小学校の体育は、真冬でも半袖短パン? 中に下着はNGの謎ルールも。元教員が寒さ対策教えます!

大人はダウンコートを着る寒さなのに、小学生は半袖短パンで体育の授業を受ける姿に、疑問を感じる方もいるのではないでしょうか。
「体育着を変えてほしい!」と言ってもすぐに変わるわけではありません。それなら、明日からできる寒さ対策をしていきましょう。元小学校教員が、安全に配慮した冬の体育の寒さ対策をご紹介します。

小学校の体育着は冬も半袖・短パンが主流

小学校の体育は、半袖短パンが基本。
冬は寒くて動き回ることもできない、風邪をひいいてしまいそう、なんて声もあります。

主に制服を販売している会社のリサーチによると、小学校で長袖のジャージを使っているところはおよそ25%。
つまり、75%は半袖短パンの体育着を使っているそうです。真冬ともなれば、東京でも5度程度になりますし、氷点下になる地域も多くあります。

「時代に合わせてもっと変化してほしい」という声、多数!

昭和から変わらない、白い半袖の体育着。ママパパ世代が子どもの頃、女の子はブルマを履くのが一般的でしたが、今は男女ともクオーターパンツ(短パン)が主流です。
夏は気にならないスタイルかもしれませんが、真冬ともなると半袖短パンでは震えて体もうまく動きません。体を動かすための体育で風邪をひいてしまっては、本末転倒ですよね。
現在は、「寒い日は体育着の上に長袖を着ても良い」としている学校が増えてきました。保護者会などで、冬場の体育の寒さ対策についてお知らせしてくれる学校もありますよ。

真冬の体育、安全面を配慮した寒さ対策4つ!

ここでは、“半袖短パン”の体育着を使う学校を想定して、寒さ対策をご紹介します。体育は運動をする時間ですので、上着などを準備する際には、安全面を最優先に考えましょう。

トレーナーが◎、パーカーは△

まずは、半袖体育着の上に着る、長袖を用意しましょう。トレーナーや長袖Tシャツがおすすめです。
体育では、走るだけではなく、鉄棒・マット運動・縄跳びなどの運動もありますので、どこかに引っかかる可能性のあるものは避けますフードのついたパーカー、ひものついた服はNGです。また、ニット素材のものは、ひっかかるとほつれたり穴が開いたりしやすいので控えておきましょう。

パーカーはひっかかる可能性があるので避けましょう

寒いとき、ファスナーがぶつかるとめちゃくちゃ痛い!

寒い時期の体育は、マラソンやサッカーなど、動いて体をあたためるような運動をよく取り入れます。そんなとき、ファスナーなどの硬いものがぶつかると、めちゃくちゃ痛いのです! 手足も冷えているので、教室でぶつかったときよりも痛みが倍増したように感じられます。お友達に痛い思いをさせてしまう危険性もあるので、体育の時はファスナーつきのものを控えましょう

スパンコールやビーズのついたものも同じように、ぶつかると痛かったり、こすれるとすり傷のようになったりすることがありますので、体育の時には不向きです。

 体育着の上に着るものはジャストサイズで

あたらかい服装を…と思うと、丈の長いオーバーサイズのトレーナーを着せたくなるかもしれませんが、これは要注意です。

体育では、安全が第一。道具をつかんだり、転んだ時にも手が出たりするように、手のひらがしっかり出るような丈のものを選びましょう。オーバーサイズだと、手の甲まで隠れてあたたかいかもしれませんが、いざという時に手が出ないと危険です。

 タイツはすべりやすいので△、足元はハイソックスかレギンスを!

筆者が2年生の担任をしていたとき、冬場になると休み時間に転んで足をくじく子がいました。その子は「おにごっこしてたらつまずいちゃったの」と話していましたが、転ぶのは決まってタイツを履いている日。
よくよく観察してみると、タイツだと靴の中で足がすべって、転んでしまったようです。

タイツは足全体を覆うのであたたかいですが、すべりやすい素材のものもあり、運動には適していません
また、けがをした際にその箇所を見ることができず、すぐ手当をすることができません。

足元を覆うには、“レギンス+靴下” または“ハイソックス”がおすすめです。
特に、ハイソックスなら男女とも抵抗なく履きやすいですよ。女の子なら、スカートやショートパンツに合わせてはくハイソックスも多く市販されていますよ。男の子なら、サッカーの時に履くようなスポーティーなものが人気です。

謎のルールが多い⁉ 体育着について教えてQ&A

 「体育の時は体育着を着る」という基本ルールはみなさんご存知ですが、実は自治体ごと、学校ごとに細かい決まりごとを設けていることもあります。
保護者に特に説明のないものもあり、お子さんから聞いてびっくり!なんてこともあるようです。そんな体育着について、筆者が教員をしていた際に先輩ママたちから受けた質問をご紹介します。

「体育着の下には何も着てはいけない」って先生から言われているみたい…。下着も脱ぐの?

その通りで、体育着の下には何も着ない、つまり下着のタンクトップなどを着ないように指導している学校が多くあります

体育で体を動かすと、季節によっては汗びっしょりになります。体育が終わると、体育着は着替えますが、下着は持参させていないので濡れたままです。濡れた下着を着たままだと、冷えて風邪をひく原因になりますし、衛生的にもよくありませんよね。そのため、体育着の下には下着を着ないように、という指導があるのです。

そんな指導に対して、「汗をかいた後の対処は人それぞれでいい」「下着を着ない方が問題なのでは?」という世間からの声も多くありあました。そこで令和3年3月、スポーツ庁は各学校に対して、「下着の扱いについては、長年の慣習にとらわれることなく、社会通念に照らし合わせて見直すこと」という内容の通知を出しています

筆者が教員をしていた際には、体育着の袋に下着の替えを入れておき、体育が終わったら下着も着替えるようにしていたご家庭もありました。 

子どもはまだ1年生なのですが、教室で男女一緒に着替えているそうです。いつから男女別で着替えをするのですか。

男女別で着替えをするようになるのは、2年生や3年生という学校が多いようです。着替えについては、“何年生からは絶対に別で着替える”という規則はなく、各学校で判断して工夫しています。高学年はもちろん男女別で着替えます。更衣室に移動して着替える、教室をカーテンで前後に区切って着替えるなど、学校の校舎事情に合わせて工夫しているようです。

担任の先生は一人しかいませんので、別の部屋で着替えるとなると、安全管理がしにくくなります低学年のうちは、一人で着替えられるかな、脱いだ服をたたんで整えているかな、と担任が見守ることも必要になります。
筆者が2年生の担任をしていた際、教室をカーテンで前後に区切って着替えさせていましたが、ちょっと目を離すとパンツ一丁でうろうろしていたり、ズボンで戦いごっこが始まったりと、まだまだ見守りが必要だと感じたことがあります。

10歳女子の娘がいます。そろそろ胸がふくらんできて、下着をつけないと目立つのですが、先生に相談した方がいいのでしょうか?

45年生になると、体の発達が進んでくる子も出てきますよね。そんなときに下着なしで体育着を着ていると、目立つ子もいますので、お子さんに合った下着を着せましょう

ただ、子どもたちの中では「体育着の下には何も着ちゃいけないんだよ!」と言う子もいるかもしれません。そう言われるのが嫌で、本当は恥ずかしいけれど下着を着ない子も…。
性差についても考え始める時期ですので、「そろそろ下着を着る子も増えてくるんだね」とクラス全体で共通認識を持っておくことが大切です。
先生方もたいていの場合は配慮してくれますが、心配でしたら担任の先生に下着をつけることを伝えておくと安心です。お子さん本人から伝えにくい場合は、お家の方から担任の先生に伝えましょう。
連絡帳だと形に残ってしまい、お子さんが恥ずかしいと感じることもあるので、個人面談の際やお電話で伝えると良いかもしれません。お子さんが「担任の先生には言わないで!」と言う場合には、保健室の先生でも良いでしょう。

真冬の体育に寒さ対策は必須!お子さんの安全面を最優先に考えて

まだまだ冬真っ盛り! 気温の低い日が続いていきます。「子どもは風の子」という言葉もありますが、そんな極寒の時期に半袖短パンで元気に過ごせる子はそう多くないですよね。体育は運動する時間ですので、安全面を最優先に考えながら、寒さ対策をしてあげましょう。

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文・構成/yurinako

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