杉本彩さんが舞台から緊急メッセージ。命の大切さがわかる今だから子どもたちに言えること

女優・作家・社会活動家として華々しい活動を続ける杉本彩さん。多くの出来事と自身の人生に向き合ってきたからこそ、今の子どもたちをはじめ、どんな世代にも伝えたいことがあると語ります。2023年11月から年末に向けて22公演が予定されているミュージカル『クリスマス・キャロル』を通して、杉本さんが伝えたかったこととは。

ディケンズの名作『クリスマス・キャロル』がミュージカルに!

19世紀のイギリスで発表されて以来、世界中で読み継がれている、文豪ディケンズの不朽の名作『クリスマス・キャロル』。この作品が今年も華やかなミュージカルとして、日本全国を縦断します。

子どもはもちろん、どんな年代の方の心にも、それぞれの生きた軌跡と重なる感慨が生まれる、クリスマスの奇跡を描いた物語です。

『クリスマスキャロル」って、どんなお話?

クリスマス関係の書籍としては、最も売れているという本書の舞台は、19世紀ロンドンの下町。守銭奴でみなから嫌われている因業なお金持ちの老人、スクルージは、クリスマスイブもいつものように人に冷たく接し、孤独に過ごしていました。

そんな彼のもとに、7年前になくなったマーレイの幽霊がやってきます。スクルージと同じように守銭奴で因業だった彼の幽霊としての姿は、悲惨なものでした。マーレイは 「欲に取り憑かれた人間は死後の世界で悲惨な運命を辿るぞ」と言い、恐れおののくスクルージに、最後のチャンスとして、自分の行いを客観的に見るための時間旅行を提案します。

クリスマスの精霊達と共に、過去、現在、未来へと旅立ったスクルージは、時間旅行の中で過去のつらい体験や愛、自らの悲惨な未来などを見て苦悩します。そして、そんなスクルージに変化が訪れ、豊かな人生へと踏み出していくクリスマスの奇跡を描いた物語が『クリスマス・キャロル』。

時代が移ろうとも、そこに描かれている「人間が豊かに生きるにはどうすればいいか?」という問いと答えは今も変わりません。

英国文豪チャールズ・ディケンズによって書かれた『クリスマス・キャロル』。1843年の初版扉絵、Wikimedia Commons(PD)

杉本彩さんが7年ぶりにミュージカル出演

この『クリスマス・キャロル』のミュージカルのヒロインとして、7年ぶりに出演する杉本彩さんにお話を伺いました。杉本さんが演じるのは、松村雄基さんが演じる因業な守銭奴の老人、スクルージの人生に影響を与えた3人の女性(一人三役)。

「私、このクリスマス・キャロルという作品が本当に大好きなので、今回7年ぶりに出演させていただくことになり、とてもうれしいです。ミュージカルの華やかな舞台はエネルギーに満ち溢れ、違う世界にすっと連れて行ってくれます。
この作品は、普遍的なテーマ “人生を豊かに生きるにはどうしたらいいか”という問いがあり、それを見つけた人には、本当の意味で幸せな人生が訪れるということが感じられる物語。とても温かい気持ちになるし、人生を豊かにするための知恵が詰まった感動的なストーリーです」
(以下、カッコ内斜字は杉本彩さん)

イザベラ・イライザ・イボンヌの3人の女性を演じる杉本彩さん。1987年のデビュー以来変わらない華やかなスタイルで、女優・作家・ダンサーとして活躍。2014年以降は「公益社団法人 動物環境・副詞協会Eva」理事として、動物愛護の啓蒙にも取り組む。
イザベラ・イライザ・イボンヌの3人の女性を演じる杉本彩さん。1987年のデビュー以来変わらないスタイルで、女優・作家・ダンサーとして活躍。2014年以降は「公益社団法人 動物環境・副詞協会Eva」理事として、動物愛護の啓蒙にも取り組む。

長年、動物愛護活動に積極的にかかわり、公益財団法人 動物環境・福祉協会Evaの理事として,過酷な環境に置かれている多くの動物たちの命と向き合ってきた杉本彩さん。

「貴重な多くの命と向き合ってきたこともありますが、この齢になるまで様々な人生の問題とも向き合ってたことから、有限である人生について深く考えるようになりました。
人生を豊かにするには、例えば無償の愛や思いやり、そしてお金はもちろん大切だけど、それをどんな風に使うかがもっとも大事なことと実感しています。そういうすべてがこの作品にはあると思っています」

杉本さんは、現代の子どもたちを取り巻く環境はとても過酷だと思っていると語ります。

「私たちの子どものころはまだまだ希望や夢があった時代でしたが、今は希望や夢を持ちにくいし、どんどん抑圧された状況で成長していくのはすごく苦しいと思う。でも、そうじゃないんだと気づいて、お子さんたちは、夢を捨てずに、自分なりの希望を見つけてほしい。
そういう意味でも、クリスマス・キャロルをこの時代に見ることは、とても価値があると思っています。今の世の中って、スクルージだらけじゃないですか。人に思いやりがなく、お金を持っていたとしても、使い方が間違っているし、幸せではない。そんなスクルージがどんな変化をこの物語でとげるのかをぜひ見てほしいです。
そして、感じたことを、ぜひみなさんの人生に落とし込んで、幸せに生きることを考えほしい。どんな世代の方も、それぞれが歩んできた人生に照らし合わせて、楽しめる作品だと思っています」

共演者は主役スクルージが松村雄基さん(左)、幽霊マーレイ役が吉田要士さん(右)。ベテランキャストによるオリジナリティあふれる舞台は必見。

「11月19日から12月26日まで、全国19か所で22公演ありますので、移動もなかなかハードなんですが、私自身、この舞台を演じられる喜びが大きいし、エンターテイナーとして、この物語のすばらしさをみなさんに伝えていきたいと思います」

お子さんとご両親、あるいはそして祖父母、もちろんお友達同士でも、この冬、語り継がれてきたクリスマスの奇跡をあらためて体験してみてはいかが。

ミュージカル「クリスマス・キャロル」

出演:スクルージ/松村雄基 イザベラ・イライザ・イボンヌ/杉本彩 マーレイ/吉田要士 その他

スケジュール1119日秋田の能代市で幕を開け、東京、福井、広島、神戸、岡山、香川、愛知、岐阜、長野、福岡、鹿児島、京都、新潟、福島などをめぐり、1226日札幌にてフィナーレ

東京公演:きゅりあん大ホールにて、1120() 18:30開演(18:00開場)、1121() 14:00開演(13:30開場)

各地の日程、場所、チケットの件は、下記の公式サイトにて、ご確認ください。
https://musical-christmascarol.com/

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構成・文/HugKum編集部

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