謎のワード「クラムボン」が呼び覚ます名作文学は…?
「クラムボンはわらったよ。」
「クラムボンはかぷかぷわらったよ。」
「クラムボンは跳ねてわらったよ。」
上は、ある文学作品からの引用です。その作品とは?
①クラムボン
②やまなし
③ひなげし
④こしかけ
正解は②
正解は、「②やまなし」でした!
「クラムボン」のインパクトに対して、少々連想しづらいタイトルかもしれませんが、覚えていましたか?
『やまなし』謎が謎を呼ぶクラムボンの正体
「クラムボンはわらったよ。」のフレーズがあまりにも印象的な『やまなし』。
小学6年生の教科書にも掲載されているので、大人はもちろん、知っているお子さんも多いのではないでしょうか。
作者は宮沢賢治。『やまなし』はどんなお話?
そんな『やまなし』が、どんなお話だったか覚えていますか。
舞台は小さな谷川の底。2ひきのかにの子どもの会話から、このお話ははじまります。
ある日のこと、頭上を泳いでいた魚がかわせみにとらえられてしまい……。
かにの兄弟とそのお父さんが暮らす谷川の、5月と12月の情景を切り取った物語です。
作者は詩人であり、童話作家でもある宮沢賢治。
小さなかにの子どもたちの視点を通した、谷川の景色や他の生き物たちの様子が詩的な表現によって描かれます。
じゃあ、クラムボンとは?
本作を読んだら必ず気になるのが「クラムボンってなに?」ということ。
しかしながら、「クラムボン」の正体には、明確な答えはありません。
「cramb(かに)+bomb(爆発や破裂の擬音)」と解体できることから、かにが吐いた泡なのではないかと考える人もいれば、プランクトンや太陽、はたまた別の生き物を連想する人もいるようです。
「クラムボン」とはいったいなんなのか。
谷川のかにになったつもりで想像しながら、本作を味わってみましょう。
約1万冊の本を読んできた齋藤孝先生の「超読解」で、名作を再訪
そんな『やまなし』の味わい方をもっと詳しく知りたい場合は、こちらの一冊がおすすめです。
本書では、1万冊以上の本を読んできた読書の達人・齋藤孝先生が、小学生のうちに読んでほしい日本と世界の名作を110作ご紹介。
そのなかでも、『やまなし』をはじめとした「これだけはかならず読んでほしい」10作品を取り上げ、先生とっておきの読み方を具体的に解説しています。
『坊っちゃん』ではちょっと古い言葉を味わいながら、『星の王子さま』では自分にとっての“バラ”を想像しながら……
作品ごとに、読書におけるさまざまな視点の持ち方を提案してくれるので、読書の楽しみ方をしっかりと体感することができます。
読んだことがある作品も多いかもしれませんが、齋藤先生の読み方を知ると、もういちど読んでみたくなること間違いなし。ぜひ、親子で読書を楽しんでみてくださいね。
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文/羽吹理美 構成/HugKum編集部