【子連れ外食のマナー】フードコート、ビュッフェ、回転ずし…子どもと一緒に楽しむためのマナーを伝授!

皆さんは外食することは好きですか?マナー講師である私、赤名麻由子はもともと外食することが大好きでした。しかし、以前に比べて外食することに対しハードルが高くなったと感じる自分がいました。子連れで外食を楽しむには?気を付けたいマナーについてお伝えします。

「子連れで外食」はハードルを感じる…

子連れ外食にハードルを感じる理由は二つありました。一つ目はコロナ禍で外出自体が自粛されていたこと。二つ目は大人だけで外食していた時とは違い、子どもと一緒だと他のお客様に迷惑をかけてしまいそうだったこと。「周りに気を遣って、騒ぐ子どもたちを怒りながら食べるくらいなら家でゆっくり食べていたほうが気は楽だ」と思っていたのです。

ですが、もともと外食が好きな私。少しずつ、外食できる環境が戻ってきて、改めて思いました。仲間や家族と外食して、笑顔で美味しいものをいただくことができたら楽しいだろうな。子どもと一緒に外食を楽しみたいな、と思うようになりました。

子どもと一緒に外食を楽しむために

問題解決のため、一つ目の問題はお店選びで解決できますね。感染対策をきちんと行っているお店であるか、子どもと一緒に訪れて良いお店かどうか事前に調べればいいですね。

二つ目は子どもと一緒に外食するときのマナーについて確認し、その場で確認し合いながら楽しめば良いのだと思いました。これから年末年始にかけて、家族やお友達と外でお食事をする機会が増えると思います。子どもたちと周りのお客様、そしてパパ・ママ、お店の方も含め楽しい時間を過ごすことができるよう、一緒に外食のマナーを確認しませんか?

まず確認したい「子連れ外食マナー」基本の5

外食だからと言って新しく学ぶ特別なことは何もなく、お家での食事のマナーを意識すれば良いのです。大切なことは食事をしているのは自分たちだけではないと意識することです。改めて確認してみましょう。

1.走らない

お店で走るとどんなことが起きるか、一緒に考えてみましょう。「例えばここで〇〇ちゃんが走ったとする、お店の人が料理を持ってここから歩いてくる、そうするとどうなる?」「そうだね、ぶつかるよね。ぶつかったら今度どんなことが起こると思う?」というように、子どもが「そうなったら大変だよね」と思うところまで想像を膨らませて一緒に考えます。

2.大きな声を出さない

だいぶ緩和されたとはいえ、今でも保育園や幼稚園、小学校で食事中は黙食を行っているところも多いです。感染対策や食事をしている他の方の気持ちを一緒に考えましょう。「大きな声を出さなくても分かるよ(聞こえるよ)」と声をかけるのも良いでしょう

  • 3.お店にあるものを大切に扱う

  • テーブルに置いてある調味料、お店のパンフレットやメニュー、カラトリー、ドリンクバーに置いてあるグラス、それらは自分たち個人の物ではなく、みんなで大切に使うものであることを一つ一つ確認しましょう。「他にどんなものをみんなで使っているかな?」と問いかけをして考えてみましょう。飲食に使うものだけでなく、お店のトイレを綺麗に使うことも大切に扱うべき一つですね。
  • 4.大切に食べる

  • 全てが美味しそうで、沢山頼んでしまいそうになりますが、自分が食べられる分だけを頼むこと、目の前に届けられた料理は心を込めた「いただきます」「ごちそうさま」の挨拶と共に残さず食べるようにしましょう。
  • 5.お店の方とのコミュニケーション

  • 席まで案内していただいたら「ありがとうございます」や、注文のお願いも子ども自身ができるように挑戦してみてはいかがですか?全てのやり取りをパパ・ママが行っても良いのですが、せっかくの外食の機会です。パパ・ママ以外の方とのコミュニケーションの機会ではないでしょうか。子どもがまだ小さいときには注文は私が行いましたが、メニューをお返しするときは子どもに「お願いします」と言って渡してね、と渡す役目をさせていました。店員の方もとても嬉しそうに笑顔で受け取って下さいましたよ。

子どものときから「店員さんへの丁寧な対応」を身に付けるのが大切

  • 少し大きくなってからは自分が食べたいものを、自分でお願いすることをさせました。メニューを指さして「これ」や「ハンバーグ」などの単語で依頼するのではなく「このハンバーグをください」までセットでセリフとして言えるようにしました。大人になっても「じゃあ、これ」や「ビール」など単語で注文される方もいますが、より丁寧なのは「~をお願いします」「~いただけますか?」まで丁寧に依頼できるといいですよね。子どものときからそれが当たり前になっていれば自然に店員の方へ丁寧な対応ができるはずです。
  • また、お料理が届いたら「ありがとうございます」下げて下さるかたへ「ありがとうございます」「ごちそうさまでした」のご挨拶を笑顔で伝えるようにしました。もちろん、子どもだけがやるのではなく、親が率先して行います。対応下さるお店の方やお料理への感謝はこのようなコミュニケーションから生まれるのではないでしょうか。

外食シーン別気を付けるべきこと

  • 上記5つはどのお店にも共通することですが、さらに細かく、シチュエーション別に気を付けたいことを確認してみましょう。

    〔ファミリーレストラン〕

    名前のイメージから子どもを連れた家族連れが多いイメージがありませんか?しかし、ビジネスで利用する方、お一人でゆっくりされたい方、ご年配同士ゆっくり食事をされたい方と、様々な方がいらっしゃることを念頭におき、基本の5つを心がけましょう。また、レジ横に設置され、販売されている玩具も子どもは待ち時間の間など興味を示します。お店の大切な商品であることを伝え扱いに気を付けましょう。

    〔フードコート〕

    席の確保や、注文前後の待ち時間、お料理を取りに行くなど、どうしても親が動かなければいけないので食事が始められるまではなかなか食事について話すことができないかもしれません。ですが、お料理の受け取りで「ありがとうございます」のご挨拶や、食器返却時の「ありがとうございました」など挑戦してみてはいかがでしょうか。人が混み合う場所でもあるので、特に「走らない」ことを子どもと確認し合いましょう。

    〔ビュッフェ〕

    好きなものを、好きなだけいただくことができるビュッフェは子どもたちも大好きですよね。旅行先での朝食や夕食でも最近はビュッフェのところが多いようです。子どもの目線とお料理の置き場には大人が思う以上の高低差があります。温かいお料理には蓋が付いているものや、冷たい前菜では小さなガラスの器に取分けられているものもあります。「こないで、自分でやる」と言われてもしっかり最後まで目を離さずにいてください。デザートのコーナーは特に子どもたちが喜ぶ場所でもあり、汚れやすい場所でもあります。次の人が綺麗に使用できるよう、気を配りましょう。

  • 〔回転寿司〕

    今はお寿司にカバーがかかっているところも多いですが、お寿司に向かって「美味しそう」という感想や、流れてくるお寿司の名前をパパ・ママに教えたくて叫ぶ姿も見かけます。大切な商品であることを伝え、マスクをしていても食べ物に向かって話をするのは避けましょう。

    子どもに注意をする際に気を付けたいこと

  • もし少しの注意では直らず、このままでは他の方にご迷惑がかかる、保護者としてしっかり注意しなければいけないと判断したときに気を付けていただきたいことがあります。それは他のお客様の前で大きな声を出して注意しないこと。大人だって、会社や街中で他の人に見られながら叱られたら嫌ですよね。伝えて子どもが分かってくれたら笑顔でまた食事に戻りましょう。楽しい外食の時間となりますように。

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文・構成/赤名麻由子

赤名 麻由子

シニアマナーOJTインストラクター|キッズマナーインストラクター
一般社団法人マナーOJTインストラクター協会所属。資格取得後、保育園やカルチャーセンターにて子どもたちにマナーを伝える活動を行っている。二児の母

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