池上彰さんに聞いた!知っておきたいネットの教養。フェイクニュースで騙された日本人は3割超え!

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フリージャーナリストの池上彰さん。著書『池上彰のこれからの小学生に必要な教養』では、小学生に知っておいてもらいたい5つの分野をレクチャー。今回は「ネット」の分野から語っていただきます。現代の暮らしに欠かせなくなったインターネット。お子さんとともに、正しい知識と使い方を身につけましょう。

正しい情報と間違った情報の区別がつきにくい「インターネット」

インターネットは、複数のコンピューターをつないで情報をやりとりできるようにした技術のこと。それを使えばすぐに情報を得られるだけでなく、自分で情報を発信することもできます。とても便利ですが、手軽にやりとりできるからこそ、正しい情報と間違った情報の区別がつきにくいという問題があります。

フェイクニュースにだまされた日本人は3割超え!

フェイクは英語で「にせもの」という意味です。フェイクニュースとは、嘘のニュースということです。

 フェイクニュースには2種類あります。一つは、かん違いや確認不足によるもの。そしてもう一つは、自分の立場を有利にしたい、思い通りに人を動かしたいなどの理由で、都合のいい嘘をわざと流すというもの。選挙で競争相手の候補者の悪い噂を流す、なんていうのもこのタイプです。

 二つ目のフェイクニュースは、多くの人に見てもらいたいので、「えッ!?」とビックリするような内容のことがよくあります。みんなが思わず見てしまい、「いいね」をしたり、他の人に教えたりして拡散してしまう。悪意のあるものほど、すごい勢いで広がりやすい。

2020年のアンケートによると、「フェイクニュースにだまされたことがある」と答えた人が日本で3割を超えました。

ネットより新聞の方が正しい情報がのっているの?

情報が正しいかどうかを知るためにまず確認したいのは、「誰がその情報を流しているのか」ということです。

 たとえば新聞やテレビが流す情報は信用度は高いといえます。なぜなら、その情報を送り出す前に、必ず複数の情報源に取材をしているからです。誰か一人だけの話ではなく、別の人からも話を聞いて、その情報の正しさを何人もでチェックします。そして「これは間違いない」というものを出しているのです。

 逆に、個人が発信している情報はチェック不足による間違いが起きやすい。また、悪意を持ってわざと嘘の情報を流していたりする可能性もあります。多くのスタッフがチェックする新聞の情報でも、ときには間違うことがあるように、正しい情報を出すのは、とてもむずかしいことなのです。

ネットの情報だけに頼らないように心がけたいもの

何かを知りたいとき、ネットはとても便利です。たとえば「地球温暖化」と検索すれば、地球温暖化ってこういうことなんだ、とすぐにわかりますね。

 しかしネットで最初に目についた記事をそのまま信じると、すごくかたよった考えや間違った情報をうのみにすることになりかねません、だいたいこういうことだと知った上で、他の記事を読んでみたり、図書館で本を借りて調べてみてください。

 簡単に得られる情報は、簡単につくられた情報でもあります。苦労して手に入れた情報にはかないません。知りたいことがたくさんあるからこそ、ネットの情報だけに頼らないように心がけたいもの。いろいろな情報を集めた上で、自分なりの考えを持つことが大切なのです。

 

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『池上彰のこれからの小学生に必要な教養』(主婦の友社)

小学生に知ってほしい「教養」を5つの分野(お金・政治・歴史・SDGs・ネット)に分けて紹介されています。見開きごとに素朴な疑問をピックアップ。イラストによるやさしい図解とともに、池上さんが解説してくれます。

教えてくれたのは

池上 彰さん|フリージャーナリスト
1950年長野生まれ。1973年にNHK入局。1994年から「週刊こどもニュース」のお父さん役を務め、お茶の間で人気に。2005年よりフリージャーナリストとして活動。児童書の監修も多く、著書は累計750万部を超えている

構成/tsurumaki イラスト/TOA(『池上彰のこれからの小学生に必要な教養』より)

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