します。壊れていないか、ボンベのストックは十分にあるかチェックして、足りない場合は買い足します。
いかがでしたか?災害を見据えた食品の「もしもに備えるローリングストック」をご紹介しました。いつ、どんな災害が起こるか分からないので、常に用意しておく必要があります。また「一度揃えたらOK!」ではなく、暮らしに合わせて定期的に見直す必要があります。この記事をキッカケに、今日から取り組んでみましょう。
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