北極星と呼ばれる星が変わるってホント? 移り変わりや見つけ方、特徴を解説

北極星がどのような星なのかを説明できるよう、特徴や移り変わりなどの基礎知識を紹介します。北極星の見つけ方についても触れるので、実際に子どもと一緒に探してみるのもおすすめです。子どもが天体に興味を持つ、一つのきっかけになるかもしれません。

北極星とは

北極星は、具体的にどのような星なのでしょうか?  定義や特徴を紹介します。北極星は動いているのか動いていないのか、よくある疑問の回答も確認しましょう。

常に真北で輝く星のこと

北極星は名前から想像できる通り、天の北極に一番近い輝星(こうせい)を指します。天の北極は、地球の自転軸を北の方角にのばしたときに天球と交わる場所のことです。南半球からは北極星を観測できず、北半球でのみ見られます。

常時、真北の位置に見えるため、古代から方角を確認するのに役立っていました。現在も、天体観測において北極星は重要な役割を果たしています。

北極星は動かない?

かつては不動の星と考えられていた北極星ですが、実際には動いています。動かないように見える理由は、北極星が地球の自転軸の延長線上にあるためです。例えば、メリーゴーランドに乗っているときに横の風景は変わるのに、真上を見ると風景がほぼ変わっていないように見えるのと同じ現象です。

また、北極星が宇宙のはるか彼方にあることも理由といえるでしょう。地球から431光年も離れているため、肉眼では動いていないように見えるのです。

時代とともに移り変わる北極星

北極星を星の名前だと、勘違いしている人もいるのではないでしょうか。北極星は特定の星の名前ではなく、その時々で最も天の北極に近い明るい星が北極星と呼ばれており、呼ばれる星は「交代制」なのです。

これは、地球の地軸が約2万6,000年の周期でゆっくりと方向を変える「歳差(さいさ)運動」によって、天の北極に最も近い星が変わるためです。歳差運動が起こるのは、太陽・月・惑星の引力の影響とされています。

なお、2022年現在の北極星はこぐま座のα星である「ポラリス」です。

現在の北極星「ポラリス」はどんな星?

こぐま座の「ポラリス」が、どのような星なのか特徴を分かりやすく紹介します。こぐま座についても触れるので、知識を深めましょう。

こぐま座の尾の先にある星

ポラリスは、こぐま座の尾の先に位置しています。こぐま座は、北斗七星で有名な「おおぐま座」の尾と形がよく似ており、「小北斗七星」と呼ばれる七つの星で構成されています。

北半球で一年中観測できるものの、夜でも明るい都会の空では、七つの星の全てを見るのは難しいのが現状です。α星のポラリスとβ星のコカブだけしか見えないことが多いでしょう。

ギリシャ神話では、こぐま座になっているのは、神ゼウスの息子であるアルカスとされています。おおぐま座はアルカスの母であるカリストです。つまり、おおぐま座とこぐま座は親子関係にあるのです。

ポラリスの特徴

太陽は恒星(こうせい)、地球は惑星(わくせい)、月は衛星(えいせい)というように、天体には複数の種類があります。そのなかで、ポラリスは恒星に属しています。

惑星である地球と衛星である月が太陽光の反射で輝いて見えるのに対し、恒星は自ら光を放ち輝いているのが特徴です。太陽に匹敵する光度や大きさを持っていますが、はるか遠くにあるため、暗く見えたり小さく見えたりするのです。

恒星は明るさによって1~6等星に分けられており、一番暗い6等星と一番明るい1等星では明るさの比が100倍になります。ポラリスは2等星のかなり明るい星なので、見つけやすいといえるでしょう。

北極星の見つけ方

やみくもに夜空を眺めても、どれが北極星なのかわからないことも珍しくありません。簡単に見つける方法を二つ紹介しますので、実際に見つける際に役立てましょう。

北斗七星やカシオペア座を目印にする

見つけやすい目印となるような星をまず見つけて、そこから北極星を探す方法があります。まず、七つの明るい星がひしゃく形に並んでいる北斗七星を見つけましょう。ひしゃくの先端にあたる二つの星の間隔を、ひしゃくの口があいた方角に約5倍のばした先に北極星があります。

そのほか、「W」の形をしたカシオペア座を目印に探すことも可能です。両端のそれぞれ二つの星がつくる線をのばし、その交点とWの真ん中に位置する星との距離を約5倍のばすと、同じように北極星を探し当てることができます。

北極星の見つけ方

方位磁石で北の方向を探す

方位磁石を用いれば北の方角が簡単にわかり、北極星を見つけられます。

方位磁石が示す北の方角に体を向け、観測場所の緯度とだいたい同じ分だけ顔を上げてみると見つかるでしょう。これは、緯度と水平線からの北極星の高さがほとんど同じであるためです。

方位磁石を使うときは、胸の高さで水平に持つことが大切なポイントです。体の向きを変えながら針の先端が北にくるようにすると、北の方角がわかります。方位磁石はスマートフォンのアプリにもあるので、使ってみましょう。

一年中光り輝く北極星

北極星は天の北極に一番近い輝星のことで、特定の星の名前ではなく交代制です。現在の北極星は、自ら光り輝く恒星のポラリスです。

北極星は、北斗七星やカシオペア座を目印にしたり、方位磁石で方角を調べたりして探せます。2等星とかなり明るい星なので、見つけやすいでしょう。

子どもと一緒に夜空を眺めて北極星を探したり、こぐま座のギリシャ神話を教えてあげたりすると、天体への興味が湧くかもしれません。

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構成・文/HugKum編集部

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