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米粉ライフのきっかけは体調不良改善 でした
お米と米粉を専門とする料理研究家として活躍中の管理栄養士、梅子さん。20代の頃、さまざまな体調不良に悩んでいた梅子さんでしたが、グルテンフリーという食事法を知り、大好きだったパンやパスタをやめて米を中心とした和食に切り替えたところ、自然と体調不良が改善していったといいます。その後、結婚し、二人のお子さんのママになった現在も、ゆるめのグルテンフリー生活を継続中です。
そんな中、「ときには、以前好きだった、パンやお菓子も子どもたちと楽しみたい!」と思ったのをきっかけに、米粉の研究を開始。今や、梅子さんの米粉レシピは、ご自身が運営する運営サイト「米粉のレシピ帖」やYouTube「米粉のレシピ帖チャンネル」にて、「失敗なく作れて、すごくおいしい」と大人気になっています。
米粉はおいしくて、使いやすい!
「米粉は、小麦粉アレルギーの人のための代替食材というイメージをお持ちの方も多いかと思いますが、それだけではなりません。米粉には小麦粉にはない、おいしさ、良い点がたくさんあります」と梅子さん。
また、米粉を使うと、クッキーやピザ生地、揚げ物の衣などがサクサクとした軽い食感に仕上がりますし、ケーキの生地はしっとりと焼き上がります。栄養面で言うと、小麦粉よりもアミノ酸のスコアの高いタンパク質が含まれています
さらに、少し意外ですが、米粉は小麦粉よりも使い勝手が良いという点もあるとか。小麦粉は水分を加えて混ぜた際、混ぜすぎると粘りが出て扱いにくくなりますが、米粉には粘りのもとになるグルテンが含まれていないので、その心配はなし。粒子がサラサラなのでふるわなくてもOK。ダマにもなりにくいので、ホワイトソースを作るのもラクチンです。
米粉の粒子はメーカーごとに違います。作りたいレシピに適正な米粉を選ぶのがおいしく作るポイント
米粉を使ったお菓子やパン、というと、生地が膨らまなかったり、おもちのように固まってしまったりして、「難しそう!」というイメージがあるかもしれません。でも、梅子さんによると、それは大きな誤解だとか。
製品によってこんなにも違う吸水率
実際に、一般に流通している5つの製品を比較してみました。
米粉20gに対して水20gを加えて混ぜてみると…。
レシピに合った米粉をセレクト!
「どの製品が良い、悪いではなく。それぞれの米粉の特性により、得意な用途が違うということなので、作るレシピに合った米粉で作ることが大切です」と梅子さん。
すでに、手元に以前買った米粉があるという方は、パッケージも記載されているレシピや、メーカーさんのサイトで紹介されているレシピで作ってみるのがおすすめだそう。
なお、今回ご紹介するレシピをはじめ、梅子さんのサイトで紹介しているレシピはすべて以下の製品、「米の粉」(共立食品)を使用しています。
この記事のレシピで使用している米粉
新潟県産の米を使った超微粒子の「米の粉」です。小麦粉よりも細かい超微粒子の粉なので、ダマになりにくく、きめの細かい生地に仕上がるのが特徴です。なめらかな口溶け、ふんわりと仕上げたいケーキ生地に最適です。 280gとお徳用の1㎏があります。
共立食品Webサイト:https://www.kyoritsu-foods.co.jp/komeko/
梅子さんの「米粉のお菓子」3選 ~YouTubeでも大人気! 初めての方にもおすすめ
【米粉のバナナパウンドケーキ】~YouTube再生回数10万回超! 「米粉のレシピ帖」人気ナンバーワンレシピ
【梅子さんからのおすすめコメント】
米粉を使用したしっとりとした口当たりが特徴。バナナは若いものよりも、よく熟したものを使用するとおいしくできます。バターは使用していませんが、バナナの風味で物足りなさを感じさせないパウンドケーキ。一口食べるとバナナの甘い香りが口いっぱいに広がります!
■材料(17×8cmのパウンド型1台分)
米粉 120g
ベーキングパウダー(アルミニウムフリー) 小さじ1
シナモンパウダー 小さじ1/4
卵(Lサイズ) 2個
きび砂糖 70g
米油 70ml
熟したバナナ 1本(120g)
※お好みで、アーモンドスライス、くるみをトッピングするのもおすすめ。
※砂糖は、きび砂糖以外に甜菜糖、素焚糖などその他のお砂糖に置き換えてもOK。
※油は米油以外に、太白ごま油などクセが少ない他の油に置き換えてもOK。
■準備
・卵は室温にもどしておく。
・パウンド型にオーブンシートを敷きこんでおく。
・米粉、ベーキングパウダー、シナモンパウダーは1つのボウルに入れ、混ぜ合わせておく。
・オーブンを180℃に予熱する。
・バナナは皮をむいて、フォークでつぶす。
■作り方 ~「米粉のレシピ帖チャンネル」
【米粉のシンプルパンケーキ】~オーブン不要。フライパンでできちゃう手軽さも嬉しい!
【梅子さんからのおすすめコメント】
子どもの頃に食べたホットケーキのように、やさしい味わいのシンプルなパンケーキです。ワッフルメーカーを使えば、この生地でワッフルも簡単に作れます。甘みを控えたい場合は、きび砂糖を10g程度減らしてください。わが家の子どもたちには、10g減らしたレシピで作っています。
■材料(小ぶりに焼いたもの、11~12枚分)
米粉 140g
ベーキングパウダー 6g
卵 1個(50g)
きび砂糖 35g
自然塩 少々
プレーンヨーグルト 20g
牛乳 70g
フライパンに敷く油 適量
※砂糖はきび砂糖以外のお砂糖に変更しても可。
■作り方~「米粉のレシピ帖チャンネル」
【米粉のシフォンケーキ】~ふわふわ&しっとりの焼き上がりは米粉ならでは
【梅子さんからのおすすめコメント】
米粉の特性がとてもよく生きるのが、実はシフォンケーキ。ふんわり、しっとりした焼き上がりと、微かなモチっと感は、米粉ならではの仕上がりです。私が運営するWebサイト「米粉のレシピ帖」では、抹茶やココア風味など、さまざまな味を紹介していますが、ここでは、バニラを加えた定番、基本の米粉シフォンケーキをご紹介します。お米のほのかな甘味が楽しめます。
■材料(17cmシフォンケーキ型)
卵黄 4個分
きび砂糖 30g
米油 40g
熱湯 45g
バニラペースト※注① 小さじ1/2強
米粉 110g
卵白 4個分
きび砂糖50g
※注①:バニラペーストがない場合はバニラエクストラ、またはバニラオイルで代用を。バニラエッセンスは香りが飛びやすいのでおすすめしていません。
■準備
・卵は卵黄と卵白に分けて、卵白は冷蔵庫でよく冷やしておく。
・オーブンを170℃に予熱する。
■作り方~米粉のレシピ帖チャンネル
気軽に米粉ライフを楽しんで!
梅子さんの運営するWebサイトやYouTubeには、作ってみたという人からのたくさんのメッセージやコメントが寄せられています。
・初心者でしたが上手にできました
・小麦粉で作るよりもおいしくできました!
・材料も比較的少なくて、手順も少ないので、何回も作らせていただきました。
Webサイト「米粉のレシピ帖」やYouTube「米粉のレシピ帖チャンネル」では、梅子さんが丁寧に作り方を解説してくれているので、お菓子やパン作りは初めてという人でも気軽にトライしてみてはいかがでしょう。
教えてくれたのは
梅子さん|管理栄養士・お米と米粉料理研究家
大好きだった小麦を食べるのをやめてから、長年苦しんでいた原因不明の体調不良がなくなるという経験から、その魅力に気付き、お米と米粉が大好きに。やがて、グルテンフリーの米粉レシピを考えるようになり、2018年から自作のWebサイト「米粉のレシピ帖」でレシピを発信開始。 ご主人と2人のお子さん(小学校3年生の男の子と年少の女の子)の4人家族。
「米粉のレシピ帖」でレシピや情報を発信していくことで、自分の子供たちや家族や友人にだけでなく、もっともっと多くの方々にお米(米粉)の魅力を知ってもらったり、米粉を使ってみようと思うきっかけを作ったりできるというのが何よりうれしいこと。今後は、お米の消費量を少しでも増やして、日本の食料自給率を増やしていく活動も行うのが目標。 Webサイト「米粉のレシピ帖」、YouTube「米粉のレシピ帖チャンネル」
取材・構成/瀬戸由美子