残すor手放すの線引きは?「本の収納のコツ」を整理収納アドバイザー・水谷妙子さんが伝授

整理収納アドバイザー・水谷妙子さんによる整理収納におけるコツをご紹介。今回は「読みやすく、戻しやすい!本の収納のコツ」です。

充実した読書タイムを過ごすために

今回のテーマは「読みやすく、戻しやすい!本の収納のコツ」です。秋の夜長は読書にぴったり。子どもの想像力を育み、親子の絆を深め、知見を広げる読書の時間。親子ともに充実した読書タイムを過ごすために、本を整えてみましょう。収納のコツだけでなく、手放し方のアイデアもご紹介!是非試してみてくださいね。

まずは「本をどう持ちたい?」を考える

本の収納の前に「本をどう持ちたいか?」を家族の中で話し合うことが大切です。

本は趣味や娯楽要素が強いアイテム。日々の読書習慣、本の購入頻度などで蔵書数が大きく変わります。所有している本のジャンルやサイズもご家庭によってバラバラ。暮らしの中で、本とどう付き合っていくのか、まずは考えてみましょう。

例えば、本を家の中の見える場所に置きたい?その場合は、どのぐらいの量を置く?それとも、目につかない場所に置いて、必要な時だけ出し入れするのか。ご家庭それぞれの「本をどう持ちたいか?」によって収納方法は大きく変わります。

また、同じ家に住む家族の中でも違いがある場合も。それぞれの想いを尊重した上で、本の収納を考えていきましょう。

子どもの「一軍の本」は近くに&読めるだけ置く

本の持ち方はご家庭ごとに差はありますが、ここからは共通の収納のコツをお伝えします。基本を知った上で「わが家はどうかな?」と考えてみてくださいね。

まずは子どもの本からスタート。本には使用頻度がありますが、今よく読んでいる本やこれから興味を持ちそうな本は「一軍の本」とします。収納場所は、子どもが読む場所、もしくはすぐ近く。本の出し入れがおっくうにならない場所に収納します。

例えば、わが家には3人子どもがいますが、共用の本が多いです。おもちゃや学用品が置いてあるキッズスペースで読むことが多いので、棚の一角に収納しています。

置きすぎ注意!「一軍の本」は、読める分だけ

「一軍の本」をどのぐらいの量にするか。本に対する意識はご家庭によって違うので、それぞれしっくりくる量を決めます。

ただし、私たちは本だけを管理しているわけではありません。おもちゃ、衣類、その他必要な生活用品も同時進行で管理しています。他のアイテムとのバランスを取りながら、今読める分だけ置くようにしましょう。

ちなみに、わが家の子どもの「一軍の本」は、幅86cmの棚の一段分に収まるだけ。分厚い図鑑も含めて、約50冊入っています。定期的にラインナップを見直しています。

「一軍の本」を読みやすく&戻しやすくするコツ

子どもが使いやすい本棚のポイントは「読みやすく&戻しやすく」です。

①すぐわかる

本の平積みはNG!表紙が重なると目的の本を見つけられません。ラインナップが一覧できるように収納します。背が低い本が多い場合は2段で収納しても。これは余っていた収納ボックスを逆さに置いていますが、手前と奥、それぞれスムーズに出し入れできるか確認して設置してください。

②詰め込み過ぎない

棚の中が本でギチギチでスキマがない状態だと、読書や片づけがおっくうになりやすいです。棚から本を一冊抜いたら、その分の空間がしっかり残るぐらい余裕があると理想的です。

③倒れない

本は意外と重いため、一気に倒れてしまうと子どもの力で戻すことは困難。倒れても途中で止まるように、10cm〜15cmごとに細かくブックエンドで仕切るといいでしょう。

ブックエンドは安定感のあるモノがオススメ。わが家は無印良品の「スタンドファイルボックス」を愛用しています。元々は書類用ファイルボックスですが、穴があいている方を底面にして使うと箱型のブックエンドになります。

今は読まないけど、また読むかも…は「二軍の本」に!

子どもが読みたい本はいつも同じとは限りません。図書館にも開架図書と閉架図書があるように、本を入れ替えることは自然なこと。月齢や興味に合わせて本棚のラインナップを見直しましょう。

オススメのタイミングは、新しい本を買って増えた時や、子どもが片づけにくそうにしている時。また、本が積み上がっている時も見直しのサインです。できれば子どもと一緒に整理します。

「二軍の本」は多少取り出しにくい場所でもOK

今は読まないけどまた読みたい本は「二軍の本」として保管します。場所はどこでも大丈夫ですが、一軍の本に比べると取り出しにくい場所でOKです。わが家はキッズスペースのクローゼットの中が定位置です。

ちなみに、子どもは「もういらない」と言うけれど、思い出が詰まっていて親の方が捨てられない、という本はありませんか?それは本ではなく「親の思い出」です。誰も読まないけど取っておきたい本は、思い出ボックスに移動しましょう。

図書館の本は、家の本と混ざらないように

子どもが図書館で借りてきた本。うっかり忘れてしまい、読まずに返却期限切れ…なんてことはありませんか?わが家は「目につきやすいけれど、家の本と混ざらない」場所を探して、棚の上に置いています。

小さめのブックスタンドを置き、100円ショップで買った透明粘着マットで棚を固定。こうしておくと本を出し入れする時にずれにくくなります。

この方法にしてから、子どもが図書館の本を積極的に読むようになりました。図書館の本を忘れがちな方は是非!

絵本や児童書のカバー&帯はどうする?

絵本や児童書のカバーや帯。皆さんはどうしていますか?わが家は本を手に入れたらすぐに本体と分けて捨てることが多いです。

まず、絵本や児童書はカバーと本体のデザインが同じことが多いです。カバーをつけたままだとずれて読みにくくなったり、カバーが外れていたり、紙の端が鋭利な場合は手を切ってしまうことも…。

以前は「売る時に、あった方がいいかな?」とか「付属品はなんとなく捨てにくい…」と保管していましたが、結局子どもが熟読した本を売ることはなく、カバーを再びつける機会もなかったので捨てることにしました。

もちろん、保管してもOKです。ただし「なんとなく取っておく」だとモヤモヤが続くので、自分なりのルールをしっかり決めておきましょう。

大人の本も「どう持ちたい?」を考える

ここからは大人の本についてお伝えします。はじめの方でも触れましたが、この機会に大人の本も「本をどう持ちたいか?」を考えてみましょう。

どのぐらいの頻度で、何を読むことが多い?現時点で、買ったけど読んでいない積読(つんどく)は何冊ある?電子書籍と実物の本、選ぶ時の基準は?など。

私自身、最近は家よりもカフェで本を読むことが多いです。また、ジャンルを問わず2〜5冊を「一軍の本」として、同時進行で読みます。そのため「一軍の本」はバッグの横に置いて、外出時にサッと持ち運べるようにしています。子どもの「一軍の本」とは量も収納方法も、全然違います。

「二軍の本」も入り切らなくなったら見直す

私の場合、読み終わったら「二軍の本」になります。普段あまり使っていない部屋の作りつけ収納に夫婦二人分の二軍を入れておき、ここに入り切らなくなったら見直して、手放します。

本を見直していると、ずっと手元に置いておたい本もあれば、サラッと手放せる本もあります。「これは電子書籍でもよかったかも…次からこのジャンルは電子書籍にしてみよう」など発見もできます。定期的に見直すと、本棚がスッキリして、買い物の意識も変わっていきます。

本を手放すアイデア

本を手放す時に、捨てるべきか、売るべきか迷う方もいらっしゃるのではないでしょうか。できれば納得できる方法で手放したいですよね。

本は保管状態が良ければオークション、フリマアプリ、リサイクルショップなどで買い取ってもらうことができます。

わが家が最近利用している方法は、段ボールに詰めて送るサービス。一冊ずつ本を査定してもらい、買い取りしてもらえるサービスです。とても手軽ですし「どうせなら、段ボールを埋めたい!」という心理が働き、本の整理がどんどん進みます。

寄付できる団体も!

お金にはなりませんが、寄付という方法もあります。子育て施設や支援団体など、事前に調査と確認は必要ですが、少量から受け付けてくれる場合も。私も、状態が良い絵本は保育園のバザーに出す予定です。

本を捨てることに抵抗がある方は、色々な方法があるので是非調べてみてくださいね!

いかがでしたか?今回は「読みやすく、戻しやすい!本の収納のコツ」をご紹介しました。子どもの本だけでなく、大人の本もスッキリ整理して、秋の夜長の読書タイムを過ごしてみてくださいね。

あなたにはこちらもおすすめ

衣替えが劇的ラクに!衣類整理のコツを論理派アドバイザー水谷妙子さんが伝授
まだの方も大丈夫!秋冬に向けての衣替え 今回のテーマは「衣替えがラクになる!衣類整理のコツ」です。暦の上では秋ですが、汗ばむ日もあれば急に...
食品のローリングストックは普段から!整理収納アドバイザーが教える食品ロスを出さない方法
いざという時に困らない!暮らしにローリングストックを取り入れよう 今回のテーマは「もしもに備えるローリングストック」です。9月は防災月間な...

連載バックナンバーはこちら

記事監修

整理収納アドバイザー
水谷妙子
無印良品で商品企画&デザインを13年間務める。手がけた商品は500点超。調べた他社商品は5,000点超。2018年「ものとかぞく」を起業し、片づけ講座、雑誌、テレビ、書籍などで情報発信するほか、モノについての知識を活かしてコラボ商品開発を行っている。フォロワー6万人を超えるInstagramでは、マネしやすい整理収納アイデアやモノ選び情報を発信中。9歳7歳5歳の3児の母。

編集部おすすめ

関連記事