何歳までにどうなっていたい?育休中や復職後の焦りを解消する「夫婦のキャリアポートフォリオ」の描き方

前編では、キャリアポートフォリオの重要性や、夫婦のキャリアポートフォリオの主なタイプをご紹介しました。後編では、具体的に『夫婦でキャリアポートフォリオを描くコツ』をご紹介します。家庭の現状と将来性を見える化して、夫婦でベストな分配をしましょう。

キャリアポートフォリオの描き方

仕事に子育てに忙しいと思いますが、一度自分、そして夫婦で向き合う時間を確保し、キャリアデザインを描いてみましょう。フォーマットに特に決まりはないので、ご自身が把握できる形でOKです。

【ステップ1】自分の理想のキャリア年表と現在のキャリアポートフォリオを描く

何歳までにどうなっていたいか、書き出してみる。

まずは、ご自身のキャリアを描くことからスタートしましょう。現在の仕事を起点に、何歳までにどうなっていたいか等、理想とするキャリアの年表を作ります。

自分のキャリア年表ができたら、その横に子供やパートナーの年齢、希望するライフイベントなども書きます。

また現在の世帯の収入の割合を確認します。ご自身、パートナー、副業収入など、全体の配分を確認し、5年後、10年後はどうなっているか、どうなっていたいかシミュレーションします。

【ステップ2】家庭の状況を棚卸し、家事分担・ルール・サポート体制などの土台を確認

家事育児の分担、サポート体制の有無を確認。

次に、夫婦で生活を回していく上での家庭状況を確認します。家事育児の分担や、困ったときのサポート体制の有無など、現状を書き出しましょう。

キャリアポートフォリオに家庭の状況把握が必要な理由は、特に子育て中だと、子供に割く時間が増え、不測の事態も起こるので、家庭全体で見て仕事とのバランスのとり方を把握するためです。

子供の急な体調不良でどちらが仕事を抜けるかで揉めないためにも、夫婦で予め整理しておくと家庭のオペレーションがよりスムーズになります。

【ステップ3】夫婦でキャリアポートフォリオを描いてみる

年に一度、夫婦で内容をすり合わせで整理する。

最後に、ある程度自分の中で整理できたら、一度時間をとって夫婦ですり合わせをしてみます。年に一度でOKです。夫婦で、それぞれのキャリアの踏ん張り時はいつか、逆に家庭のサポートに回れる時はいつか等、配属の部署などにもよるので読めない部分もありますが、可能な範囲で整理しましょう。

また、それぞれどんなキャリアを歩めば収入アップが見込めるか考えてみるとよいかもしれません。社内で出世を目指すのか、転職して年収アップを狙うのか、副業を頑張るのか。どんなに出世したとしても、業界や会社によって上がり幅は変わってくるので、伸びしろを確認してもよいかもしれません。

極端な話ですが、夫婦どちらかが管理職になり残業代がつかなくなったとします。その場合は、残業代の出るパートナーが残業し、管理職になった側が保育園のお迎えに行った方が、世帯収入は増えるかもしれません。これは極端な例えなので、管理職でそもそも早く帰れるはずがない、また早く帰ることでキャリア的に詰むということもあり得ます。

また、複雑な話になってきますが、現在子供手当など所得制限がかかっています。残業が多いと、上限の所得を超えて逆に損をする世帯もあると思います。

キャリアの踏ん張り時、キャリアの伸びしろ、収入や助成金の兼ね合いなど、キャリアと収入を夫婦で見た時、どうするのが一番家庭がスムーズに回り今後の可能性を感じるか、夫婦で話し合ってみましょう。

副業も入れると、さらにオンリーワンなキャリアポートフォリオに

さらに、最近では副業をされている方も増えているかと思います。副業をされていたらぜひ副業もポートフォリオに組み込んでみてください。

副業をすることで、収入が増えるのはもちろんのこと本業とのシナジーが生まれたり、副業でキャリアのリスク分散が可能になります。会社員×自営業の夫婦のように、「攻め」と「守り」でバランスをとる方法もありますが、それをご自身のキャリア内で本業と副業でバランスをとるという方法もあります。子育て中だと本業でいっぱいいっぱいという方も多いと思いますが、興味があれば副業にもチャレンジして、ぜひオンリーワンなキャリアポートフォリオにしてみてください。

きっとワクワクして将来が楽しみになると思います。

育休中や復職後は、キャリアポートフォリオを描く絶好のタイミング

焦りや迷いが生じやすい育休中や復職後は、キャリアポートフォリオを描くタイミング。

今現在、マミートラックで悩んでいる方、育休中や復職後でキャリアに焦っている方こそ、一度夫婦でキャリアポートフォリオを描いてみることをおすすめします。特に子育て中は、両親などの手厚いサポートがない限りは、夫婦どちらかが子供に時間を割くようになります。

仮に、現在はご自身が子供に時間を多く割くサポート側に回ったとしても、夫婦で事前にキャリアポートフォリオを描いていれば、パートナーが今仕事に時間を割いた方が将来的にメリットがあると納得できるかもしれません。今“サポート側”でも数年後は、パートナーが“サポート側”になってご自身にキャリアの踏ん張り時が来るかもしれません。

長い目で見て、キャリアの踏ん張り時、サポートに回る時をそれぞれ役割固定ではなく、その時々で交代しながら、夫婦で一つのチームとして柔軟にキャリア形成してみてはいかがでしょうか。きっと焦りも迷いも減り、将来のキャリアが明るくなると思います。

前編はこちら

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記事を書いたのは…

相坂サオリ|キャリアコンサルタント

株式会社LASSIC代表取締役CEO。主に法人向けにマーケティングPR支援事業と個人向けにキャリアデザイン事業を展開し、自身も国家資格キャリアコンサルタントの資格を取得。大手広告代理店勤務を経て、33歳で起業。自身が不妊治療と仕事の両立で悩んだ経験やキャリア迷子を経て独立した経験から、ワーママや女性のキャリア支援に尽力。会社設立から3か月後、第一子出産。現在は3歳&0歳の娘の子育てと起業に奮闘中。

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※写真はイメージです

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