子どもの「できない、困った」にもおすすめ!【弱い力でも使いやすい文具】を集めた本が今、話題

普段何気なく使っている文房具。例えばこんなことがありました。親が普通につかっているダブルクリップも渡すと、小学一年生の娘は顔を真っ赤にして力を込めますが、結果的に使うことができませんでした。その理由は「手の力の差」。そんな見落としがちな事実に気づかされ「誰にでも使いやすい文房具」を知ることができる本、波子・著「弱い力でも使いやすい頼もしい文具たち」が2022年10月25日に小学館から発売されました。

「弱い力でも使いやすい頼もしい文具たち」はどんな本?

この本は誰にでも使いやすい文具が50点以上紹介されています。本の中ではこの「誰」を、子ども・高齢者・不器用さんと例示していますが、どんな方でも当てはまる場合もあります。使いやすいと感じられるポイントが商品ごと丁寧に説明されているので、あなたの「こまった」や「こうだったらいいのに」を解消してくれるアイテムと出合えるはずです。

著者・波子さんについて

小さい頃から病気を持っていた波子さん。30代後半の2012年頃から目に見えて筋力が弱くなってきました。杖・車椅子を利用する生活を経て、現在は簡易型電動車椅子を利用して生活をしています。

右手の握力は小学5年生程度の15kgほどで、左手はもっと低いとのこと。手に関しては特にものをつまみ上げたり、引っ張ったり、手を開いたりといった動作が難しくなってきたそうです。

また、体幹を支える力も弱く、左手で体を支えながら右手だけで作業することが多いので「片手で使える文具」が使いやすいと感じています。

そのため、この本では波子さんの感じた
「片手で使える」
「取りやすい」
というポイントが商品紹介とともにタグ付けされています。

「波子さんの使いやすい」は「子どもの使いやすい」とリンクする

波子さんの紹介されている道具はすべてではないものの、小さな子どもにとっても使いやすかったり、そのためのヒントが隠れていたりします。こちらの記事では、特にお子さんにもよさそうなものをいくつか紹介していきます。

ハシレ!エンピツケズリ!

プラスから2021年春に発売された「ハシレ!エンピツケズリ!」。

 

鉛筆を削る際、鉛筆をセットしたりハンドルを回すときに力が必要で、鉛筆を削るのが小学校の頃から憂鬱であったというデザイナーが、「楽しく鉛筆を削るにはどうしたら良いか」と作り上げた製品で、発売当時には特に話題になりました。

「削る時に力が必要ないように」

このコンセプトがお子さんだけでなく、手の力が弱い波子さんのニーズにもピッタリとあったのです。
鉛筆をセットした後は、ミニカーで遊ぶように前後に動かすだけで削れる優れもの。車を走らせるための力はほぼ必要ありません。また削りすぎを防止するように尖ったことを音で知らせる仕様になっています。

ノリス ジュニア 色鉛筆

ドイツのメーカーステッドラーの色鉛筆です。

本の中では「侮れない子ども向け文具たち」という章もあります。

そこで紹介されている商品のうちの一つがこの色鉛筆。子ども向けの筆記用具には「太くて握りやすい」「弱い力でも描くことができる」といった特徴があり、この色鉛筆も「筆圧がなくてもしっかり描ける」と見出しがつけられています。

私は普段感じていませんでしたが、「色鉛筆を使うためにはそれなりな筆圧が必要」と伝えている波子さんのコメントに新しい気付きがありました。子どもにとっても色鉛筆は意外と描きにくいのかもしれませんね。

両面テープ ラクハリ 強力貼る

コクヨから発売されている「両面テープ ラクハリ 強力貼る」。

工作にも便利で、子供向け工作ワークショップで多用されることも多い両面テープ。しかし、貼ったあとに子どもたちから毎回「剥離紙がはがせない」という声がたくさん上がっていました。

剥離紙を剥がすにはある程度の指先の細かい動きやちょっとしたコツが必要なんですよね。この本では「片手で使える」というタグ付けとともに、このような説明がされています。

「両面テープは剥離紙がやっかい。めくるのに両手が必要で、指先が震えてしまうと難しい動作」
(ラクハリでは)「剥離フィルムは本体の中で巻き取られ、自分でめくる動作が不要」「本体を持ち上げるだけでテープが切れます」

チョコレートカッターL

また、NTカッターから発売されている「チョコレートカッターL」。

一見「かわいらしいけれどなぜチョコレートがデザインされているのか?」と不思議に思う商品ですが、波子さんの視点は違います。

 

「厚みのあるふくらんだ形が手の中にフィット」
「刃の先端にも丸みがあり、カッターナイフのとがった刃先が苦手な人にも安心して使えるのではないでしょうか」

また、かわいらしさを表現しているであろう少し溶けたチョコレートの形も「スライドするときにサポートをしてくれる」メリットがあることが書かれています。「力が弱くても、かわいい文具を使いたい」という気持ちにもフィットしてくれるそうです!

読みやすい本にするために


この本はページが180度にを開く製本方法がとられています。これも読みやすさのための工夫です。通常の本では読むときに常にページを押さえていなければなりません。しかし、この本は手を離しても読むことができるため、どのような方にも読みやすさを提供しています。

視点を変えるとモノの見方が大きく変わる

この本の「はじめに」では「障害というのは人それぞれ程度が千差万別」と語っています。あくまでも波子さんにとって使いやすいと感じた文具をご紹介しているので、すべての方に当てはまるとは断言できません。しかし、まずはお子さんに使いやすい文具を探したり、もちろんご自身が便利に使える文具が見つかる本となっています。また、視点を変えるとモノの見方が大きく変わるという大切さに気付かされる本でもあります。ぜひ手に取ってみてください。

また、この本を出版するきっかけになった、文具情報のWebマガジン「文具のとびら」での連載「車椅子ライターから見た 弱い力でも使いやすい文具たち」も続いています。最新の情報はこちらをごらんくださいね。

文・構成/ふじいなおみ

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