2~4歳の冬を元気にすごす4つの習慣とは?医師が解説する感染症&肌トラブルを防ぐ基本ポイント

気温が下がり、空気が乾燥する冬は、感染症や肌トラブルが気になる季節。寒さに負けず、元気に過ごすためのポイントや、症状がある場合のホームケアなど、知っておきたい情報をまとめました。

もともと持っている免疫力を保つための4本柱を意識して

毎日を元気に過ごすには、人間がもともと持っている免疫力を保つことが欠かせません。そして、免疫力アップのためには、何か特別なことをする必要はありません。日常生活をコツコツと積み重ね、心身の状態を万全にしておくことで、誰もが生まれつき持っている自然治癒力が発揮されるのです。

環境要因や生活スタイルの乱れによって免疫力が弱ってしまうと、本来なら打ち勝つことができる菌やウイルスが体内に侵入して増殖します。それが、感染症にかかって発熱などの症状が出る理由です。そうならないよう、免疫力を保つために注目しておきたいのが、生活習慣の4本柱「食事」「睡眠」「運動」「メンタルケア」です。どれも生活の基本になることですね。

それぞれどのようなことに気をつけていくとよいのかお伝えしていきます。

4本柱に必要なのは特別なことでなく当たり前の日常

4本柱の1つめは「食事」です。免疫細胞の7割が腸内に集まっていることから、腸内環境を整えることを心がけます。お米と具だくさんの味噌汁、焼き魚など和食を中心に、いろいろな食材をローテーションで食べるのが理想です。

「睡眠」は睡眠時間の長さだけでなく質にも注目を。寝る直前まで興奮していると、ぐっすり眠れないことも。ぬるめのお湯にゆっくりつかる、寝る前に手や足を触ってあげるとリラックスして入眠できます。

「運動」は1日1回外に出て日光を浴びることを目標にしてみましょう。

「メンタルケア」はおうちの人が笑って過ごすことが大切です。そうすることで、子どもの気持ちが落ち着きます。

どれも地味な内容ですが、工夫しながら毎日続けていくことに大きな意味があります。やるべきことが5割できれば合格として、たくさん自分をほめてあげてください。

免疫力アップの4本柱

①食事

なるべく和食で、栄養バランスのよい内容に。味噌、納豆など日本古来の発酵食品を積極的に食べ、腸内環境を整えるよう心がけて。

②睡眠

朝すっきり目が覚めることが十分な睡眠がとれている目安に。落ち着いてぐっすり眠れるよう、リラックスできる入眠儀式を。

③運動

散歩などでも構いません。外に出て日光を浴びることで免疫力にも関わるビタミンDが活性化します。

④メンタルケア

子どもは親のメンタルに敏感。1日の中で親子いっしょに笑える時間を持つことを優先して、生活しましょう。

【冬の感染症】室内は適度に加湿し感染症予防を心がけよう

冬は空気が乾燥しているので、菌やウイルスが空気中を浮遊する時間が長くなります。また、人間の鼻やのどなどの粘膜も乾燥で傷つきやすくなり、菌やウイルスが侵入しやすくなってしまいます。「冬は風邪をひきやすい」というイメージがあるのはそのためです。乾燥によって感染症にかかるのを防ぐには、室内は湿度50~60%を目安に加湿をすること。

カビが生える危険もあるので、加湿しすぎもNGです。また、体が冷えてはいけないという心配から厚着をさせる場合もありますが、子どもは大人よりも体温が高いので、大人より1枚少ないくらいでちょうどいいです。室内は暖房が効いていることが多いので、着脱のしやすいものを選び、汗をかきすぎないように適宜調整することを心がけておきましょう。

症状別ホームケアと受診の目安

発熱

高い熱が出ると、急いで下げないといけない気がしてしまいますが、ウイルスと戦うために熱が出ているので、慌てて解熱剤を使わず様子をみましょう。

体が熱くてつらそうな時は、首元、脇の下、足のつけ根と太い血管が表面を走っている部分をタオルで包んだ保冷剤などで冷やします。ただ、本人が嫌がるようであれば無理にやらなくても構いません。2、3日熱の高い状態が続き、食べたり飲んだりも難しいようなら受診を。

胃腸症状

嘔吐があった後2 ~ 3時間は、食べるのも飲むのも控えます。飲みたがるまま水分を与えてしまうと、それが刺激になってまた吐いてしまい、吐きぐせがつくことも。2 ~ 3時間待って、与える水分を少しずつ増やして様子をみます。この時与えるのは水や麦茶よりも、塩分や糖分が含まれた経口補水液がよいです。

下痢の場合は、腹痛がなければ飲食は通常通りで構いません。いずれの場合もおしっこの量が少なくなり、脱水が疑われる時はすぐに受診を。

せき・鼻水

せきも鼻水も生体防御反応のひとつなので、薬で無理に止める必要はないものです。ただ、まだ自分で鼻がかめないと中耳炎になりやすいので、こまめな吸引がおすすめ。

激しいせきこみは心配になりますが、気管支が狭くなって呼吸が速まるなど、息苦しそうであれば夜間でも受診したほうがよいサインです。そうではなく、鼻水がのど側に流れてせきこんでいる場合は、水分を摂らせるなどの対応を。せきも鼻水も室内の湿度を保つことで症状が落ち着きやすいです。

冬によくみられる感染症

インフルエンザ

人の間で流行するものにはA型とB型があり、A型の主な症状は高熱と関節痛。B型では胃腸症状が目立つことが多いです。

ただし、症状には個人差があり、少し熱が出るだけで回復する場合もあります。検査してA型かB型か特定したり、抗インフルエンザ薬を処方したりすることも可能ですが、子どもの場合は種類にかかわらず対症療法を行うことが多いです。

RSウイルス

主に発熱、鼻水など風邪の症状がみられますが、まれに肺炎や細気管支炎などを起こすことも。特に、初めてかかる1歳未満の子どもは注意が必要です。

有効な抗ウイルス薬はなく、症状にあわせた治療、投薬をします。以前は冬によくみられる感染症でしたが、最近は春、夏にも流行が起き、一年中かかる可能性があります。

ウイルス性胃腸炎(ロタウイルス)

胃腸炎を起こすウイルスはほかにもありますが、乳幼児が感染することが多いのがロタウイルスです。主な症状は嘔吐、下痢、発熱ですが、年齢が小さいほど症状が重くなりやすいです。

0歳代でワクチン接種をしていると重症化する可能性が低くなるため、最近は入院するほど悪化する子は少なくなっています。

▼こちらの参考に参考に

昨年大流行したRSウイルスに風邪、インフル、ノロ、ロタ・・・冬の【子どもの感染症】対策とホームケアを小児科医が解説
感染症の流行予測は難しい 冬にインフルエンザやウイルス性胃腸炎などが流行するのは、寒いために窓を閉めた環境(密閉)になることや、寒くても増...

【冬の肌トラブル】肌を健康に保つことが全身の健康にもつながる

冬になると肌の調子が悪くなるという人も珍しくないですね。空気が乾燥することで肌の持つ水分が失われると、肌が傷つきやすくなります。表面が荒れてカサカサすることで、かゆみが出る場合も。

肌の調子が悪くなると、皮膚のバリア機能も低下するので、ウイルスや細菌、アレルゲンも侵入しやすくなってしまいます。肌を健康に保つことは、全身の健康を保つことにもつながります。

肌トラブルを起こさないように、入浴後にはクリームなどを使った保湿が必須と思うかもしれませんが、保湿をしなくても自分で皮脂の分泌量を調節できるのが健康的な肌です。冬でも肌がつるつるの状態であれば、必ずしも保湿剤を塗る必要はありません。子どもの肌の状態をよく観察してから決めてくださいね。

基本のホームケア

肌にガサガサしたところがある場合は、保湿剤を塗ってバリア機能を保つようにします。

できるだけ皮脂を落としすぎないことがポイントなので、乾燥しやすいようなら入浴時も石けんやボディソープを使いすぎないほうがいいでしょう。お湯だけでもていねいに洗えばじゅうぶん汚れは落ちますよ。

症状別ホームケア

乾燥・肌が荒れやすい

乾燥がひどい場合は保湿剤を塗りますが、乾燥しやすい、肌が荒れやすい子の場合は、衣類にも配慮を。

化繊の衣類は静電気が起きやすく、その刺激が肌荒れやかゆみにつながることがあります。特に冬は保温性の高い素材を着せたほうがいいと考える方もいると思いますが、直接肌に触れる衣類はなるべく綿素材を選ぶようにしてください。

湿疹・かゆみ

かゆみがあってかきこわすようなら、塗り薬を処方してもらうのがよいでしょう。

腸内環境と皮膚の状態は大きく影響し合うので、湿疹を繰り返す場合は、食事を見直すといいかもしれません。免疫力をアップするような食事を摂ると肌トラブルも起きにくくなります。

冬の体調管理Q&A

Q.コロナ禍の中でお友達と遊ぶ機会が減ったためか、感染症にかかる回数が減った気がします。免疫があまりつかないのではと心配です。

熱が出るなどの症状が出ていなくても、菌やウイルスには触れているはずです。それでも症状が出ないのであれば、免疫力があって元気な証拠だと思っていいですよ。

自分からかかりにいく必要はありませんが、感染症を怖がりすぎず、疲れている時は人混みに出るのを避ける程度の対策で生活をしていれば、自然と免疫はつくでしょう。

Q.暑がりなようで、寒い日でもアウターを着るのを嫌がります。風邪をひきやすくなったりしないでしょうか?

子ども自身が「暑い」というなら無理に着せる必要はないでしょう。手を触って冷たいようなら体が冷えていると判断できますが、それでも子どもが嫌がるなら無理強いはしなくてもOK。

衣類で外から温めるより、冷たい飲み物やアイスクリームなどの食べすぎで、体の中から冷えないように心がけましょう。

Q.症状が落ち着いた回復期、親としてはおとなしく過ごしてほしいですが、家の中で動き回っています。テレビや動画を見せるなど、おとなしくさせたほうがいいのでしょうか?

本人が動きたいのであれば、無理に寝かせておく必要はなく、動いて構いません。新型コロナウイルスなど隔離期間が決まっている感染症は別ですが、一般的な風邪は、解熱後24時間以上経っていて平熱であれば、本人の様子も見ながら散歩程度の外出をしてもいいでしょう。寝るのも動くのも本人の希望次第で構いません。

Q.かかりつけ医から「これぐらいで連れてきたの?」と言われてしまいそうで、いつも受診するかどうか悩んでしまいます。少しでも気になる場合は受診しても問題ないですか?

もちろんです!  ささいなことでも聞きに来てください。最初は判断が難しいと思いますが、何度か受診するうちに「この様子ならホームケアで大丈夫」「これは受診したほうがいい」と、なんとなくの目安がわかるようになると思います。

私も自分の子どもの受診については、身近な医師に相談していました。心配なことを遠慮なく聞けるようなかかりつけ医を探すことも大切です。

あなたにはこちらもおすすめ

【0歳・1歳・2歳の発達カレンダー】コロナ禍での予防接種やかかりつけ医の見つけ方も
発達はほかの子と比べないで少し前のその子自身と比べて つい最近生まれたと思ったら、もうこんなことができる!  と子どもの成長する姿...

教えてくれたのは

眞々田容子先生
クローバーこどもクリニック院長。その人全体を診るホリスティック医学を基本とし、自然治癒力
を高める診療に取り組む。高校生の娘を持つ母の顔も。

『めばえ』2023年1月号
イラスト/竜田麻衣 文/古川はる香 構成/童夢

親と子をつなぐ、2・3・4歳の学習絵本『めばえ』。アンパンマン、きかんしゃトーマスなど人気キャラクターと一緒に、お店やさんごっこや乗り物あそび、シールあそび、ドリル、さがしっこ、めいろ、パズル、工作、お絵かきなど、様々なあそびを体験できる一冊。大好きなパパ・ママとのあそびを通して、心の成長と絆が深まります。

再構成/HugKum編集部

編集部おすすめ

関連記事