「うなぎパイ」はどうして“夜のお菓子”なの? 派生商品から「しらすパイ」まで、銘菓の歴史・由来に迫る!

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静岡県のお土産といえば、浜名湖の「うなぎパイ」が有名です。そんなうなぎパイはどんな歴史や由来があり、どんな風にできたのでしょうか。うなぎパイの特徴や買える場所、しらすパイなどの定番人気商品などをご紹介します。

うなぎパイとは

うなぎパイは、うなぎの骨などから取った「うなぎエキス」が使われたお菓子です。静岡県浜松市に拠点をおく春華堂が販売し、浜名湖名物、さらに静岡を代表する名産品として知られる存在です。

バター、小麦粉、砂糖などのシンプルな材料を混ぜ合わせパイ生地にし、うなぎエキスやガーリックなどの調味料をブレンドして焼き上げています。

うなぎパイの歴史

うなぎパイが最初に発売されたのは、昭和36年(1961年)と今から80年以上も前までさかのぼります。ケーキが1個50円だった当時、うなぎパイ1本が15円と、かなり高級なお菓子として販売されました。

しかし現在のキヨスクにあたる鉄道済会が販売することになり、予想外に大人気となったそうです。

うなぎパイの由来・成り立ち

うなぎパイが開発された当時、浜松は今ほど知名度が高くなく、当時の社長がうなぎが美味しい場所として知られる静岡の浜名湖にちなんで、「うなぎをテーマにしたお菓子を作ろう」と考えたのが、うなぎパイ誕生のきっかけです。

「うなぎ」と「パイ」という意外すぎる組み合わせでできたお菓子ですが、今では静岡銘菓として全国にその名が知られています。

うなぎパイの特徴


うなぎパイには、他のお菓子にはない、いくつかの特徴があります。

うなぎエキス入り

うなぎパイは、うなぎエキスを生地に練りこみ、タレで焼いているのが最大の特徴です。うなぎエキスとは、うなぎの骨などからとった出汁をパウダー状にしたもので、これを使っているのです。ちなみに、うなぎパイはうなぎの味はしません。

「夜のお菓子」のキャッチフレーズ

うなぎパイといえば「夜のお菓子」のキャッチフレーズで有名です。これは春華堂社長が「一家団欒のひとときを、うなぎパイとともに過ごしてほしい」という思いからつけたもの。

しかし、うなぎパイが発売された頃は浜松が夜の繁華街としてにぎわっていたことや、「うなぎ=精力増強」のイメージもあり、別の解釈で広まってしまったとか。しかし、うなぎエキスにはビタミンAなどが豊富に含まれていて、栄養価の高さは折り紙つきです。

ガーリックが使われている

うなぎパイは、香ばしく焼かれたパイが特徴的です。そんなパイに使われているタレには、ガーリックが使われています。お菓子なのにガーリックを使うという斬新なアイデアから生まれたうなぎパイのタレのレシピは社外秘で、一部の職人にしか知られていないのだとか。

うなぎのような細長い形

うなぎパイは細長い形をしています。開発された当初は、うなぎの形を再現しようと試みたり、かば焼きをイメージして串に刺してみたり、さまざまな形状で試行錯誤されたそうです。結局、美味しく焼けるということから、現在の形に落ち着いたそうです。

うなぎパイの製造の様子

うなぎパイはどこで買える?

うなぎパイは、春華堂の各店舗で購入できます。春華堂は浜松市内に7店舗あります。またオンラインショップもあります。

このほか高島屋、西武百貨店などの東京のデパート、名古屋市内のキヨスクなどでも販売しています。

春華堂店舗一覧
春華堂オンラインショップ
うなぎパイ取扱店

うなぎパイの類似品は?

うなぎパイが全国的に知られ人気であることから、同じような類似品が生まれています。例えば、スーパーなどで売られている「源氏パイ」は、浜松市の三立製菓が販売するハート形のパイです。

源氏パイはハート型

ただ同じような薄型のパイはあっても、うなぎエキスが使われているのは春華堂のうなぎパイで、商標登録もされています。

うなぎパイの特徴的な店舗

うなぎパイを販売しているお店をいくつかご紹介しましょう。

春華堂本店

春華堂の本店は、浜松駅から近くの浜松の中心部にあります。

「うなぎパイ発祥の地」としてよく知られており、お土産品を買う人が多く訪れます。また、うなぎパイ以外の旬の和菓子や洋菓子もあります。

スイーツバンク

春華堂が2021年に旗艦店として立ち上げたのが、春華堂の本社もある複合施設「スイーツバンク」です。

春華堂のうなぎパイなどのお菓子はもちろん、お菓子やグルメを楽しめるスポットです。特にカフェ&ベーカリーの「とらとふうせん」ではデリランチやスイーツも提供、入場無料で家族みんなで楽しめます。

うなぎパイの定番人気商品

うなぎパイの、定番人気の商品をチェックしましょう。

うなぎパイ

まず、はずせないのがうなぎパイです。定番の味から、アーモンドをたっぷり使った「うなぎパイナッツ入り」、高級ブランデーとマカダミアナッツを使った「ウナギパイV.S.O.P.」もあります。

うなぎパイミニ

通常のうなぎパイは横長サイズですが、その半分程度の大きさのミニサイズもあります。手に持って食べやすい大きさで、子どもにもおすすめです。

下の写真のように、アイスクリームなどのデザートのトッピングにしてもいいですね。

しらすパイ

春華堂では、うなぎパイだけでなく同じようなお菓子のシリーズを作っています。そのなかでよく知られているのが、しらすパイ。静岡県産のしらすの風味が美味しく、パリッとした食感が楽しいパイです。

うなぎパイ以外の商品ラインナップ

うなぎパイ以外のおすすめ商品もご紹介しましょう。

みそまん

徳川家康が誕生した三河の八丁味噌を使ったまんじゅう「みそまん」。濃厚かつ味噌の独特の風味が特徴的な和菓子です。

おはぎ

春華堂は浜松で昔からある和洋菓子の老舗店です。そのため、毎月おはぎを作って販売しています。季節の行事のお供にしても、お茶請けとしても、ぜひ一度味わってみたい一品です。

黒密まんじゅう

一見すると一般的なまんじゅうなのに、中からは黒蜜ベースのあんがとろっと出てくる創作まんじゅうです。黒蜜のコクがアクセントになっています。

カカオの雫

ミルク&スイートの2種類をブレンドしたチョコレート生地で、生クリームをやさしく包んだ「カカオの雫」。ふわっとした優しい口あたりに、頬がとろけてしまいそうです。

はみぃでるチーズケーキシュー

こちらは「スイーツバンク」で販売している「はみぃでるチーズケーキシュー」。濃厚自家製チーズケーキとふわっふわの生クリームをサンドした、幸せあふれそうなケーキシューです。

洋菓子各種

定番のうなぎパイ、和菓子のほか、洋菓子だって充実のメニューを誇る春華堂。季節にあわせて、旬の果物を使ったスイーツなども揃っています。

通販できる!うなぎパイのおすすめ

通販で購入できるうなぎパイなどをご紹介します。

うなぎパイ ミニアニバーサリー

ミニサイズのうなぎパイを、特別なアニバーサリー使用のパッケージに入れたギフトセットです。お祝い菓子として利用したいという声から、結婚式のお返し、各種ギフトなどに使えます。

うなぎサブレ

秘密の隠し粉である「うなぎ粉」を混ぜ込んだサブレです。バターをたっぷり練りこんでいるため、風味も豊か。年間195万枚も売れているという人気商品のひとつです。

みそまん

二夏二冬以上の期間を熟成させた八丁味噌を使ったみそまんは、良質の大豆と塩だけで作られたコクのある味噌風味。上品な味を楽しめます。

アイスケーキ

春華堂が手がける濃厚なチョコレートアイスケーキです。チョコレートアイスとショコラメレンゲを重ね合わせ、さらに上にはトリュフをトッピング。しっとりとした味わいながら、アイスクリームのとろける食感に夢中になりそうです。

バター3℃

春華堂のバターサンド「バター3℃」。北海道産バターにイタリアンメレンゲを加えたコクのあるバタークリームを、パルメザンチーズを使って焼き上げたサブレ生地でサンドしました。冷凍のままアイス感覚で食べても、解凍して食べてもおいしいです。

浜松・静岡に行ったら「うなぎパイ」

インパクトのあるネーミングはもちろん、名前に負けないおいしさで知られるうなぎパイは、「一度は食べたことがある」という方も多いのではないでしょうか。うなぎパイの歴史や開発の秘話を知ると「また食べたくなる」と思うかもしれません。浜松や静岡に出かけたときは、ぜひうなぎパイやその他のお菓子をチェックしてみてくださいね。

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文・構成/HugKum編集部

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