池上彰さんに聞いた!SNSに友達の悪口を書いたら逮捕されるの?親子で知っておきたいSNSのルール。

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フリージャーナリストの池上彰さん。著書『池上彰のこれからの小学生に必要な教養』では、小学生に知っておいてもらいたい5つの分野をレクチャー。今回は「SNS」について教えていただきます。間違った認識を持っていると凶器にもなりかねない「SNS」。親子でぜひ学んでください。

SNSってなんだ?どんな種類があるの?

SNSの登場で、誰でも情報を発信できるようになりました。SNSとは、Social Networking Service(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の略。人と人をつないで交流を手助けする、ネット上のサービスです。主な種類は、ライン、X(旧ツイッター)、フェイスブックなどの文章系・会話系、インスタグラムなどの写真系、YouTube、TickTokなどの動画系があります。

 SNSは、情報を受け取った人とやりとりができるのも大きな特徴です。「いいね!」と評価したりされたり、「それは違うんじゃないか?」と意見を言い合ったり、そういうことが簡単にできるようになりました。

情報を発信するとき心がけたいこと

匿名だからかまわないと、でたらめな情報や人の悪口を書く人は、残念ながら少なくありません。しかし、そのせいで深く傷つき、ときには自殺する人もいて、深刻な問題だということが多くの人に知られるようになってきました。社会の意識の高まりもあり、プライバシー侵害、脅迫、事実無根の中傷、そして営業や業務妨害といった悪意ある情報を発信した人は特定されやすくなっています。

新聞やテレビなどのプロの記者は情報を発信することの責任を厳しく教えられます。証拠もなく誰かを犯人扱いしたり、面白おかしく書いた架空の話を発信したりしてはいけないと、たたき込まれます。

 そうした訓練を受けていない人は、「いいね」ほしさに実際以上にきれいに見せようとしたり、話を大げさにふくらませたりしがちです。それがときには誰かを傷つけたり、嘘の情報を広めたりすることにつながります。

また「今、ハワイに来ています」なんて書き込むと、留守だとわかって泥棒に入られることもあります。考えなしに情報を発信すると、自分にもはね返ってくるんです。

 自分が発信する時だけでなく、人のSNSに意見を書き込むときも、誰が見ているかわからないことを忘れないようにしたいですね。

相手に面と向かって言えないものは書いちゃダメ!

自分の家で、パソコンやスマホに書き込んでいるとピンとこないかもしれませんが、SNSの内容は世界中の人の目に触れます。

友だちの悪口をSNSに書くのは、世界中に飛行機を飛ばして、空から友だちの悪口をチラシでばらまいているようなもの。ひどい悪口(誹謗中傷)は罪に問われる可能性があります。

日本の警察には、ネットの誹謗中傷を探すチームがあります。常にネット上をパトロールし、悪質な誹謗中傷をチェックしています。そして、必要な場合はあっという間に書き込んだ本人を特定してしまいます。

 匿名だから何を書いてもいいや、というのは大間違い。軽い気持ちで無責任なこと、ひきょうなことをしていると、犯罪者の烙印をおされることになってしまいかねないのです。

 相手に面と向かって言えないことを書かないというのは、SNSを使う上でとても大切なルール。悪口を書き込んだりしないで、友だちとちゃんと話し合ってくださいね。

SNSで書いたことは誰でも読める。ずっとどこかに残る

ネットのトラブルは、あまり考えずにすぐに反応する“反射的”なふるまいから起きることも多いのです。面白そうだから誘われたサイトに行く、友だちの悪口に同調する──そういうことを反射的にする前に、少し立ち止まって考えましょう。

 ネットの世界はとてもスピードが速い。あなたがSNSに書いたことは誰でも読めるし、ずっとどこかに残ります。情報を集めるときだけでなく、SNSで反応するときや発信するときも、時間をかけて行動してくださいね。

 

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『池上彰のこれからの小学生に必要な教養』(主婦の友社)

小学生に知ってほしい「教養」を5つの分野(お金・政治・歴史・SDGs・ネット)に分けて紹介されています。見開きごとに素朴な疑問をピックアップ。イラストによるやさしい図解とともに、池上さんが解説してくれます。

教えてくれたのは

池上 彰さん|フリージャーナリスト
1950年長野生まれ。1973年にNHK入局。1994年から「週刊こどもニュース」のお父さん役を務め、お茶の間で人気に。2005年よりフリージャーナリストとして活動。児童書の監修も多く、著書は累計750万部を超えている

構成/tsurumaki イラスト/TOA(『池上彰のこれからの小学生に必要な教養』より)

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