「博多どんたく」はいつ開催?「博多三大祭り」の歴史や楽しみ方を知ろう【HugKumお祭りガイド】

博多三大祭りのひとつに数えられる「博多どんたく」は、毎年多くの人でにぎわう有名な祭りです。祭りの内容や開催の様子に、興味を持つ人もいるでしょう。博多どんたくの主な見どころや歴史、他の博多三大祭りの概要を紹介します。

博多どんたくって?

「博多どんたく」とは、どのような祭りなのでしょうか。スケジュールや開催地などの概要と、主な見どころをチェックしましょう。

毎年開催される福岡市民の祭り

博多どんたくとは、毎年5月3~4日に開催される『福岡市民の祭り「博多どんたく港まつり」』のことです。ゴールデンウィーク期間中に開催される大きな祭りとして、広く知られています。

のべ約650もの団体と約3万3,000人の出場者に加え、国内外から約200万人以上の見物客が訪れる、一大イベントです。博多の市街地を中心とした福岡市内各所で開催され、街中が盛り上がります。

2018年の花自動車(画像提供:PR TIMES)

2024年も、例年通りに開催が予定されています。出かける際は、公式サイトで最新情報を確認しましょう。

博多どんたく港まつり

伝統芸能の博多松囃子

祭りの見どころの一つが、国の重要無形民俗文化財に指定された「博多松囃子(はかたまつばやし)」です。通例では、5月3~4日の9~17時に行われます。

馬に乗った福神(ふくじん)・恵比須(えびす)・大黒(だいこく)の3神が、それぞれ行列の中心となり、家々を祝福して回ります。

幸福・富貴・長寿にちなんだ長い頭をかぶった福神や、金絹の頭巾をかぶった大黒など、それぞれの装飾品が見どころで、夫婦そろった恵比寿も特徴です。

また、囃子や地謡(じうたい)に合わせた稚児(ちご)舞も、所定の場所で見られます。

博多松囃子

にぎやかなどんたく隊パレード

どんたく隊による各種パレードは、楽しみにしている人も多いイベントです。コスプレをした団体やダンスチーム、マーチングパレード隊など、さまざまな団体が登場するほか、電飾や花などで華やかに装飾された花自動車も見られます。

2023年の花自動車3号車「頂点を目指してはばたけ!ホークス&アビスパ」(画像提供:PR TIMES)

どんたく隊パレードには、しゃもじを手に持ったり打ち鳴らしたりしながら参加する人が少なくありません。昔、夕食の支度中だった商家の女性が、聞こえてきたどんたく隊の音楽に浮かれ、手に持っていたしゃもじを叩いて参加したことが始まりといわれています。

なお、参加団体が募集している場合は、一般の人もパレードに参加できます。興味のある人はチェックしてみましょう。

博多どんたくの歴史

博多どんたくがどのように始まり、広まっていったのかを紹介します。歴史を知ることで理解が深まり、より興味が湧くでしょう。

1179年に始まった「松囃子」が起源

江戸時代に福岡藩の学者「貝原益軒(かいばらえきけん)」が編さんした『筑前国続風土記(ちくぜんのくにぞくふどき)』によると、博多どんたくは1179(治承3)年に始まった「松囃子」が起源とされています。

1872(明治5)年、明治新政府から来た県知事によって中止させられますが、1879(明治12)年には再開され、「博多どんたく」と呼ばれるようになりました。

どんたくは、休日という意味のオランダ語「zondag(ゾンターク)」が語源です。半日休みという意味の「半ドン」の語源でもあります。

戦後に復活した「博多どんたく」

第二次世界大戦の影響で中断されていた博多どんたくは、戦後間もない1946(昭和21)年5月に復活します。このときは三味線や太鼓などを借り集め、松囃子の衣装や馬は紙で作って、町を練り歩きました。

まだがれきが散らばる町に響いたおはやしの音色は、人々に復興への勇気を与えたといいます。翌年には福岡市や商工会議所、市民有志などによって、戦後初の博多どんたくが開催されました。

現在の名称『福岡市民の祭り「博多どんたく港まつり」』となったのは、1962(昭和37)年です。

博多どんたくの「赤獅子」(写真提供:福岡県観光連盟)

博多どんたく以外の博多三大祭り

博多どんたく以外の博多三大祭り「放生会(ほうじょうや)」と「博多祇園山笠(はかたぎおんやまがさ)」にも、毎年多くの人が足を運んでいます。それぞれの概要を見ていきましょう。

筥崎宮の「放生会」

「放生会」は、毎年9月12~18日の7日間にわたり、筥崎宮(はこざきぐう)で開催されます。放生会は一般的に「ほうじょうえ」と読みますが、この祭りに関しては「ほうじょうや」と読みます。奈良時代から行われており、1000年以上の歴史がある祭りです。

放生会の筥崎宮・楼門前の様子

仏教の教えに基づき殺生を戒め、全ての生き物を慈しむ祭りで、現在は秋の収穫に感謝する意味もあります。期間中には約500軒の露店が並び、約100万人が訪れています。

「社日餅(やきもち)」と呼ばれる筥崎宮の名物を、お土産に買って帰るのもおすすめです。

出典:放生会|福岡の神社 筥崎宮【公式】

博多祇園山笠

「博多祇園山笠」は、毎年7月1~15日に櫛田(くしだ)神社で行われている祭りです。700年余りの長い歴史を持ち、国の無形民俗文化財に指定されているほか、ユネスコ無形文化遺産に「山・鉾・屋台行事」として登録されています。

博多祇園の山笠

全国各地で行われる祇園祭の一つで、流区域をはらい清める「注連(しめ)下ろし」から始まり、さまざまな神事が執り行われます。自治組織ごとに山笠を担いで周る「流舁き(ながれがき)」や、博多どんたくのパレードも通る、明治通りでの「集団山笠見せ」などが見どころです。

出典:博多祇園山笠

老若男女が街を練り歩く、博多どんたく

博多どんたくは、ゴールデンウィーク期間中に開催され、年齢・性別問わず楽しめる大規模な祭りです。伝統芸能の博多松囃子や、個性豊かなどんたく隊のパレードが見どころです。

しゃもじを持つ理由や、どんたくの語源などを教えてあげれば、子どもも興味を持つかもしれません。家族みんなで訪れてみると、よい思い出になるでしょう。

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構成・文/HugKum編集部

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