膣委縮って何?植物療法士の森田敦子さんに聞く、老後を見据えて始めたい膣周りのケアや脱毛、更年期向けのハーブまで

森田敦子さん

この連載は、ママが抱える健康課題を解決するモノやサービスを美容ライター目線でご紹介します。今回は、植物療法士の森田敦子先生に取材。年齢や生活習慣によって起こる膣周りのトラブルについて、今始められるケアについてお聞きしました。

幼少期から老年期まで、女性の不調を少しのケアでラクに

植物療法士、フェムティストとして知られる森田敦子さん。「フェムテック」という言葉が浸透していない頃から、デリケートゾーンケア&パーツケアブランド「INTIME(アンティーム)」を立ち上げるなど、女性の健康促進や性科学に関する分野で、第一人者として活躍されています。

森田さんの最新刊である『私のからだの物語』(ワニブックス)では、幼少期から老年期までの間に訪れる、女性のからだの変化とその向き合い方について綴られており、女性としては気になることだらけ! 今回は、その中から膣周りのケアや更年期への対処法などについて、お聞きしました。

若くても起こりうる膣の萎縮

―書籍の中で「膣委縮」という言葉を知りました。これはどんな症状で、何歳頃から起こるものなのでしょうか。

森田敦子さん
「からだのしくみを知ることが大切」と語る森田さん。

森田さん:萎縮の多くは女性ホルモンのバランスが崩れやすい更年期世代に目立ちますが、一概に何歳からとは言えず、若くても始まることがあります。萎縮は「膣から粘液が出ないこと」と関係しており、ストレスを抱えて免疫力が落ちたり、からだが冷えていたり、ダイエットで栄養が足りていない場合も粘液が出づらくなります。

―対策する方法はありますか?

森田さん:始めやすいのは、オイルを使ったマッサージなど、膣周りをやわらかくケアすること。そして、パートナーとの性生活を持つのも大切なことです。女性は出産後、ホルモンの関係で性的なことが嫌になることがありますよね。ただでさえ育児が大変で、産後鬱になってしまう人も。しかし、それが3カ月、1年・・・と続くと、若くても萎縮が始まってきます。パートナーシップがない方は、セクシャルセルフケアで快感を得て、粘液が出る状態にしておくことも大切なんですよ。

日本ではタブー視されてきた性の話

―そうなのですね。でも、日本では性の話題や膣周りのケアなどに、抵抗のある方も多いように感じます。

 森田さん:そうですね。私はフランスで植物療法や性科学について学び、26年前に日本に戻ってきましたが、当時は性科学や膣なんて話したら大変! 10年前に膣ケア用の商品をつくったときは、「こんなものを売るなんて」と批判を受けたことも。しかし、女性からは一定数の支持をいただいていて、人知れず困っている女性がいるということは感じていました。

日本では、性の話は「下ネタ」とか「はしたない」などと言われタブー視される傾向があります。しかし、女性のからだは生理や出産、閉経など、変化に応じて不調が生じることもあり、適切なケアを知ってさえいれば快適に過ごすことができるのです。

今、フェムテックがブームのようになっていますが、不安をあおるのではなく「諸問題があってもケアをしてあげると少しラクになるよ」ということを伝えていきたいと思っています。

老後におむつをはくことが多い日本。脱毛をするという選択も

―先生は広島の介護現場にも出向いていらっしゃいますが、そこでも膣周りのケアに関して思うことがあるそうですね。

 森田さん:日本は海外と比べ、高齢になるとおむつをはく割合が高いように思います。

男性は平均9年、女性は12年寝込んで亡くなると言われていますが、おむつの中に排便をし、替えてもらうまでベッドで寝る生活を想像したことはありますか?

おむつの中では、便が毛にこびりついてしまい、ちょっと拭いただけではキレイになりません。保湿しないでいることで、膣まわりがただれ、悲惨な状態になっている方をたくさん見てきました。そして、恥ずかしさや不快な状況から自尊心を保つのが難しくなり、自己防衛本能から認知症を進行させていくと言われています。

森田敦子さん
13年前から、植物療法士として、月に1度広島の介護施設へ通っているそう

介護施設での経験から言えることは、デリケートゾーンの毛はなくしておく方が、介護する側、される側にとっての負担が減ると感じています。日本は温泉の文化もありますので、恥ずかしい方は見える部分の毛は残し、IOラインと呼ばれる部分(膣周りと肛門の周り)を処理するだけでもだいぶ違います。

今から膣まわりのケアを習慣にし、潤いと弾力のある膣まわりを維持すること、膣周りをトレーニングすることでおむつに頼らない将来へのきっかけになるのではと思っています。

更年期症状を、植物の力で穏やかに

植物療法士である森田さん。日頃からハーブを取り入れており、ご自身は更年期症状が出ていないそう。具体的にどんなことを実践しているのか、お聞きしました。

更年期症状には、「チェストベリー」と「メリッサ」

―書籍の中で、森田さんは、更年期症状がないと書かれていましたが、どんなケアをしているのでしょうか。
森田さん:私の専門である植物療法(フィトテラピー)では、ハーブや薬草、漢方など、植物の力で、不調に備えます。
更年期に向けて、意識して摂っていたのは「チェストベリー」と「メリッサ」のハーブ。これらは、女性ホルモンに似た働きをしてくれるため、月経痛や、PMS(月経前症候群)症状の緩和にも役立ちます。更年期が近づくと女性ホルモンが減ってきますが、似た働きをするハーブを摂ることで、穏やかにからだを慣らしていくのです。40代半ばくらいから、「生理周期が早くなってきたな」「なんだか以前と違ってきたな」、というときに取り入れると良いですよ。

ハーブの写真
森田さんの事務所の棚には、たくさんのハーブが並んでいます

落ち込みには「柚子」、睡眠のお悩みなら「バレリアン」

気持ちが落ち込むときは、お風呂に「柚子」のエッセンシャルオイルを入れてみてください。柚子に含まれるリモネンという成分にはリラックス効果や血行を良くする効果があり、からだが温まりますよ。
寝つけないなど、睡眠に悩みがあれば、「バレリアン」というハーブ。濃縮されたハーブチンキが市販されていますので、水に溶かして飲むと手軽です。飲んだ後はスマホなどを見ずに寝てくださいね。しっかり寝られたら、朝起きたときから「ヨシ!」とやる気が湧いてくるものです。

免疫力アップのハーブは子どもと一緒に取り入れて

森田敦子さん
「体調が良ければ、仕事が忙しくてもスキップをしてしまいますよ」と笑う森田さん

免疫力が気になる方には、「エキナセア」のハーブがおすすめ。フランスやドイツでは当たり前のように売られていて、最近は日本のドラッグストアでも見かけるようになりました。錠剤タイプのものや、ハーブチンキなどがあり、我が家では息子も一緒に飲んでいました。そのおかげか、息子は4歳~13歳まで、1日も休みなく園や学校へ通うことができました。子ども自身もちゃんとわかっていて「ママ、今日はインフルエンザで学校が休校だからエキナセアだね」と自分で飲んでいましたね。

寒い季節は、「生姜」でからだを温めるのも効果的です。乾燥の生姜と生の生姜では成分が違いますので、両方を摂りたいところ。生姜を買ってきたら、半分は天日干し、半分はすりおろして、混ぜたものにちょっと甘みをつけ、お湯を注げば生姜湯になります。
こんな風に、更年期や風邪に怯えるよりも、起こる前にケアをしておけばラクに過ごすことができます

実は怖い男性の更年期。パパのためにできることは?

―男性にも更年期があると聞きますが、対策法はありますか?

森田さん:男性の更年期は、男性ホルモンであるテストステロンの分泌量が少なくなることで起こります。うつっぽくなる人もいるので、注意してあげたいですね。
ハーブなら「ギンコビロバ(ギンコ)」「シベリアンジンセン」が良いでしょう。特に「ギンコビロバ」は、EDや認知症予防にも良いと言われていて、薬局などでサプリメント売られています。
男性は、家族に不調を言い出せない人も多いですよね。気分が落ち込んでいる様子のときは、散歩に誘ってみたり、疲れているなら、精油のブレンドをつくってマッサージしてあげたりと、声をかけながら一緒にケアをしてみてください。

試しやすいことからチャレンジしてみて

膣ケアから、諸症状に効くハーブなど、様々なお話をご紹介しました。「フェムテック」という言葉が聞かれるようになったものの、いったい何から行えば良いのか分からない方も多いのではないでしょうか。森田さんのお話を聞き、「不調に備えて準備する」と考えたらとてもシンプル。自分が抵抗なく行えることからチャレンジしてみると、からだの悩みが少しずつ上向いていくのではと思いました。

森田敦子さんが優しく語り掛けてくれるような『私のからだの物語』も、是非手にとってみてくださいね。

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お話を聞いたのは…

森田敦子さん
森田敦子|植物療法士・フェムティスト
日本における植物療法と性科学の第一人者。サンルイ・インターナッショナル代表。フィトテラピーが日本に根付く20年以上も前に、パリ13医薬学部で植物療法を学び、日本で植物療法の普及に努める。人生100年時代の健康を見据え、産前産後や介護の現場で女性の健康をトータルにサポートする可能性を追求している。植物のチカラを通して、健やかなライフスタイルを提案するラジオ「森田敦子のLove your life」をFM AICHI ,Podcast ,Spotify ,Audee で配信中。主な著書に『潤うからだ』(ワニブックス)、『感じるところ』(幻冬舎)などがある。
取材・文/寒河江尚子 撮影/五十嵐美弥

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