まるでパン?!石ころアート
まず、保育博の会場に入って、二度見したのがこのパンや目玉焼きそっくりな石ころアートの展示。「本当に石?」と見るだけでは信じられず、実際に手に取ってみると…、ずしっと重い石でした。保育にアートを提供する活動している「KUMA’S FACTORY」の「ミタテル」という石に色付けするアート遊びの一つです。ただの道の石ころも、公園の木の実も、視点を変えれば別のものに見えてくるという発想力を育む体験プログラムです。
石で、本物そっくりの食べ物を作るのは相当の画力が必要ですが、河原の石ころに色を塗り、並べてお花を作るのであれば誰でもできますよね。上手くできなかったら恥ずかしいと思わずに、誰でも楽しめる創作活動を通して、非認知能力を育てる環境を作りを保育園や教育施設に提供しているそうです。
松ぼっくりに色を塗ったフラワーアレンジメント。松ぼっくりは、水に浸すとカサが閉じるので、乾くとまるで本物のお花が咲いているよう。会場に展示されていたアート作品を鑑賞するだけで、おうちですぐにでもやってみたいアートのアイディアに出会えました。個人向けにもワークショップなどを開催しているので、ウェブサイトをチェックしてみてくださいね。
可愛い木のお弁当
思わず「かわいい!」と声を上げてしまったのが、「一場木工所」の「ICHIBA MOKKO」の木でできた「森のお弁当」です。木の肌触りや香りを詰め込んだお弁当は子どもだけでなく、大人ほっこりするおもちゃです。遊ぶだけではなく、木育や食育にもぴったり。環境負荷を抑えるため、木材は自然に乾燥させたものを使用しているこだわりです。食品衛生法に合格した国産塗料のみ使用しており、赤ちゃんの初めてのおもちゃとして、プレゼントとしても最適ですね。
東京都の木で作られたホットドッグ
「一場木工所」の代表は「木育普及委員」の代表をしており、木育にも力を入れています。木に触れる機会が少なくなった今、木育は、木材と森林に触れることを通して豊かな感性を育み、木材·森林との関わりを考え、自然保護活動にも興味を持てる人材を育てる大切な活動です。
「一場木工所」では、保育施設等において木のおもちゃを活用した木育パッケージの開発を進めています。また、東京西部の奥多摩には5万ヘクタールを超える森林があり、東京都の木育事業の一つとして、東京の木を使った木製のホットドッグを作るワークショップなども開催していますので、興味のある方はチェックしてみてくださいね。
木から学ぶ木育
保育博の会場でもひときわ楽しそうな空間を提供していたのがこちら「東京・森と市庭」。きこりになれる遠足や、木を切ったり、焚き火したり、森や木について学ぶことができるワークショップなどを保育園や教育機関に提供する活動をしています。
「東京・森と市庭」は東京の奥多摩に森を所有しています。東京で育ったスギ・ヒノキを活かした木育商品も展示されており、実際に手に触れて体験することができました。都民としても嬉しい体験です。
木工の過程できた端材の薪を利用した木琴、その名も「マキンバ 」です。木そのままの素朴な見た目ですが、叩くと温もりのある柔らかな音色が響き、音符が分からない幼児でも叩くだけで楽しめる楽器です。薪にしてしまうと燃やされて処分という形になりますが、「マキンバ 」であれば、楽器として再利用できます。
その他、カンナくずを使った木のプールなど、木を全て使い切るエコな取り組みに力を入れているそうです。保育園などの教育機関への提供がメインですが、個人を対象としたワークショップも開催しているそう。
家も作れる木のブロック
保育博の会場でもかなり目立っていたのが、こちら木製のブロックの「ズレンガ」。大きなサイズは家具や家も作れてしまう、実用性も備えたおもちゃです。今年の「日本おもちゃ大賞2023 エデュケーショナル・トイ部門 優秀賞」の商品でもあります。国産スギやヒノキの原木から削り出した天然素材で、無塗装、無添加で小さなお子さんも安心して使うことができます。
小さいサイズはプレゼントにもオススメ
全ての面が連結可能となり、直感的に組立てることができます。特に、大きな建造物を作るには他者との協力が必須となり、建築に必要な数学的な思考に加え、コミュニケーション能力の向上にも役立ちます。大きなピースは保育園や教育機関で知育玩具として使われているそうですが、個人での購入も可能です。
自宅で大きなサイズは難しいという方にも、小さめの通常のブロックサイズの「ズレンガmini」もあるので、クリスマスのプレゼントなどにオススメです。
石や木など、自然の素材を活かしたおもちゃが充実していた今回の保育博。大人も子どももワクワクする楽しいアイテムにたくさん出会い、改めて自然素材の魅力を再確認する機会となりました。子育ての中で、自然派アート教育や木育は気軽に取り入れられるものです。ぜひ親子で楽しんでみてくださいね。
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文・写真/Rina Ota