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「もっちりリングドーナツ」を作ってみましょう
小さく丸めた生地をリング状につなげて揚げます。きな粉をトッピングするほか、砂糖をまぶすなど、お好みの味で楽しんでください。
米粉のドーナツは、カロリー控えめ。冷めてもカリッと食感が続きます
小麦粉で作るお菓子はほとんど米粉で作ることができますが、いろいろなお菓子の中でも、ドーナツはとくに、米粉を使うメリットが大きいと思っています。というのも、ドーナツは油で揚げるので生地が油を吸って、どうしてもカロリーが高くなり、ちょっと重たいお菓子になってしまいます。その点、「米粉は油を吸収しにくい」という特性があるため、小麦粉を使ったドーナツよりもカロリー控えめ。軽い、さっくりとした揚げ上がりになります。油を吸いにくいのでカリッっとした食感が長持ちします。(梅子さん)
米粉×タピオカ粉で外はカリっ、中はもっちり
いろいろなタイプのドーナッツを研究する中、「巷で人気の、もちもち食感のドーナツを米粉でできませんか?」というリクエストに応えて考案したのが、この「もっちり食感のドーナツ」。ご自身の書籍『スイーツも料理も。グルテンフリーでおいしいを叶える 米粉のレシピ帖』にも掲載されている、人気のレシピです。
その、人気の秘密でもある、独特の「もっちり食感」を作り出しているのが、実は「タピオカ粉」。タピオカ粉は、台湾の飲み物「タピオカ」の材料で、キャッサバという芋のでんぷんの粉。米粉のみでは出せない「コシ」をプラスする働きがあるそうです。米粉に、タピオカ粉を絶妙な割合で混ぜることで、外側はカリっと、中はもっちりという、あの独特の食感が生まれます。
米粉クッキングの成功ポイントは「配合」。材料の分量は正確に
米粉のお菓子は、テクニックがいらない分、配合が命。それぞれの材料の分量は、きっちり、レシピどおりに計ることが大切だと梅子さんは言います。また、材料の種類や状態も必ず守るというのもポイント。例えば、「熱湯」と書いてあったら、必ず沸騰したものを使用すること。「ぬるま湯でもいいかな~」と、自己流にアレンジしてしまうと失敗につながりますので要注意です。
材料(直径約8.5cm、5個分)
A 米粉 … 75g
A タピオカ粉 … 75g
A ベーキングパウダー … 6g
A きび砂糖 … 50g
A 塩 … ひとつまみ
充填豆腐(または絹ごし豆腐)…75g
プレーンヨーグルト … 30g
揚げ油 … 適量
トッピング
きび砂糖 … 適量
きな粉 … 適量
準備
・10cm角に切ったオーブンシートを5枚用意する。
・ヨーグルトはホエー(ヨーグルト上面にたまっている水分)と固形分をよく混ぜておく。
作り方
①ボウルにAを入れ、泡立て器で混ぜ合わせる。
②①に豆腐を加え、スプーンでつぶしながら均一になるように混ぜ合わせる。
③②にヨーグルトを加えて混ぜ合わせ、丸めやすいかたさになればOK。
④③の生地を7gずつに丸め、オーブンシートの上で8個つなげてリング状にする。残りの生地も同様にする。
⑤160〜170℃に熱した揚げ油で、④をきつね色になるまで揚げる。網に上げて油をきる。
⑥お好みでトッピングをする。⑤が熱いうちに、きび砂糖ときな粉を同量ずつ合わせたものをまぶす。
作り方Point
揚げている途中でバラバラにならないように、隣どうしの生地をしっかりくっつける。
作り方Point 2
写真のようにオーブンシートごとゆっくりと揚げ油に入れる。1分揚げたらオーブンシートを取り除いて、ひっくり返して1分揚げる。さらにまたひっくり返して1分揚げる。
米粉はお菓子作り初心者の強い味方です!
米粉は小麦粉よりも扱いやすく、お菓子作り初心者向けの素材。例えば、小麦粉の場合は、水分と混ぜすぎるとグルテンによって粘りが強く出てしまい、生地が膨らまないなどの失敗がありますが、米粉には、その心配はありません。混ぜすぎの心配もなく、ぐるぐる混ぜてもOK! 難しいテクニックは不要です。また、ダマにもならないので、小麦粉であれば、使用する際に必ず行う「合わせてふるう」という手間もなし。生地を混ぜてまとめてしまえばOKです。
このレシピにたどり着くまで、さまざまな材料、配合を試し、試作を繰り返して、これなら、誰でも「あの人気のお菓子を再現できる」と自信をもって紹介できる配合&作り方です。(梅子さん)
小麦粉アレルギーのお子さんにも食べられる
アレルギーなどで、市販のこうした人気のお菓子やパンを食べられないお子さんもいらっしゃると思います。「こういう人気のお菓子も、みんなと同じように食べさせたい」というお母さんの気持ちは、切実なものではないでしょうか。ですから、私の米粉のレシピで作ってみたときに、「あれ…。やっぱり違うな…」とがっかりして欲しくないんです。「あー、これこれ。これを食べさせたかったのよね~」と喜んで欲しいんです。(梅子さん)
この記事のレシピで使用している米粉
新潟県産の米を使った超微粒子の「米の粉」です。小麦粉よりも細かい超微粒子の粉なので、ダマになりにくく、きめの細かい生地に仕上がるのが特徴です。なめらかな口溶け、ふんわりと仕上げたいケーキ生地に最適です。 280gとお徳用の1㎏があります。
米粉初心者でもおいしく作れるレシピ本が発売中
『スイーツも料理も。グルテンフリーでおいしいを叶える 米粉のレシピ帖』
梅子さんが運営する、米粉レシピサイト「米粉のレシピ帖」が本になりました。梅子さんが追及した、作りやすくて米粉のおいしさを最大限にひきだしたレシピが満載です。この1冊でドーナツ、シフォンケーキ、シュークリーム、バースディケーキなどの絶品スイーツから、餃子、唐揚げ、パンケーキ、シチュー、ピザなどの食事メニューまで。どれも梅子さんの「米粉愛」が詰まったレシピ。米粉を使うのは「はじめて」という人も、失敗なしで、おいしくい作れるよう、親切丁寧なアドバイスも充実しています。
教えてくれたのは
梅子さん|管理栄養士・お米と米粉料理研究家
大好きだった小麦を食べるのをやめてから、長年苦しんでいた原因不明の体調不良がなくなるという経験から、その魅力に気付き、お米と米粉が大好きに。やがて、グルテンフリーの米粉レシピを考えるようになり、2018年から自作のWebサイト「米粉のレシピ帖」でレシピを発信開始。 ご主人と2人のお子さん(小学校3年生の男の子と年少の女の子)の4人家族。
「米粉のレシピ帖」でレシピや情報を発信していくことで、自分の子供たちや家族や友人にだけでなく、もっともっと多くの方々にお米(米粉)の魅力を知ってもらったり、米粉を使ってみようと思うきっかけを作ったりできるというのが何よりうれしいこと。今後は、お米の消費量を少しでも増やして、日本の食料自給率を増やしていく活動も行うのが目標。 Webサイト「米粉のレシピ帖」、YouTube「米粉のレシピ帖チャンネル」では、新作レシピも続々発表。最新刊に『スイーツも料理も。グルテンフリーでおいしいを叶える 米粉のレシピ帖』(KADOKAWA)がある。
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取材・構成/瀬戸由美子