なぜ「信州そば」は美味しい? 戸隠そば・行者そばとの違い、上手な茹で方や「かえし」「だし」の作り方まで

信州はそばが美味しいことで有名です。そして信州には多くの蕎麦屋があり、信州を旅行する予定のある方は、そばを食べることを旅のプランに組み込んでいる方も多いかと思います。そこで、信州そばの定義や信州そばが美味しい理由などをじっくり見ていきましょう。

「信州そば」の定義とは?

信州そばとは、信州で作られ、食べられているそばをまとめた名称。

長野県のそば粉や水を使ったものなど、その定義は様々ですが、一般的には、長野県で製造されたそば粉を40%以上使用して、長野県で作った良質なそばを「信州そば」といいます。

なぜ信州はそばが美味しい?

信州は高冷地であり、米や小麦などの穀物の栽培には向かない土地です。そこで、盛んに栽培されるようになったのが、そばです。気温や湿度が高すぎず、昼夜の寒暖差がある信州の気候は、そばを育てるのに最適な環境。

また、信州は、夜に気温がグッと下がるため、朝霧が発生しやすくなります。この朝霧も良質なそばを育てるのに大きな役割が。そばは霜に弱く、朝霧が発生することで、そばを霜から守ってくれるのです。

そんな環境で育ったそばからは良質なそば粉ができあがります。それに加えて、信州は水が美味しいことで知られています。信州そばは、香り高い良質なそば粉と、美味しく綺麗な水で作られるため、格別に美味しいそばになるという訳です。

「信州そば」と「戸隠そば」の違いは?

戸隠(とがくし)そばとは、信州そばの1つ。長野県の北西部に位置する戸隠地区で作られ食べられているそばで、日本三代そばにも数えられています。一般的に甘皮をとらずに挽いたそばを使うため、そばの色は濃いめ。風味豊かな味と、冷たい高原の水を使ってしめられた麺は、ツルツルとして喉越しが良いのが特徴です。

また戸隠そばは、盛り方や器にも特徴が。麺は「ぼっち盛り」という、一口大にまとめたそばを5~6束にして、水を切らずに盛り付けたもの。またそばを盛る器は、戸隠産の竹を使ったザルが使われているのも大きな特徴です。

戸隠そばの一例

信州そばの種類は30種類以上もある⁉︎

信州そばには、なんと30種類以上ものそばがあるといわれていて、その特徴は地域によって異なります。主な信州そばの種類をいくつか一緒に見ていきましょう。

富倉そば(飯山市・富倉)

富倉(とみくら)そばは、長野県飯山市に古くから伝わるそば。そば粉と山ごぼう(オヤマボクチ)の繊維だけを用いて作られており、強いコシと豊かな香りが特徴です。

昔はこの地域でしか食べることができず、また富倉そばは、ほとんどの工程を手作業で行われていて、手前や時間がかかるため多く製造することは困難。そのため「まぼろしのそば」ともいわれています。

霧下そば(長野市)

昼夜の寒暖差があり朝霧が発生しやすい土地を「霧下(きりした)地帯」といいます。浅間山の麓はまさに霧下地帯で、さらに火山灰の土壌はミネラルが豊富で水はけがよく、良質なそばが育ちます。そんな霧下地帯で栽培されたそばを「霧下そば」といいます。

行者そば(伊那市)

行者(ぎょうじゃ)そばは長野県伊那市のご当地そば。この行者そばが信州そばの始まりだという言い伝えがあります。それは奈良時時代に修験道の開祖である役小角(えんのおづめ)がそばの実を持ち込んで、そこからそばが栽培されるようになったというものです。

行者そばは、辛み大根をおろしたものと、焼き味噌をそばつゆに入れて食べられています。

美味しい信州そばを茹でるコツや方法は?

家庭でも美味しいそばを食べたいとき、茹で方が大切になってきます。信州そばを美味しく茹でるコツや茹で方を見ていきましょう。

美味しく茹でるコツ

・生のそばは冷蔵庫から出して常温に戻してから茹でる
・大きな鍋にたっぷりの水で茹でる
・できるだけ水は茹でる用・しめる用共に美味しい水を使う
・1度にそばを茹でる量は1~2人前が目安
・茹で過ぎない
・差し水は、沸騰を止めないように少量ずつ加える
・茹で上がったそばはしっかり冷やす

美味しいそばの茹で方

1、大きめお鍋にたっぷりの湯を沸かします。

2、ボウルに氷水を用意しておきましょう。

3、湯が湧いたら、そばを入れ、数秒したら箸で優しくかき混ぜます。

4、吹きこばれそうになったら、差し水を加え、強火で1分45秒程茹でます。

5、茹で上がったそばは、ザルにあげ、水を入れたボウルに入れ、素早く冷やします。

6、粗熱が取れるまで水を変えながらしっかり冷やしていきます。

7、そばの粗熱がとれたら、氷水の入ったボウルに移動させてさらに冷やすます。

8、水気を切って器に盛り付けて完成です。

美味しいそばつゆを作ってみよう

そばつゆのベースとなるのが、醤油とみりん、砂糖を煮て作った「かえし」です。それをだしで薄めたものがそばつゆになります。ここからは、「かえし」と「だし」から作る、そばつゆの作り方を紹介していきます。

材料(作りやすい量)

<かえし>

基本的に「かえし」の調味料の対比は「濃口醤油5:みりん1:砂糖1」です。しかし甘さなどは、お好みで調節してもOKです。

・濃口醤油… 100g
・本みりん… 20g
・砂糖… 20g

<だし>

・だし昆布… 5g
・厚削りカツオ節… 50g
・水… 800ml

作り方

<かえし>

1、鍋にみりんと砂糖を入れ加熱して、アルコールを飛ばします。

2、1に醤油を入れ、ひと煮立ちさせます。

3、器に移して冷まして完成です。

<だし>

1、鍋に水と昆布を入れ加熱。沸騰する手前で昆布は取り出します。

2、1に荒削りカツオ節を入れ、5分間ほど煮たら火を止めで蓋をして、約1分間蒸らします。

3、ボウルとザルを用意し、ザルにキッチンペーパーなどをひいて、2のだしを濾して完成です。

「かえし」と「だし」の割合

「かえし」と「だし」ができあがったところで、ではどれくらいの割合で混ぜれば良いのか見ていきましょう。

<冷たいそばのそばつゆ>

「かえし3:だし1」

<温かいそばのそばつゆ>

「かえし1:だし8」

良質なそばが育つ信州

信州はその土地の特徴から、良質なそばが育つことがわかりました。また広い信州の中でも、地域によって様々な特色のあるそばを食べることができます。美味しいそばを求めて、信州の各地を巡ってみるのも良いでしょう。

こちらの記事もおすすめ

そばの冷凍保存でガレットができちゃう⁉ 冷凍した袋そば、生そばのアレンジレシピ3品!
そばは、乾麺なら常温で長期保存ができますが、生そば、茹でそばの場合は、作り置きができません。そこで、余った時は冷凍で保存するのがおすすめです...

構成・文・写真(一部を除く)/松田慶子(京都メディアライン)

編集部おすすめ

関連記事