【小児科医監修】夏に怖い子供の「細菌性胃腸炎(食中毒)」、予防法や対処法、登園はいつから?

連日の猛暑続きです。この時期気をつけたいのが、こわーい食中毒! ひとまとめに食中毒といっても、いろんな細菌が原因で、症状もさまざま。そのときの体の状態によっては、危険な状態になることもありえます。しっかり予防&対処法をマスターしましょう!

step1 「細菌性胃腸炎(食中毒)」のおもな症状と原因

食べものについた細菌が感染源に

細菌性胃腸炎(食中毒)は、さまざまな種類の細菌が原因となり、腹痛や下痢、嘔吐などが起こります。初夏〜夏に発生する食中毒は、主に細菌が原因です。細菌の種類によって症状が異なりますが、腹痛や下痢、嘔吐などが多く見られます。

どういう経路で人にうつる?

細菌がついたものを食べたり飲んだりするほか、感染した人の排泄物などが手を経由して口に入ることでうつる場合もあります。症状は数日で治まることがほとんどですが、まれに重症化することも。保育園などでは集団発生の可能性もあるので、食中毒が疑われる場合は、早めの受診が大切です。

step2 「細菌性胃腸炎(食中毒)」治療の基本

下痢止めなどは使わず、菌を排泄して

病院での治療は、脱水の予防と対症療法が中心。細菌の種類や重症度によっては、抗菌薬が処方されることもあります。体内の菌や毒素を排泄したほうがよいため、強い下痢止めや吐き気止めは使われません。

家庭での対処法は?登園登校はいつから?

家庭では、脱水を防ぐため、こまめに水分補給を。食事がとれない場合は、経口補水液を利用しましょう。O-157などの腸管出血性大腸菌に感染した場合、医師が伝染の恐れがないと認めるまで、登園、登校は禁止です。

step3「細菌性胃腸炎(食中毒)」予防のためにできること

手洗い&うがいを徹底。排泄物などの処理後はアルコール消毒を

手を介して感染することがあるので、手洗いとうがいをしっかりと。アルコール消毒も有効ですが、濃度が薄くなると除菌効果が弱まるため、消毒液は必ず乾いた手につけます。食事のテーブルをふく台ふきんも清潔に。使用後は洗剤で洗い、できれば熱湯消毒をしてから、完全に乾燥させましょう。排泄物や吐いたものは、紙タオルなどで広げないように取り除き、汚れた部分とそのまわりはアルコールで消毒します。

 


 

家庭でのキッチンまわりの注意点!

・食事の前には、石けんで手洗い。
・できあがった料理は、すぐに食べる。
・食器、台ふきんなどを清潔に。
・料理を保存するときは室温におかず、短時間で冷やす。
 20℃〜50℃で菌が増殖しやすいので、できるだけ早く20℃以下に!
・食材は新鮮なものを選び、低温保存。
・手や調理器具を清潔に。
・食材は十分に加熱する。
  「中心部の温度が75℃で1分以上」を目安に!

 


 

記事監修

澁谷紀子|小児科医

総合母子保健センター 愛育クリニック 小児科・母子保健科部長
小児科専門医、アレルギー専門医。東京大学医学部卒業。東大病院、山王病院、NTT東日本関東病院小児科などを経て現職。4人の女の子の母でもある。

出典/『新 幼児と保育』 文/野口久美子 再構成/HugKum編集部

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