山芋には栄養がある?
まずは、山芋にどんな栄成成分が含まれているのかを見ていきましょう。
山芋の栄養成分とは?
山芋には、以下のような栄養成分が含まれています。
・炭水化物
・タンパク質
・ビタミンB1
・ビタミンC
・カリウム
・食物繊維
・ジアスターゼ(アミラーゼ) など
その豊富な栄養価から、山芋は「山うなぎ」と呼ばれることもあります。
山芋が持つ健康へのメリット
山芋には、さまざまな健康効果が期待できます。
●滋養強壮効果
山芋は、古くから滋養強壮の食べ物として知られています。
●腸内環境を整える効果
山芋に含まれる食物繊維が、腸内でゲル状となり、善玉菌のエサとなって腸内環境を整えてくれます。腸内環境が整えば、便秘解消や、便秘による肌荒れを防ぐ効果も期待できます。
●血糖値の急上昇を抑える効果
血糖値の急上昇を抑える効果があるため、糖尿病や動脈硬化といった生活習慣病予防にもなります。
●胃もたれ防止
山芋のぬめり成分には、胃腸の粘膜を保護する効果があります。また、デンプンを分解する消化酵素のジアスターゼも豊富に含まれていることから、弱った胃腸を回復させ、胃もたれなども防ぐことができます。
山芋を食べ過ぎたときの体への影響
さまざまな健康への効果が期待できる山芋ですが、食べ過ぎると体に不調をきたすことがあります。どのような不調が出るのか、解説していきましょう。
山芋食べ過ぎの身体的サイン
山芋を食べ過ぎた際の身体的サインのひとつに腹痛があります。これは、一度にたくさんの量を食べてしまうと胃腸に負担がかかるためです。
身体的サインの二つ目は便秘です。前述した通り、山芋には食物繊維が豊富に含まれており、適量であれば便秘を解消してくれます。しかし食べ過ぎると、不溶性食物繊維を摂り過ぎてしまうことになります。この不溶性食物繊維を摂り過ぎると便が硬くなり、かえって便秘になることがあるのです。
人によりアレルギー反応の可能性
山芋は、食物アレルギーを発症する可能性のある食品の「特定原材料に準ずるもの」のひとつです。そのため、人によりアレルギー反応が出る場合があります。
アレルギーの場合は、口の中や周りがかゆくなる、じんましんが出る、下痢や嘔吐などの症状が出ることがあります。
適量を守って山芋を味わおう
山芋の適量と、食べるときの注意点を知っておきましょう。
山芋を食べるときの一日の推奨量
山芋の1日の適量の目安は、成人の場合100g程度といわれています。大きさにもよりますが、山芋1本の重量は250gですので、1/3本程度にすると問題ないでしょう。
山芋を食べるときの注意
山芋を食べることによって、アレルギーのような症状が出ることもあります。仮性アレルギーの場合は、調理するときに少し気をつけるだけで、多くの場合で防ぐことが可能です。以下のことに注意して調理しましょう。
・適量を守る
・アクを抜く(皮の下の部分にアクがあるので、厚めに皮をむく。酢水に10分程度浸す)
・加熱する
山芋を使ったかんたん&おいしいレシピ
ここでは、山芋を使ったかんたんでおいしいレシピを2品ご紹介します。ぜひ作ってみてくださいね。
さばと長いもの甘辛サクサク焼き
意外にも、魚と相性がよい長芋。さばのサクサク感と長いものしゃきしゃきとした歯ごたえが堪能できる料理です。
◆材料
(大人2人分+子ども2人分)
さば 3切れ
長いも 150g
【A】
しょうゆ 大さじ1と1/2
酒 大さじ1と1/2
みりん 大さじ1
しょうがのすりおろし 少々
にんにくのすりおろし 少々
片栗粉 適量
サラダ油 大さじ2
塩 少々
◆作り方
【1】さばは骨を除いてそぎ切りにし、【A】をもみ込んで10分以上おき、片栗粉をまぶす。長いもは皮をむいて8mm幅の半月切りにする。
【2】フライパンにサラダ油を熱して【1】を並べ、両面をこんがり焼き、長いもに塩をふる。
*お好みで万能ねぎを散らしても。
教えてくれたのは
山本ゆりさん
学生時代から料理ブログ「含み笑いのカフェごはん『syunkon』」をスタート。『syunkonカフェごはん』などの著書は計350万部の大ヒット中。二人の女の子の母。
『めばえ』2015年9月号
長いもとほうれん草のたらマヨ丼
焼いた長芋のサクッとした食感が楽しい一品。マヨネーズ風味で、お子さんが大好きな味です。
◆材料
(大人2人分+子ども2人分)
たらこ 2腹(100g)
長いも 1本(300g)
ほうれん草 1/2束
なめこ 1パック
サラダ油 大さじ1
塩 少々
マヨネーズ 大さじ1
ご飯 茶碗3杯
◆作り方
【1】長いもは皮をむき、ビニール袋に入れて麺棒などでたたいて細かくする。ほうれん草は3cm長さに切る。なめこはサッと洗う。たらこは薄皮を除いてほぐす。
【2】フライパンにサラダ油を中火で熱し、【1】の長いもを炒める。焼き色がついたら残りの【1】を加えて炒め、塩をふる。
【3】火を止めてマヨネーズを加えて混ぜ、余熱でなじませる。ご飯にかける。
教えてくれたのは
みないきぬこさん
女子栄養大学を卒業後、料理研究家のアシスタントを経て2007年独立。料理家、フードコーディネーターとして料理雑誌や広告、メニュー開発など、幅広い分野で活躍中。女の子のママでもある。
『ベビーブック』2014年2月号
▼上のレシピ2種はこちらの記事からセレクト
山芋の保存のコツ
山芋は、常温、冷蔵、冷凍の3つの方法で保存することができます。それぞれの保存方法を紹介します。
常温で保存する場合
山芋は、寒い時期であれば常温で保存することができます。丸ごと保存する場合、キッチンペーパーで包み、さらに新聞紙で包みます。そして、冷暗所において置きましょう。
また、おがくずを使って常温保存することもできます。ダンボール箱におがくずを入れ、山芋におがくずをかぶせればOK。こちらも冷暗所に置いておきましょう。
冷蔵で保存する場合
丸ごと冷蔵保存する場合も、キッチンペーパーで包み、さらに新聞紙で包んでから、冷蔵庫の野菜室で保存します。
カットしたものは全体をラップで包み、保存袋に入れて冷蔵庫の野菜室で保存します。
冷凍で保存する場合
山芋は、冷凍保存することも可能です。冷凍保存する場合は「皮付きのまま」「カットしたもの」「すりおろしたもの」の3つの状態で冷凍できます。
皮付きのまま冷凍する場合は、適当な大きさにカットし、1本ずつラップに包んで保存袋に入れ、冷凍庫で保存します。
カットしたものは冷凍用保存袋に入れ、少量のお酢を加えて保存しましょう。変色を抑えることができます。
すりおろしたものは、とろろ状の山芋にお酢を少々入れて混ぜておきます。その後、冷凍用保存袋に入れて平らにならし、しっかり空気を抜いてから口を閉じましょう。冷凍保存したすりおろし山芋を使うときには、冷蔵庫に移して解凍して使ってください。
おいしい!栄養価が高い!「山芋」だけど食べすぎには注意して
山芋には豊富な栄養成分が含まれており、体への健康効果も期待できます。しかし食べ過ぎると、腹痛や便秘、アレルギーのような症状が出ることもあります。山芋の1日の適量の目安は100gですから、量を守って食べるようにしましょう。
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文・構成/HugKum編集部