子どもに「“敬老の日”ってどういう日?何するの?」と聞かれたら。高齢者を敬う気持ちを育てる言葉かけをマナー講師が解説

今年の9月18日(月)は敬老の日。敬老の日は国民の祝日なのでカレンダーは赤で記載されています。2003年の祝日法の改正によって敬老の日は毎年9月の第3月曜日となりました。国民の祝日に関する法律第二条というものがあり、そこに敬老の日がどのような日か記載があります。
【敬老の日=多年にわたり社会につくしてきた老人を敬愛し、長寿を祝う】
長年、社会に尽くしてくださった老人の方に敬意と敬愛を示し、長寿のお祝いをする日ということですね。

「敬老の日」は何歳からお祝いするのか決まっているの?

敬老の日は何歳からお祝いするもの、ということは決められていません。皆様はこの法律に書かれている“老人”という言葉、何歳くらいの方を思い描きますか。還暦(満60歳)を迎えたらおじいちゃん・おばあちゃんでしょうか。最近は男性も女性も見た目が若く、活動的で、年齢を見分けることは本当に難しいと思います。

では一体、高齢者とは何歳からのことをいうのだろう?と調べたところ、確固たる定義の年齢はないそうですが、WHO(世界保健機関)では65歳以上を高齢者としているそうで、基準の年齢となっているようです。

何歳とは決まっていないということですが、敬老の日をお祝いする相手は孫が生まれて“おじいちゃん”“おばあちゃん”になった方や、老人ホームなどの施設を利用されている方かどうか・・を判断基準にするといいかもしれませんね。大切なのは本来の目的を忘れず敬愛と長寿のお祝いの気持ちを伝えることです。

子どもにはどのように伝えますか

子どもに「“敬老の日”ってどういう日?誰に何するの?」と聞かれたら、2つのことを伝えてあげましょう

1つめは自分のおじいちゃん・おばあちゃんへの感謝。このように伝えるのはいかがですか。まず自分のおじいちゃん・おばあちゃんについて

「敬老の日っていうのはね、〇〇ちゃんのおじいちゃんやおばあちゃんに“いつもありがとう、これからも元気で長生きしてね”って感謝を伝える日だよ。もっともっと長生きして、沢山○○ちゃんと遊んでもらいたいよね!」

そしてもう1つが、おじいちゃん・おばあちゃん以外のご年配・老人の方を敬う気持ち。

「敬老の日というのはね、〇〇ちゃんよりもパパやママよりもずっと長く生きて、みんなのために働いてくれ方たちにありがとうの気持ちと、長生きされた方にこれからも元気でもっと長生きしてくださいの気持ちを伝える日だよ。〇〇ちゃんが生まれる前から、頑張ってくれた人がいるから今があるの。ありがたいよね。」

という伝え方はいかがですか。皆様でしたらどのような伝え方をされるでしょうか。

子どもが通っていた園は近くに老人ホームがあり、毎年敬老の日が近くなると歌や折り紙のプレゼントを持って訪問していました。自分のおじいちゃん・おばあちゃん以外の老人の方に、直接「ありがとう」を伝えることができたので、とてもありがたい取り組みだなと思いました。

自分のおじいちゃんおばあちゃんへは、お手紙やちょっとしたプレゼントを差し上げて気持ちを伝えることを子どもと一緒に行ってみませんか。一番喜ばれるのは孫の声を聞く、お話をする、顔を見てお互い元気であることを確認する、その時間かもしれません。

公共の場で高齢者を敬う気持ちを育てよう

現在は知り合いでない方に話しかけることも、反対に話しかけられることも、躊躇してしまうことがあります。そんな中でも積極的に声をかけるよう子どもたちに伝えて欲しいことがあります。それは(敬老の日に限ったことではありませんが)“優先席でご年配・老人の方が「ここいいですか?」と聞くよりも先に、こちらから「お席どうぞ」と伝えてあげること”です。

電車やバスなどの乗り物中で、駅のホームで、優先席のマークがありますよね。まずは親子で絵の意味を確認し合いましょう。そしてこの席を必要とする人はどのような方が、一緒に考えてみてください。相手を理解し、子どもたちの心の中にある優しい気持ちが育ったら、次はどのような行動をとれば相手に気持ちが届くか一緒に考えてみましょう。子どもたちからの「お席どうぞ」の一言がご年配・老人の皆様の心を温め、疲れた体をきっと軽くしてくれます。「優先席でなくても、見かけたら席を譲ろうね」と一言加えると尚良いですね。

「敬老の日」を通して、自分のおじいちゃん、おばあちゃんだけでなく、出会ったご年配・老人の方を敬う優しい心が育ちますように。

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文・構成/赤名麻由子

赤名 麻由子

シニアマナーOJTインストラクター|キッズマナーインストラクター
一般社団法人マナーOJTインストラクター協会所属。資格取得後、保育園やカルチャーセンターにて子どもたちにマナーを伝える活動を行っている。二児の母

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