「中学受験しなくても塾は行くべき?」「公立入学後の内申点が心配」石田勝紀先生が【中学受験しない派】ママパパの悩みに答えます!

「受験をする予定はないけど、塾に入らなくて大丈夫?」「中学って内申点取るのが難しいって聞くけれど…」【中学受験しない派】のママパパも子どもの勉強に漠然としたお悩みを抱えています。そこでカリスマ教育者の石田先生が答える!中学生に向けて小学校高学年からの勉強の進め方、勉強のスイッチが入るタイミングなど、質問に答えていただきました。前編の記事はこちらから!

漢字が苦手な子の勉強法が知りたい

何度練習しても漢字を覚えるのが苦手なようです。どのように勉強させたらいいですか?(小3男の子ママ)

勉強は「遊び」です。ゲーム感覚で楽しくやろう

はじめに漢字が嫌いな原因を知る事が大切です。中には漢字を認識できず、絵に見えてしまうというお子さんもいます。そういった場合は、漢字パーツカードなどで覚えるのもおすすめです。

ただひたすら書いて覚える学習法では子どもも苦痛なだけです。学年ごとに習う漢字が決まっているので漢字一覧表を壁貼り、覚えた漢字に〇をつけていくとゴールが見えて進めやすくなります。勉強は遊び感覚で楽しくやるのがコツです。ゲームやクイズ、なぞなぞにすると自ら進んで取り組むようになります。

高校受験のために小学生から塾に行った方がいいの?

小学5年生になり、周りで「高校受験に備えて今から塾に入る」という子が増えています。うちも塾に入ったほうがいいのか迷っています。(小学5年女の子パパ)

本人が希望していないのに、焦って行かせる必要はなし

中学受験をしないのなら、あせって塾に行く必要なありません中学校2年生くらいまでは勉強法さえ分かっていればテストの点数も取れるので、できるだけ塾に行かず部活を楽しんだりして、3年生くらいの時から通いはじめるという形でもいいと思います。

やる気スイッチが入るタイミングはいつ?

勉強に対してまったくやる気がありません。男子は中2でスイッチが入ると言いますが、何がきっかけになるのでしょうか?(小6男の子ママ)

子どもの長所を伸ばすことで、自覚が芽生えます

ホルモンバランスの関係などもあるかと思いますが、女の子はだいたい小学5年生、男の子は中学2年生くらい”子どもから大人に変わる時期”にスイッチが入ることが多いようです。

「先生から期待された」、「かけてもらった言葉が響いた」などのささいな出来事が思春期に敏感に反応したというのが推測です。女の子はゆるやかに変化し、男の子は突如伸びる傾向があります。

『どんな子でも能力や才能を3つは持っている』と言われています。それを伸ばしていったらハッピーになるんです。得意なものが勉強とは限りませんが、その子の長所を見つけて伸ばしてあげることが大切です

勉強ができていない自覚があれば、自力でなんとかしたいと思うようになります。子どもが自分で気がつく前に親が「勉強しなさい!」と言わないように気をつけましょう。

中学生になったら、内申点で気をつけることは?

提出物が出せないなど、中学入学後の子どもの内申点に不安があります。今から親ができることはありますか?(小6男子ママ)

「未提出で成績が落ちることがある」余計なことは言わず、事実だけを伝える

提出物でいうと、中学校で提出物を1回出し忘れると成績が1つ下がります。いつも出ている宿題を1回忘れるくらいなら大丈夫かもしれませんが、例えば美術の作品など提出が決められているものは注意が必要です。

提出するのが当たり前なのに、出していないという事実が存在しているから、本来5だった成績も出さないだけで4に下がります。

その情報を事前に子どもに教えておきます。そのときに、「だからちゃんと出しなさい」など余計なことは言わないようにして事実だけを伝えることがポイントです余計なことを言うと、親に言われたからやらなきゃいけないと思い、反抗してしまうことがあります。手柄を子どもに持たせてあげるようにして、子どもが自分で判断して行動するように仕向けましょう。親は事実は伝えても意見は言わないが鉄則です。

成績は「知識」、「思考力」、「主体性」で判断

先生が成績をつけるときは「知識」、「思考力」、「主体性」を評価をし、その評価の平均値がつきます。「知識」に関することは主にテストで。「思考力」も多少テストで測れます。「主体性」に関しては、提出物を出さないと主体性がないという評価になります。

内申点UPについて、ひとつコツをお伝えすると、授業中にわからないことがあれば先生にどんどん質問することです。テストの点が悪くてもやる気がある子は「主体性」で評価されます。

内部進学で気をつける点

私立小に通っており、大学受験まで内部進学できる場合、気をつける点を教えてください。(小3女の子パパ)

受験がない分、思考力や体験に時間を沢山使ってください

「内部進学できるのかできないのかギリギリ…」という相談をよく受けます。せっかく大学受験まで内部進学できるのだから、内部進学の基準を親御さんが知っておいた方がよいですね。その基準をクリアしていれば、受験勉強に必要な学力の向上ではなく、思考力や体験に時間を沢山使うほうが将来につながると思います。

受験がないぶん、その時間にやりたいことや興味があることを深堀りし、有意義な時間を過ごすようにしましょう。

子どもが勉強をしたくなる環境をつくろう!

情報だけを伝えて余計なことを言わないようにする。勉強をゲームのように楽しめる工夫をする。子どもの好きなことはどんどん伸ばしてあげる。石田先生の言葉には、親が子どもの勉強したくなる気持ちをサポートするコツがたくさんありましたね。ぜひご家庭で取り入れてみてください!

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記事監修

石田勝紀先生
東京大学大学院教育学研究科修士課程修了。20歳で学習塾を始め、これまで4000人以上の生徒に対し、「心を高める」「生活習慣を整える」「考えさせる」の3つを柱に指導。東洋経済オンラインで「ぐんぐん伸びる子は何が違うのか?」は長期人気連載となり、累計1.1億PVを突破している。2016年からはママさん対象に「カフェスタイル勉強会〜Mama Cafe」を全国で主宰し、年100回以上実施し、累計1万人のママさんと対面での相談を受けてきた。書籍は22冊出版し、NHKあさイチ、フジテレビ「めざましテレビ」、日テレ「ZIP!」、TBS「あさチャン!」、「ガイアの夜明け」等、メディア出演多数

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取材・文/やまさきけいこ

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