Q:なんでも「1番」にこだわる娘。周囲とうまくやっていける?
一人娘だからなのか、あるいは育った環境からなのでしょうか、娘はリーダーシップを取ることが好きです。「なんでも1番がいい」という気持ちが人一倍強いのではないかと感じています。
周りの友だちのことや、娘が1番になれなかったときのことを考えると、「何番でも、いいんだよ」ということをしっかりと伝えていきたいと思うのです。この先、成長とともに自ら理解していくのかもしれませんが、その前に友だちとの軋轢を生んでしまうのではないかと心配になります。どのように伝えるのがよいでしょう。(かずさん)
A:がんばった過程を大切に! その結果が1番なのだと伝えましょう。
リーダーシップを取りたがるのは、この子の性格によるところが大きいと思います。もちろん、リーダーシップを取ることは悪いことではありません。むしろ、長所のひとつと捉えてよいと思いますよ。そして、「正しいリーダーシップとはなんだろう」ということを、場面ごとにそのつど、親子で考えられるといいですね。
例えば、自分の好きな子とばかり遊んで、嫌いな子は排除していないか。あるいは、自分の好きな遊びばかり優先していないか。それは間違ったことなのではないか、といったように本当のリーダーとはどうあるべきなのかを一緒に考えるのです。
もちろん、客観的に物事を捉えるのは、1年生には難しいと思います。実際には、間違ったリーダーシップを取ってしまったために、友だちとトラブルになることもあるでしょう。けれど、失敗から学ぶこともたくさんあるのです。この先、成長とともに素晴らしいリーダーシップを発揮できるようになるのではないかと思いますよ。
それから、「どんなことでも1番でいたい子」は、積極的に行動できる子でもありますよね。1番でありたい子は、周囲の大人がうまく誘導すれば、一生懸命がんばることができる、つまり、努力できる子になるのです。ですから、1番になりたい気持ちを否定するのではなく、1番でいるためには、努力が必要だということを伝えていけるといいのかなと思います。
ただ、結果としての1番を喜んでもいいけれど、そこに至るまでの過程を大切にするという意識を持つこと。お家の人はこれを意識して、お子さんと接していけるといいと思いますよ。
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イラスト/かまたいくよ
構成/天辰陽子
1925年創刊の児童学習雑誌『小学一年生』。コンセプトは「未来をつくる“好き”を育む」。毎号、各界の第一線で活躍する有識者・クリエイターとともに、子ども達各々が自身の無限の可能性を伸ばす誌面作りを心掛けています。時代に即した上質な知育学習記事・付録を掲載し、HugKumの監修もつとめています。