【セサミストリート50周年!】 自閉症のキャラクター「ジュリア」など、人気キャラクターが“多様性”を伝える

 

1969年、アメリカでスタートした教育テレビ番組

これまで世界150以上の国と地域で親しまれています!!

 

↑「セサミストリート」に登場する個性豊かなマペットたち。中央にいる大きな黄色い鳥が「ビッグバード」。その右肩に乗る青いキャラクターが、社交的なモンスターの「グローバー」、左肩にいるのが訓練中の妖精で「アビー」。手前の列、向かって右が「クッキーモンスター」、中央が自閉症の女の子「ジュリア」、左がいつも元気いっぱいのモンスター「エルモ」。

「セサミストリート」は、アメリカのNPO法人「セサミワークショップ」が制作する教育テレビ番組です。

そのはじまりは1969年。「子どもは社会全体の宝」であり、「子どもたちの可能性がすべてに優先する」という理念のもと、子育て支援や教育に関する啓発や意識改革を行なっていくことを目的に作られました。

番組に登場するのは、エルモ、ビッグバード、クッキーモンスターなどマペットと呼ばれる個性豊かなキャラクターたちと、ヒューマンキャストと呼ばれる実際の人間のキャラクターたち。ニューヨークのダウンタウンにあるストリートによく似た「セサミストリート」を舞台に、さまざまな物語を繰り広げていきます。

その内容は、子どもたちが多彩な分野で「かしこく、たくましく、やさしく」成長することを支援するもの。教育的でありながら、幼い子どもたちが飽きないエンターテインメントとなっていて、ユーモアや機知に溢れており、これまで189個ものエミー賞を受賞しています。

日本では1971年に放映がスタート!

「セサミストリート」は、日本では1971年にNHKで放映が始まりました。

その後、一時中断しましたが、2004年3月まで、30年以上にわたり、アメリカ本国のオリジナル版を放映。さらに、2004年10月から3年間は、テレビ東京にて、日本の子どもたちが置かれている環境と問題点に合わせた共同制作版が行なわれてきました。

現在、テレビ放映は行なわれていませんが、子ども時代にこの番組を見ていたパパやママ、祖父母の方たちも多いのでは?!

日本ではいま、大阪「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」に行くと、ビッグバードをはじめ、エルモやクッキーモンスターなどの「セサミストリート」のキャラクターたちと出会うことができます。

最近は、ユニクロのグラフィックTシャツ「UT」で、ニューヨークのアーティスト「KAWS」とのコラボで、目にした方も多いと思います。

伝えたいのは「多様性とインクルージョン」

日本では「セサミストリート」というと、英語を学ぶ教育番組だと思いがちですが、「セサミストリート」がもっとも伝えたいテーマは、「多様性とインクルージョン」です。

それぞれ異なる個性や文化、才能を持つ人たちが、お互いを認め合いって生きることのすばらしさや、その重要性をバラエティーに富んだエピソードを交えながら伝えています。

 そのため、「セサミストリート」には、放映の開始からこれまで50年間にじつにさまざまなキャラクターたちが登場しています。

どのキャラクターも個性豊かで、皆、夢を描いて明るく生きていますが、中には、その国ならではのキャラクターも存在しています。

 

たとえば、就学前の教育を受けられる子どもが25%にも満たないバングラディッシュの放送では、「ラヤ」や「ハラム」が登場し、子どもたちに読み書きや健康を維持するための知識を伝えています。

 

また、マラリアやHIV(エイズ)の罹患率が高いナイジェリアでは、HIV感染者の5歳の女の子「カミ」が登場して、エイズに関する誤った考えを変革しようとしています。

 

「皆それぞれ違って、みんないい!」――そう、これが「セサミストリート」の根幹にあるテーマなのです。

2017年春には、自閉症のキャラクター「ジュリア」が登場!

↑自閉症の特性を持つキャラクター「ジュリア」。日本ではNHK「バリバラ」にて初めて紹介された。

 

2017年には、自閉症の特性があるキャラクター「ジュリア」が誕生しています。

 

「ジュリア」が生まれた背景には、自閉症スペクトラムや発達障害の特性がある子どもたちに対する社会の理解を深めたいという思いがあります。

 

というのも、アメリカでは68人に1人の割合で自閉症スペクトラムと診断されているのですが、社会の自閉症に関する理解が浅く、自閉症のある子どもたちは日常生活においてさまざまな困難を体験しているからです。

 

ある研究所のデータでは、自閉症の特性のある子どもがいじめを経験する確率は、自閉症の特性のない子どもたちに比べて5倍もあるという報告がされています。

 

「セサミストリート」が願うのは、自閉症の有無に関わらず、すべての子どもたちが家族や友人、コミュニティーとのつながりを持ち、十分なサポートを受ながら、前向きに幸せに生きていく社会です。

その実現を願って、日本においても「ジュリア」を中心に「多様性とインクルージョン」をテーマにした活動が行なわれています。

番組放映50周年、さまざまなイベントが日本各地で開催!

来たる4月2日(火)に開催される「東京タワーブルーイベント 2019」は、そうした活動の一環です。

日本ではまだあまり知られていませんが、毎年4月2日は国際連合が定めた「世界自閉症啓発デー」。このイベントでは、自閉症をはじめ発達障害について理解を深めるさまざまな取り組みが紹介されます。

「セサミストリート」は、このイベント会場において、日本自閉症協会とタッグを組んで、人気キャラクターたちとの写真撮影を行ないます。ご興味のある方は、会場に足を運んでみてください。

また、「ジュリア」や、自閉症の特性について知りたい方は、「セサミストリートジャパン」のホームページを要チェック!

動画や絵本仕立ての物語のコンテンツが用意されているので、大人も子どもも自閉症についての正しい知識を身につけることができます。

 

例えば、「ジュリアの紹介」のコンテンツをクリックすると、ビデオコーナーでは「セサミストリート」の番組動画が、ツールコーナーでは絵本で自閉症の子どもの特性がよくわかります。

 

また、記事のコーナーでは、自閉症を持つ保護者の方やその周囲にいる保護者の方たちへのメッセージも読むことができます。

 

たとえば、【「素晴らしい」を見つけよう】という記事では、「お子さんと自閉症について話しましょう」という呼びかけから始まって、保護者の方がお子さんと接するときのアドバイスが書かれています。

なお、「セサミストリート」を製作する「セサミワークショップ」では、番組放映50周年記念のイベントも、今年から来年にかけて、続々開催していきます。

 

詳細は、「セサミストリートジャパン」のホームページで随時紹介していきます。こちらもぜひお楽しみに!!

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構成/山津京子

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