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漢字の勉強に書き取りは必要ないって本当!?
漢字が苦手なお子さんって多いですよね。実は我が家の小学4年の息子も、小学校入学当初から漢字があまり得意な方ではありませんでした。
漢字が苦手な子にも色々なタイプがいると思うのですが、うちの子の場合は「大ざっぱな性格のため、細かな違い(線が1本なのか2本なのか、ハネなのかはらいなのか、など)を覚えようとしない」「そもそも漢字をたくさん書くことが面倒くさい」というタイプでした。一度苦手意識を持ってしまうと、漢字の問題が出てくるたびにナーバスになるようで、「どうせ僕は漢字苦手だし…」とよく口にしていました。
勉強は遊び感覚で楽しくやるのがコツ
教育家の石田勝紀先生も、漢字の学習において、ただひたすら書いて覚える学習法は、子どもの苦痛になるだけで無意味だとおっしゃっていました。勉強は遊び感覚で楽しくやるのがコツとのこと。ゲームやクイズ、なぞなぞにすると自ら進んで取り組むようになるそうです。漢字にも、こうした遊びで学べるカードゲームなどが、たくさん発売されています。
遊びながら漢字が学べるカードゲームをやってみた!
そこで我が家の息子たち(小4・小1・年少)も、漢字が学べるカードゲームに挑戦してみることに!本人たちは、ゲームと聞くだけで「なんだか楽しそう!」と始める前から大はしゃぎ。
まずは、漢字カルタにチャレンジ!
最初に挑戦したのは、漢字カルタです。今回私たちが遊んだのは、太郎次郎社エディタスから発売されている、「新版101漢字カルタ」というもの。ここでは「漢字が楽しくなる本」シリーズとして、いろんな漢字を使ったゲームやワークをつくっているようです。
この漢字カルタは、101字の基本漢字の形・読み・意味が、遊びながら知らず知らずのうちに覚えられるというすぐれもの。基本漢字とは、日本にある何万もの漢字を作り出す単位、いわば原子のような存在なのだそう。この基本漢字を理解することで、やがて複雑な漢字も理解することが出来るようになるそうなのです。
このカルタの特徴として、取り札には漢字と一緒に古代文字が描かれています。これを漢字と一緒に目にすることで、漢字を覚える際にイメージが定着しやすいとのことです。読み札の方には、もっとはっきりとしたイラストが描かれていますので、最初の慣れないうちは、読むときに一緒にイラストも見せながら子どもとやってみるといいと思います。
始める前、小1の次男は「まだ漢字習ってないし、こんなの絶対お兄ちゃんが勝つにきまってる~」と。確かにそうかもなと思いつつも、あまりに差がついたら次はハンデをつけることにして、とりあえず普通にスタートすることにしました。
いざスタートしてみると、思いのほか小1の次男も健闘していてびっくり!どうやら普段の生活の中で知らず知らずのうちに覚えている漢字もあったようで、本人も分かるものが予想外にいっぱいあって驚いたようでした。そしてこのカルタによって、なんとなく知っていた漢字が自信をもって記憶として残ったようで、回を重ねるごとに自信満々で札を取っていました。
「九は本当に龍のかたちに似てるね」というように、形やイメージで漢字をとらえたり、「刀と力は似てるけど、ここの線が違う」というように、似ている漢字を自分から見つけたりしていることを嬉しく思いました。どうしても勉強は一方的になりがちだし、漢字なんて特に単純な暗記作業だと思い込んでいたので、こういう学び方もアリなんだ!と新しい発見でした。
年少の三男もカルタに参加したのですが、読み札を見せて「同じものをさがしてみて」と声掛けすると、一緒に楽しむことが出来ました。単純にカードゲームを遊んでいる感覚だったと思いますが、これで漢字に少しでも親しみを持つことが出来たならいいな、と思います。
「部首トランプ」にチャレンジ!
次に挑戦したのは、部首トランプです。こちらも先ほどの漢字カルタと同様に太郎次郎社エディタスから発売されている「新版 部首トランプ」というものです。
インパクト大のイラストが描かれているこちらのトランプ。内容としてはカードに漢字が書いてあるというだけで、普通のトランプと同様の遊び方が出来ます。ババ抜きや、神経衰弱、七ならべなどおなじみの色んな遊びができますよ。
しかし、このトランプの最大のポイントは、トランプの同じ数字ごとに同じ部首の漢字が書かれているところです。例えばトランプには4つのマークがあるので、数字の3のカードは全部で4枚ありますよね?その3の数字のカードには、全て「にんべん」の部首を持つ漢字が選んで書かれているということです。
部首は漢字を構成する意味をあらわす旗じるしとして、グループを作っています。ですから、部首をとらえることができれば、たくさんの漢字を分類する意味のグループがつかめることになるということだそうです。そして、ありがたいことに漢字の意味を考えることになるので、似ている部首の漢字であっても間違うこともなくなるといいます。(てへんとにんべんなど混同しやすいですが、意味を考えると自然と正解を導けるということ)
ちなみにこちらにはもっともよくつかわれる26の部首が選ばれており、それらが13ずつ分かれて2セットのトランプが入っています。自分で台紙からカードを切り取ってトランプや、そのケースを作成する仕様です。
初めに、この部首トランプで神経衰弱に挑戦してみました。初めは数字が小さくて戸惑いましたが、次第に数字ではなく部首で見つけるようになる子どもたち。「あ!あそこに確かさんずいがあったはず!」「きへん取りたかったのに~」というような会話が飛び交っていました。
この他にもこのトランプでババ抜きなどいろんな遊びをしましたが、最も感動したのが七ならべです。
このトランプで七ならべをすると、同じ部首の漢字が縦一列に並んでいくのです。これは視覚的に部首を理解するのに、とてもいいなと思いました。子どもたちはいたって普通に遊んでいるだけですが、知らず知らずのうちにやはり目に入ってくるので、面白いほど部首を覚えていきました。
トランプなので、遊び方がたくさんあるのも飽きることがないのでいいですよね。長く愛用できそうです。
このほかにも、遊んで学べる漢字ゲームは色々あります!
探してみるとほかにも楽しそうな漢字ゲームがありました!おすすめをご紹介します。
①部首マグネット
部首を組み合わせて正しい漢字を作ってみよう!マグネット式でぺたぺた楽しい!
②漢字ゲーム
京都大学パズル博士の東田大志氏が考案した、漢字を使ったカードゲームです。語彙力・思考力・判断力の向上に!
③漢字バトルカードゲーム
部首を合体させ、漢字の力を使って戦うカードゲーム。カードゲーム好きや、モンスター好きはハマるかも!
漢字は楽しく学べる!勉強の中に遊びを取り入れて、親子で楽しめる工夫を!
「遊んで学ぶってそんなこと本当にできるの?」「やっぱり最終的に大人が学びの方へ誘導しなきゃいけないんじゃない?」
そう私も最初は考えていました。しかし、これらのカードゲームはびっくりするほど子どもが勝手に遊んで、いつのまにか漢字を学んでくれました。そして漢字ドリルや書き取りをさせるよりも、よっぽど頭に入ったんじゃないかと思います。
〈学びの中に遊び要素が少しでもあると、子どもは自ら吸収しにいってくれる〉ということを、身を持って体験した気がします。この経験を生かして、他の分野でも楽しく学べる工夫をしていきたいです。
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文・構成/小島有里