便利な冷凍わかめ|茹で方と解凍法、塩蔵わかめの塩抜き、酢の物レシピまで完全解説!

塩蔵したわかめは長期保存ができますが、使うたびに塩抜きするのは大変です。まとめて塩抜きをして冷凍保存しておけば、毎日のように手軽に使えますよ。乾燥したカットわかめは便利ですが、生や塩蔵わかめのおいしさも格別です。茹で方、塩抜きの手順から冷凍までの工程を、丁寧にみていきます。

身近な海藻、わかめ

お味噌汁にわかめは定番の具材ですね。わかめは、縄文時代の頃から親しまれてきた食材なんですよ。

「わかめ」の兄弟、「めかぶ」と「茎わかめ」

わかめとは、昆布などと同じ海藻の仲間で、流通しているものの多くは養殖です。乾燥させたものや、塩蔵品が多く出回ります。

一本のわかめは1.3〜2mにも育ち、葉の部分を「わかめ」として、根元の部分は「めかぶ」として、茎の部分は「茎わかめ」として食べます。

これらの海藻がぬめぬめしているのは、水に溶ける食物繊維によるものです。低カロリーなので、ダイエットに向く食材ですよ。

「刺し身わかめ」とは

天然物の旬は2月〜5月で、この時期になると生のわかめが手に入ります。

採りたてのわかめは褐色ですが、湯通しすると鮮やかな緑色に変わり「刺し身わかめ」として食べることができます。時間が経つとどんどん鮮度が落ちるので、手に入ったら即湯通しして、冷凍保存すると長持ちします。

茹でると、こんなキレイな色に(右側)! お刺身のように食べられます。

 

また、お湯で湯がいた後、塩蔵して保存性を高めたものが「湯通し塩蔵わかめ」です。これを塩抜きして水で戻したものも「刺し身わかめ」と呼ばれます。

塩まみれなので、このままでは食べられません。塩抜きの方法は後述します。

 

ちなみに、「湯通し塩蔵わかめ」を塩抜きして、カット・乾燥させると「乾燥わかめ」や「カットわかめ」として市販されます。

生わかめの茹で方

それでは、生わかめを湯通しする手順をみていきます。

茹でる手順

【1】茎の部分は固く、火の通りが遅いので切り分けてください。

触ってみると、固い茎があるのがわかります。

 

【2】鍋にお湯を沸かしたら、まず茎の部分を先に茹で始めます。

【3】20秒程経ってから、残りの葉部分を茹でます。すぐに緑色に変わりますから、ザルに上げてください。茹ですぎると色がくすみます。スピード感が大切!

色が変わるのは一瞬です。

 

【4】すぐに流水で冷やして、加熱を止めます。

【5】ボウルに張った水の中に氷を足して、さらにわかめを冷やします。

食べやすい大きさに切っていただきます。2〜3日で使い切る場合は容器に入れて冷蔵保存してください。

茹でた後のわかめを冷凍する

茹でた後のわかめは、冷凍保存で長期保存がおすすめです。手順をご紹介します。

冷凍の手順

【1】茹でたわかめを、食べやすい大きさに切ります。葉の部分は、10cmくらいに、茎の部分は細く切ります。

【2】小分けにしてラップに包み、フリーザーバックに入れて冷凍します。

酢の物や、若竹煮用に。

 

1~2人分のお味噌汁にはこれが便利。パキッと割って、だし入り味噌とお湯で溶かせば簡単味噌スープに。

解凍方法

加熱調理ならそのままで、酢の物なら水に浸けて解凍します。

・加熱調理に

お味噌汁のような加熱料理に使う場合は、解凍せずに鍋に加え、温まれば食べることができます。

・水で解凍

水に浸けて解凍することもでき、酢の物のような冷たい料理に使うことができます。

【1】ボウルに張った水の中に、冷凍したわかめを入れて5分くらい置いてください。

【2】水気をしっかりと切って、酢の物などに加えます。

日持ち

冷凍したわかめは、1か月程度のうちにお召し上がりください。

もどした乾燥わかめの冷凍

乾燥わかめを水で戻すと、10倍ほどに大きくなります。思ったよりも増えてしまい、使いきれないこともありますよね。そんな時も、冷凍保存すれば大丈夫です。手順は、茹でたわかめと同様です。

塩蔵ワカメの塩抜き

塩がまぶされているわかめは「塩蔵わかめ」です。かなり強い塩が含まれているため、日持ちはしますが、そのまま食べるのは塩辛いです。塩の抜き方をご紹介します。

手順「塩抜き」

【1】流水で大まかに塩を洗い流します。

【2】こすり洗いをしながら、さらに塩分を落とします。水を替えながら3回程、繰り返してください。

【3】水を張ったボウルにわかめを浸けて、5分程度置きます。これで口にできる塩味になっていれば完了です。

この後、冷凍保存することもできますよ。手順は、生わかめの「茹でた後のわかめを冷凍」と同様です。

水に浸けると、増えました。

水でもどす

そもそも塩蔵わかめとは、茹でて脱水した後塩蔵しているため、そのままでは固くて食べることができません。塩抜きを兼ねながら、水でもどすことによって倍くらいまで膨らみ、柔らかくなります。もどしすぎると歯ごたえがなくなりますから、注意してください。

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酢の物の冷凍

きゅうりを冷凍すると食感が柔らかくなりますが、塩もみ後のきゅうりは、冷凍してもあまり変化がありません。むしろ味がよく染みています。わかめといっしょに冷凍して、手軽に酢の物が食卓に出せる嬉しい一品となります。

手順

作った酢の物をラップで小分けして、フリーザーバックに入れて冷凍します。

タコなどを加えるなら自然解凍後に

【1】冷凍庫から冷蔵庫に移し替え、自然解凍します。

【2】調理用の合わせ酢も含め、水分が出ますから軽く絞って器へ盛ります。

解凍後、しらすやタコなどを加えてもおいしいです。

日持ち

酢の物の保存期間は冷蔵で2~4日ほどです。冷凍すると1か月ほどは保存ができます。

わかめときゅうりの酢の物

わかめときゅうりだけのシンプルな酢の物に、タコをトッピングしました。

材料

きゅうり 1本
塩 小さじ1/4
生わかめ 20g

【A】
米酢 大さじ1
砂糖 大さじ1/2
醤油 小さじ1

作り方

【1】きゅうりを薄切りにして塩をまぶし、5分ほどおきます。

【2】きゅうりの水気を絞ってください。

【3】生わかめの水気を絞り、【2】と【A】と混ぜれば完成です。

冷凍わかめを加えて作る副菜レシピ

酢の物以外にも利用範囲の広いわかめ。ここからは、わかめが使える人気のレシピをご紹介します。上手に取り入れて、わかめのミネラルを補給しませんか。

小松菜とわかめのしらす和え

小松菜はやわらかめにゆでて刻みます。しらすを加えればカルシウムもプラス。

◆材料

(大人2人+子ども2人分)
小松菜 1/2束
乾燥わかめ 大さじ1
しらす干し 大さじ3
しょうゆ 小さじ1
ごま油 小さじ1
塩 少々

◆作り方

【1】小松菜は塩を加えた熱湯でゆで、水にとって絞り、3~4cm長さに切る。

【2】わかめは水につけてもどし、サッとゆでて水にとり、絞る。

【3】ボウルに【1】と【2】を入れてしょうゆ、しらす干し、ごま油の順にからめる。

教えてくれたのは


コウケンテツさん

料理研究家である母・李映林さんのアシスタント後、独立。韓国料理を中心とした、素材の味を生かしたヘルシーなメニューが人気。一男一女の父。

『ベビーブック』2012年10月号

わかめと切り干し大根入り卵焼き

人気メニューの卵焼きの中に、栄養たっぷりな具材を加えて。うまみを吸った切り干し大根がおいしい!

◆材料

(大人2人分+子ども2人分)
卵 3個
わかめ(戻したもの) 20g
切り干し大根(乾) 5g

【A】
酒 大さじ1
砂糖 大さじ1
しょうゆ  小さじ1
塩  少々

サラダ油 小さじ1/2

◆作り方

【1】切り干し大根は水で15分ほど戻して絞り、粗く刻む。わかめは1cm程度の大きさに切る。

【2】ボウルに卵を割りほぐし、【A】と【1】を混ぜる。

【3】卵焼き用のフライパンにサラダ油を熱し、【2】を一気に流し入れて大きくかき混ぜる。弱火にして半熟になったら端からクルクルと巻いて形を整えて焼く。粗熱がとれたら食べやすく切る。

*わかめが塩蔵の場合、塩は省いてもOK。

教えてくれたのは


阪下千恵さん

料理研究家、栄養士。家族 のために作り続けてきたおいしくて、栄養バランスのよいレシピが人気。二人の女の子のママ。

『ベビーブック』2015年9月号

生わかめは冷凍で長く楽しむ

初めて生わかめを調理した時は、茎の処理方法がわからず、そのまま口にしてしまい飲み込めなかった経験があります(笑) 。処理方法を知り、手順を追って調理ができると、生でこその味わいに気がつき、乾燥わかめの便利さをあらためて知ることができます。ぜひ、短い期間しか手に入らない生わかめを冷凍保存して、おいしい海藻生活を楽しんでください。

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構成・文・写真(一部を除く)/もぱ(京都メディアライン)

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