めかぶの冷凍
めかぶの収穫は、早春を過ぎると固くなってしまうため、3〜4月の短い期間に絞られます。収穫された生めかぶは腐りやすく、冷凍保存で長期保管されます。
めかぶの流通
海辺では生めかぶを目にする機会もありますが、一般的には茹でて味付けし、「湯通しめかぶ」としてパック入りで売られます。生のままでは日持ちがしませんから、冷凍食品として流通し、店舗で解凍して販売されるケースが多くみられます。
その他、「乾燥めかぶ」「塩蔵めかぶ」のように長期保存に適した加工も一般的。また、「子持ちめかぶ」は、シシャモなどの卵を混ぜて加工されています。乾燥以外は、やはり冷凍で流通するケースが多く、豊富なバリエーションがお手元に届きます。
パック入りめかぶの保存期限
パック詰めされためかぶの賞味期限は、味付けの有無や、流通の状態によって変わります。パッケージに記載の賞味期限を確認してください。おおよそ、冷蔵で5日〜7日程度の場合が多いようです。
冷凍した場合の保存期限
ご家庭でめかぶを冷凍した場合は、保存期限をおおよそ1か月程度としてください。
冷凍の方法
500g~1kg単位の商品を目にすることがありますが、3〜4人のご家庭で消費期限内に食べるのは至難の技。早めに冷凍保存に回すのが、賢い方法です。
パックのまま冷凍
小分けされているめかぶは、そのまま冷凍庫に保存してかまいません。お買い得日に大量購入しても、長持ちしますよ。
大容量の場合は小分けする
大容量の場合は、2~3日で食べる分は冷蔵で保存し、残りは早めに冷凍保存にします。フリーザーバックに小分けしておけば、解凍時もスムーズです。
薄く平に冷凍すると、必要な分を折って取り出すことができます。
解凍の方法
冷凍保存しためかぶの解凍方法を確かめます。
パックの解凍
パックのまま冷凍しためかぶは、冷蔵庫に移して3時間程度で食べられます。
加熱料理に加える場合は、冷凍のまま使います。
小分け冷凍の解凍
パキッと割れる場合は、そのまま取り出します。少量なら常温において数分で食べ頃になります。
袋ごと解凍したい場合は、冷凍庫に移動させ、100gにつきおおよそ2時間程度で解凍できます。
解凍後の食べ方
ネバネバしためかぶは、タレを入れて食べるのがもっとも一般的ですが、その他にも食べ方はないでしょうか。
冷凍のまま
半解凍程度に柔らかくなっためかぶは、そのまま食べるのもおいしい食べ方です。夏の暑い日に食べると爽快感があります。
・半解凍! めかぶとタコの和え物
【材料】
冷凍めかぶ 1パック(40g程度)
添付のタレ、もしくはポン酢
タコ 20g
青シソ 2枚
【作り方】
【1】冷凍庫から冷蔵庫へめかぶを移動し、1時間程度経つと半解凍になります。
【2】スライスしたタコ、解凍しためかぶ、添付のタレ、刻んだ青シソを合えれば完成です。
加熱調理に加える
加熱調理の場合は、冷凍のまま調理してもかまいません。温かいめかぶもおいしいですよ。
・めかぶとちくわのお味噌汁
めかぶはワカメの茎部分ですから、お味噌汁の具材としても活用できます。同じネバネバ食材のなめこや、オクラの他、豆腐ならシンプルに仕上がります。
【材料】
(2~3人分)
冷凍めかぶ 20g
だし 500ml
ちくわ 1本
味噌 大さじ2と1/2
【作り方】
【1】だしを温めて、冷凍のままのめかぶを加えます。
【2】ちくわを薄切りにして、【1】の鍋に加えます。
【3】めかぶがほぐれて、沸騰してきたら火を止めます。
【4】味噌を溶き加えて、器に盛り付けます。ただし、味付けめかぶの場合は、味噌の量を減らしてください。
・めかぶ納豆丼
ネバネバ仲間の納豆と組み合わせると健康面での最強タッグ。
今回はキムチ、韓国のり、ごま油と合わせましたが、さっぱりと食べられるのは、しらす、ネギ、ポン酢の合わせです。豪華にするならお刺身を加えても。
(2~3人分)
【材料】
冷凍めかぶ 2パック
納豆 1パック
キムチ 40g
韓国のり 5枚
卵の黄身 1個分
ごま油 小さじ1/2
温かいご飯 2~3膳
【作り方】
【1】冷凍めかぶのパックを開封し、耐熱容器に入れ替え、電子レンジ600wで1分間温めます。
【2】納豆、付属のタレ、刻んだキムチ、ごま油とよく混ぜ合わせます。
【3】温かいご飯の上に【2】と、卵の黄身をのせ、砕いた韓国のりをかけていただきます。
めかぶの栄養
めかぶの持つ栄養と効果を確認していきます。
ヌルヌル成分
めかぶの持つヌルヌル成分には、水溶性食物繊維の一種であるフコイダン、アルギン酸が多く含まれています。ミネラルの吸収が上がるお酢と合わせると相性抜群です。ただし、熱に弱い特徴も。
食物繊維には、血中コレステロールの値を下げ、糖の吸収を緩やかにする働きがあるので、糖尿病にもおすすめですよ。
ダイエットに効果的
食物繊維の恩恵はダイエットにも効果的で、お通じの改善に役立ちます。新陳代謝が活発になり、むくみ予防に効果が期待できるヨウ素も含まれている他、めかぶのカロリーは100gで11kclと、低カロリー。食事の最初にめかぶを食べて、食事量を無理なく減らす工夫も効果抜群です。
めかぶ自体には味がないので、野菜嫌いの方でも比較的食べやすいのも、めかぶの特徴です。
もずくとの違い
スーパーでは隣り合って並べられることが多い、もずく。同じ海藻ですからよく似ていますよね。強いて違いを挙げると、めかぶは「葉酸」が豊富で、もずくは「フコダイン」がより多く含まれます。
また、めかぶは全国で生産され、その中でも宮城、岩手の三陸産が収穫量の70% を占めるのに対し、もずくは99.7% が沖縄です。
ネバネバ感の強いめかぶ、ツルッとしたもずくと、食感の違いでお好みが分かれるようです。
通販で買えるめかぶ
大量に買って、冷凍庫に常備しておく際は、冷凍で届く通販が便利です。
湯通しめかぶ 業務用1kg 大容量
冷凍で1㎏の湯通しめかぶが届きます。味付けはなく、めかぶの食感がしっかりしています。半解凍で小分けして、冷凍し直すと、使いやすくなります。
三陸千切りめかぶ 100g 12個セット冷凍
冷凍しやすい、小分けパックです。このまま冷凍しておけるので、手軽ですよ。
野菜嫌いでも食物繊維がとれるめかぶ
天候や季節に左右されず、安定して手に入るめかぶは、価格の増減も少なく、家計にとって頼りになる存在です。
冷凍保存をすれば長期保存も可能で、栄養面でも強い味方。食事の最初に食べると、糖の吸収も穏やかになる点も注目です。野菜嫌いの方でも、食物繊維の摂取のために食べたい食材です。賢く利用してくださいね。
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構成・文・写真(一部を除く)/もぱ(京都メディアライン)