「おりもの」のすっぱいニオイは大丈夫?日本初のおりもの展覧会で知って、母が娘に伝えたいこと

近年、女性の性にまつわる悩みが徐々にオープンになり、特に「生理」については、学校教育でも教えられ、語られる機会も多くなっている一方で、「おりもの」について話す機会はほとんどありません。梅毒などの性感染症が急増する中、「おりもの」を知ることは急務でもあります。今回「おりもの」をテーマにした「My Body, My Self. -カラダの疑問展-」が9月初旬に都内で開催。これまでなかなか取り上げられる機会がなかった「おりもの」について取材してきました。「おりもの」についてどう子どもと話してよいか分からない保護者の方も必見です!

日本初の「おりもの」の展覧会へ

若者のファッションの発信地の原宿の交差点前の原宿八角館で開催された「My Body, My Self. -カラダの疑問展-」。「#しかたなくない」の落葉えりかさん、小林製薬 サラサーティ担当の白石千夏さん、文筆家の佐久間 裕美子さん。(左から)

「My Body, My Self. -カラダの疑問展-」は、小林製薬株式会社が販売する日本初のおりものシートブランドである「サラサーティ」による主催。「おりもの」について解説する展示コーナーをはじめ、おりものシート付きガイドブックやおりものシート8種のプレゼントも展開。若い方が気軽に訪れて、「おりもの」についての知識に触れられるような展覧会になるよう、若者の集まる原宿での開催となりました。

酸っぱいニオイは大丈夫?

「おりもの」についての基礎知識が学べる「おりものとカラダ」の展示。

まずは、「おりもの」って何?という基礎知識のブースから。初潮を迎える小学校高学年〜10代は、エストロゲンの分泌が高まり、おりものの量が徐々に増え始めます。煩わしいものだけど、実は大切な体からのサインである「おりもの」は、主に二つの役割があるそう。

一つが、自浄作用。細菌が膣を通して身体に入ってくるのを防ぎます。「おりもの」は膣の中をきれいに保つ力を持っているんです。

二つ目は、受精の手助け。排卵期に受精の手助けをしてくれます。特に子宮の出口から出る「おりもの」は精子がスムーズに到達する役割も担っています。

「おりもの」の酸っぱいにニオイを心配する方も多いと思いますが、これは健康の証。膣内にいる乳酸菌が乳酸を分泌するためで、自分の「ふつう」の状態の「おりもの」を知っておけば不安もなくなりますよね。逆にいつもと違うにおいや色であれば体の異常のサインかも。「おりもの」が健康のバロメーターであることは、お子さんにも伝えたい大切なことですね。

おりものとSEX

「おりものとSEX」についての展示。

SEXがどう「おりもの」に影響するのかという疑問にも答えてくれます。おりものと愛液は一体どう違うのかなど、おりものに密接に関係する「SEX」をテーマに解説も。

おりもののニオイも体験できる

「おりもの」のサンプルが展示されている「おりものと観察」のブース。サラサーティーの研究員が直接「おりもの」についての相談にものってくれます。

デリケートゾーンの悩みで最も多いのが「おりもの」のニオイや形状。不安になってネットで検索しても、文字情報だけでは分かりませんよね。そんな悩みを解決すべく、サラサーティ研究チームが「おりもの」のサンプルを制作。さまざまなおりものの色や形状が再現されています。

病気の可能性はニオイでわかることも

「おりものと観察」の「おりもの」のニオイを体験できるコーナー。

衝撃的なブースですが、「おりもの」のニオイも体験することができます。正常なニオイ、気をつけた方がいいニオイなどが分かり、とても参考になります。かなり、魚が腐ったような強烈なニオイのものもありました。

おりものシートも多様化の時代

サラサーティーの「おりものシート」を無料で持ち帰ることのできるブース。

小林製薬のサラサーティーの14種類のうち8種類の「おりものシート」を自由に組み合わせて持ち帰ることができるブースもありました。二枚重ねやTバック用など、おりものシートもニーズに合わせて充実していることがわかります。

一枚ずつ取り出すことのできる「おりものシート」の無料配布のブース。

デパートの化粧品売り場の様なスタイリッシュなブースで、気軽に「おりものシート」を手に取ることができます。

「おりもの」について親子で話してみよう

  • 「おりもの」に関するたくさんの情報が詰まった「My Body, My Self. -カラダの疑問展-」の会場。

生理については、学校でも教わったことがあっても「おりもの」についての知識がなく、思春期の頃に下着の汚れが不安になった方も多いはず。性に関するさまざまなイベントを立ち上げている「#しかたなくない」の落葉えりかさんですら、生理については語る機会が多いものの「おりもの」については考えたことがなく、制作にあたっての戸惑いは多かったそうです。

下着の汚れで気付くものの…

同じく、冊子の編集に携わった文筆家の佐久間裕美子さん曰く、インタビューの中でも、「下着を洗う時に娘の体の変化に気がついているものの、話を切り出せないと話す親御さんも多かった」とのこと。サラサーティーの担当の白石千夏さんは、「おりものを恥ずかしいこととタブー視をするのではなく、このようなイベントをきっかけに、親子で話し合う機会が増えれば良いと思っています」と話していました。

思春期のお子さんは不安も多く、その上、体の変化で分からないことがあれば、さらに苦しむことになると思います。まずは、親世代が「おりもの」について正しい知識を得ることが、次の世代の安心にもつながると感じました。小学一年生の娘を持つ筆者も近い将来に備えて、娘と冊子を一緒に読んだり、自然な流れで娘と「おりもの」の話ができるよう心がけたいと思いました。

小林製薬の取り組み「My Body, My Self. -カラダの疑問展-」

初の「おりもの」に特化したイベントの「My Body, My Self. -カラダの疑問展-」のプロジェクトに関わった文筆家の佐久間 裕美子さん、小林製薬 サラサーティ担当の白石千夏さん、「#しかたなくない」の落葉えりかさん。(左から)
現在、梅毒が各都道府県で急激に増加しています。都内では過去最多の3600人以上の感染が報告され、特に女性の増加が深刻で10年前の約40倍となっているとのこと。(東京都福祉保健局20代が突出して多く、梅毒以外の性感染症の増加もあると言われており、「おりもの」を含め体の変化に気づくことや知ることが急務となっています。

「#しかたなくない」とのコラボ

本イベントは体や性にまつわる「しかたない」で諦めてしまっていることを「しかたなくない」ものとして変えていくアクションを展開するソーシャルプロジェクト「#しかたなくない」とのコラボレーション。「カラダのこと、わからないままなのは #しかたなくない」をコンセプトに、相談しにくい「おりもの」への理解を深めてもらうことで、自分の体と向き合うきっかけづくりを目指しているとのことです。

ガイドブックの無料配布

「My Body, My Self. -カラダの疑問展-」で無料配布された「おりもの」についての冊子。

展覧会では、「おりもの」に関する疑問を解決するヒントや知識について学ぶことのできるガイドブック「My Body,My Self.」が来場者に無料配布されました。ソーシャルプロジェクト「#しかたなくない」との共同開発で、編集は『ヒップな生活革命』等の著書で知られる佐久間裕美子氏率いるsakumag collectiveという豪華なラインナップです。
ガイドブックは、今後クリニック等でも配布していきたいとのことです。

今回の「おりもの」をテーマにした「My Body, My Self. -カラダの疑問展-」やガイドブックをきっかけに、多くの人がおりものについて正しく知ること、そして伝えることの大切さを知れたのではないでしょうか。

「My Body, My Self. -カラダの疑問展-」

開催期間:2023年9月2日~5日(11時~20時)
場所:明治神宮前交差点「八角館ビル」(東京都渋谷区神宮前6丁目4−1 1F)

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文・写真/Rina Ota

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