目次
「ぎんなん」には中毒性がある?
お酒のおつまみとしても人気の「ぎんなん」。モチモチとした食感が美味しく、ついつい食べ出すと止まらなくなりますよね。
「ぎんなんは年の数以上食べるな」という言葉を聞いたことはありませんか? このおばあちゃんの知恵袋のような言い伝えも、実は間違いではありません。ぎんなんには中毒性があり、特に小さな子どもには注意が必要な食材です。
5歳以下の子どもに「ぎんなん」はNG
5歳以下の子どもには、基本的にぎんなんを食べさせるのはN Gです。ぎんなんを食べて食中毒を起こしたと報告されている多くが、5歳以下の子どもなのだそう。なぜ子どもが「ぎんなん中毒」を引き起こしやすのか? というと、実ははっきりとした原因はわかっていません。小さな子どもは解毒能力がまだ発達していないためなのではないかと推測されています。
そのことからも、ぎんなん中毒を引き起こすリスクの高い5歳以下の子どもに、ぎんなんを与えるのはやめたほうが良いでしょう。
5歳以上なら食べても大丈夫?
ぎんなんを食べるのは、5歳以上であっても、10歳以下であれば注意が必要だとされています。5歳以上であれば茶碗蒸しに入ってる1~2個のぎんなんなら大丈夫だとされていますが、個人差もあるため子どもに食べさせるときは注意してください。
大人も食べ過ぎ注意!
ぎんなんは、子どもだけでなく、大人も体調によっては中毒を引き起こすことも。大人がぎんなん中毒を引き起こすには、相当な数のぎんなんを食べないと起こらないとされていますが、食べ過ぎには注意しましょう。
食べても安全な範囲は、10歳以上であれば5個まで、成人は10個までだとされています。
「ぎんなん中毒」とは?
では、気になる「ぎんなん中毒」についてです。最悪の場合、死にも至るという「ぎんなん中毒」とはどんなものなのか、チェックしていきましょう。
「ぎんなん中毒」の症状は?
の症状を見ていきましょう。
・嘔吐
・痙攣
・呼吸困難
・下痢
・不整脈
・発熱
なぜ中毒を引き起こす?
ぎんなんの食用部分には、有毒物質「4-0メチルピリドキシン」が含まれています。これを摂取すると、ビタミンB6の働きを妨害するそのため、ビタミンB6欠乏症を引き起こし、中毒になるとされています。
また中毒症状が出るのは摂取後1~12時間だといわれていて個人差がありますが、6時間以内に発症することが多いようです。
「ぎんなん」の栄養や旬の時期は?
ここまでぎんなんの中毒性について説明してきましたが、ぎんなんには健康効果が期待できる栄養素も多く含まれています。また旬の時期についてもチェックしていきましょう。
「ぎんなん」の主な栄養素は?
ぎんなんに含まれている主な栄養素は、高い抗酸化作用を持つβ-カロテン、免疫力を高めるビタミンCやパントテン酸、そして高血圧を予防するカリウムなどです。
「ぎんなん」の旬はいつ?
ぎんなんは9月下旬から11月ごろに旬を迎えます。
「ぎんなん」はどうやって食べる?
ぎんなんは、スーパーなどでは殻付きで売られていることがほとんど。そのため、食べる前に加熱したり、殻や薄皮を取り除くことが必要です。薄皮は食べることができますが、取り除いたほうが見た目も食感も良くなります。
ぎんなんは電子レンジやフライパンなどで加熱して食べることが可能です。その方法を一緒に見ていきましょう。
電子レンジで加熱
【用意するもの】
・キッチンバサミ or ハンマー
・紙封筒
【下処理方法】
1、キッチンバサミのナッツなどを割る部分にぎんなんを挟み、殻にヒビを入れます。
2、紙封筒にぎんなんを入れ、封筒の口を2回以上折り返します。
3、500wの電子レンジで30秒ほど加熱(弾ける音がしたらOK)。
4、紙封筒からぎんなんを取り出し、殻と薄皮を取り除いて完成です。※熱いので注意!
電子レンジで加熱してあるため、そのまま塩などで味付けしてすぐに食べることができます。
フライパンで加熱
1、殻に割れ目を入れたぎんなんをフライパンに入れます。
2、中火で10分ほど、揺らしながら加熱します。
3、殻のヒビが広がってきたら、取り出して殻と薄皮を取り除きましょう。
香ばしいぎんなんを楽しみたい場合は、殻と薄皮を完全に剥いてから、フライパンで煎るのがおすすめです。
「ぎんなん」の保存方法は?
たくさん食べると危険なぎんなんは、余ってしまうことも少なくないでしょう。そんなときは、冷蔵保存または冷凍保存することができます。
殻付きの場合
殻付きのぎんなんは、キッチンペーパーに包んで、ビニール袋などに入れて冷蔵庫で保存できます。保存期間は2~3週間です。
冷凍保存は下処理をしてからがおすすめ
ぎんなんは冷凍保存も可能です。その場合は加熱して殻と薄皮を取り除いてから冷凍することで、調理にもそのまま使うことができて便利です。
下処理を済ませたぎんなんは、使いやすい量に分けてラップで包みます。それをフリーザーバッグに入れて冷凍庫で保存。保存期間は約1か月です。
「ぎんなん」を使ったおすすめレシピ
秋の味覚、ぎんなんを使ったおすすめレシピを紹介します。
ぎんなんのガーリック炒め
【材料】
・ぎんなん… 適量
・オリーブオイル… 適量
・ニンニク… 1片
・塩… 少々
【作り方】
1、ぎんなんは加熱して殻と薄皮を剥いておきます。
2、フライパンにオリーブオイル、ニンニクを入れ、ニンニクの香りが立ってきたら、ぎんなんを入れてサッと炒めます。
3、ぎんなんの表面がカリッとしたら、塩で味付けして完成です。
ぎんなんの卵とじ餡掛け
【材料】
・卵… 3個
・ぎんなん… 7~8個
・カニカマ… 2~3本
・しいたけ… 1~2本
・薄口醤油… 小さじ1/2
・塩… ひとつまみ
・サラダ油… 適量
<餡>
・だし汁… 200ml
・白だし… 小さじ2
・酒… 大さじ1
・片栗粉… 大さじ1/2
・水… 大さじ1
【作り方】
1、ぎんなんは下処理をしておきます。
2、卵は割ってよく混ぜ、カニカマはほぐし、しいたけは薄く切っておきます。
3、ボウルに溶き卵、カニカマ、しいたけ、ぎんなんを入れ混ぜ合わせます。
4、温めたフライパンにサラダ油を入れ、3を入れ炒めます。
5、卵がある程度固まったら、お皿に移します。
6、鍋にだし汁、白だし、酒を入れて加熱。沸騰したら水溶き片栗粉を入れとろみがついたら、5にかけて完成です。
子どもには注意が必要なぎんなん
ぎんなんは、中毒になる可能性が高い5歳以下の子どもには、食べささないようにしましょう。大人も食べ過ぎには注意して、秋の味覚でもあるぎんなんを楽しんでください。
こちらの記事もおすすめ
構成・文・写真(一部を除く)/松田慶子(京都メディアライン)