「カツ」を入れるって「喝」?「活」?
「監督が選手にカツを入れる」というときの「カツ」ですが、皆さんはどう書きますか?「喝」?「活」?
正解は「活」です。「喝」と書くのは誤用とされています。
「活」とは気絶した人の息を吹きかえらせること
「活」は、気絶した人の息を吹き返らせる術のことです。「活を入れる」は、気絶した人の急所をついたりもんだりして、息を吹き返らせることなのです。時代劇などで、そのような場面を見たことがあるでしょう。そしてこれから、活発でないもの、衰弱したものなどに刺激を与えて元気づける、という意味になったのです。
「喝」は、禅宗で修行者を導く叫び声
一方の「喝」ですが、これは禅宗で、修行者をしかり、どなりつけて導くときなどに用いる叫び声のことです。禅僧が、「カツ!」と大声を発するあれです。
余談ですが、この「喝」は大声で怒鳴るという意味だけでなく、おどすという意味もあります。恐喝して金銭などを巻き上げることをいう隠語の「喝上(かつあ)げ」もこれです。
「喝を入れる」は誤用です!
「活」と「喝」、同じ読みですし、禅僧が「カツ!」と言ってなんだか気合を入れているように見えるので、つい「喝を入れる」と書いてしまいたくなる気持ちもわかります。でも、「喝を入れる」と書くのは、誤用としか言いようがないのです。「喝を入れる」を辞書で引こうとしても、もちろん載っていません。