カーボヴェルデってどんな国?
アフリカ大陸西部の大西洋に浮かぶ島国「カーボヴェルデ」。ここはどんな国なのか、特徴や観光スポットなどをこれから説明していきます。
カーボヴェルデ基本情報
まずはカーボヴェルデの正式な国名や首都、場所などといった基本情報を見ていきましょう。
国名
正式な国名は「カーボヴェルデ共和国」といいます。
首都
首都は、プライアです。
場所
カーボヴェルデは、アフリカ大陸西部の大西洋に浮かぶ島国です。セネガルのヴェルデ岬の西方400km近く離れた場所にあります。
日本との時差
日本とカーボヴェルデとの時差は10時間で、日本のほうが10時間進んでいます。たとえば日本が午前10時だとすると、カーボヴェルデは午前0時となります
面積
カーボヴェルデの面積は、4,033平方キロメートルです。これは、日本の滋賀県くらいの大きさとなります。
エリア
カーボヴェルデには10の島があり、大きく「バルラヴェント諸島」と「ソタヴェント諸島」の2つに分かれています。
バルラヴェント諸島には、
・サント・アンタン島
・サン・ヴィセンテ島
・サンタ・ルシア島(無人島)
・ブランコ島(無人島)
・ラソ島(無人島)
・サン・ニコラウ島
・サル島
・ボア・ヴィスタ島
があります。ソタヴェント諸島には、
・サンティアゴ島
・マイオ島
・フォゴ島
・ブラヴァ島
・ロンボ島(無人島)
があります。
人口
カーボヴェルデの人口は56.2万人(2021年、世銀)です。これは、鳥取県の人口とほぼ同じです。
言語・公用語
カーボヴェルデの公用語は、ポルトガル語です。そのほかクレオール語も使われています。
通貨
カーボヴェルデの通貨単位はカーボヴェルデ・エスクードです。日本円にすると、1カーボヴェルデ・エスクードは1.48円です(2024年3月3日現在)。
宗教
カーボヴェルデの人々が信仰する宗教は、キリスト教(カトリック)です。
歴史
15世紀頃にポルトガル船が来航します。当時、カーボヴェルデは無人島でした。発見した人とその時期については、諸説あるとされています。
1963年にはポルトガルの海外州となりますが、1975年7月にポルトガルより独立し、カーボヴェルデという国が誕生しました。
天気・気候
カーボヴェルデは平均気温が22℃〜27℃前後で、比較的温暖な気候です。年間を通じて強い海洋風と北東の貿易風が吹き、乾燥していて降水量も少ないのが特徴といえます。日本には四季がありますが、カーボヴェルデは気温差がほとんどなく、温暖で降水量も少なく、初夏のような陽気が年中続きます。
カーボヴェルデの治安・住みやすさ
カーボヴェルデの治安や住みやすさを解説していきましょう。
治安はおおむね安定している
カーボヴェルデの治安はおむね安定しています。ただしスリ、ひったくり、強盗といった犯罪が増えているため注意が必要です。
住みやすさはよい
都市部では上下水道が備わり、携帯電話及びインターネット環境も整っていて、社会基盤は比較的安定しています。また治安もおおむね安定しているため、住みやすいといえるでしょう。
カーボヴェルデの見どころ・観光
カーボヴェルデの世界遺産や観光名所などをご紹介しましょう。
リベイラ・グランデの歴史地区シダーデ・ヴェーリャ
「リベイラ・グランデの歴史地区シダーデ・ヴェーリャ」は、カーボヴェルデ唯一の世界遺産です。
サンティアゴ島にある都市、シダーデ・ヴェーリャは、「古い都市」という意味があります。ここはカーボヴェルデ最古の居住地で、かつては首都でした。また1462年にポルトガル人が初めて上陸し、熱帯地域ではじめてヨーロッパの植民地となり、16世紀にはアフリカ中西部における奴隷貿易の中心地として栄えた都市です。
世界遺産として評価されているのは、熱帯地域に初めて建設されたヨーロッパ入植地の姿を伝えることに加え、奴隷貿易の重要な拠点であり、複数の大陸の歴史に重要な役割を果たしたことです。
ここではリベイラ・グランデにおける奴隷制を伝える「さらし台」や、1590年に建造された「レアル・デ・サン・フェリペ要塞」を見ることができます。
レアル・デ・サン・フェリペ要塞
「レアル・デ・サン・フェリペ要塞」は、リベイラ・グランデの歴史地区シダーデ・ヴェーリャにある要塞です。
要塞は海抜標高120 mの崖の上にあり、海賊を攻撃したり、ランスやイギリスの進軍からポルトガル人を守ったりする目的で1590年に建設されました。
レアル・デ・サン・フェリペ要塞は、見晴らしの良い場所にあります。歴史的な視点で見ることはもちろんのこと、大西洋や壮大な山々を一望できる大パノラマの景色を堪能することもできます。
ピコ・ダ・アントーニア
「ピコ・ダ・アントーニア」は、サンティアゴ島の中央部にある標高約1394mの山です。隆起した土地がさまざまな形を織りなしており、山の上にそびえる奇岩が特徴となっています。
ヨーロッパ人の登山スポットとして有名ですが、多くの人はドライブしながら山を眺めたり、道路に車を停めて写真撮影をしたりして壮大な景色と奇岩の珍しさを楽しむようです。
カーボヴェルデの特徴・有名なもの
観光スポット以外の、カーボヴェルデで特徴的なものや有名なものを紹介していきましょう。
国名と国旗の意味
「カーボヴェルデ」という国名の由来は、アフリカ大陸の最西端に位置する 「ベルデ岬(ポルトガル語 Cabo Verde で緑の岬)」から名付けられたといわれています。
1992年に制定された現在の国旗には青、白、赤の3色が使われており、青は海と空を、白は国民の平和を、赤は労働に対する情熱を表しているのだそうです。10個の星は、カーボヴェルデの主要な島を表現しています。
グラミー賞歌手、セザリア・エヴォラ
カーボヴェルデを代表する歌手がセザリア・エヴォラです。彼女は故郷を離れ、欧米で暮らす移民や出稼ぎ労働者の望郷の念をモルナ(カーボヴェルデの音楽のジャンル)にのせて歌いました。
2003年に発表したアルバム「Vozd’amor」(ポルトガル語で「愛の声」)では、グラミー賞を受賞。世界中に彼女の歌声が届けられると、出身国であるカーボヴェルデも世界に知られることになり、一躍有名になりました。
現在ではカーボヴェルデの2000エスクード札に、彼女の肖像が描かれています。
カーボヴェルデを代表する料理
カーボヴェルデの国民食に「カチューパ」があります。これはとうもろこしや豆、野菜、豚肉などを煮込んだ料理です。このカチューパには、目玉焼きとソーセージを添えて食べるのが一般的とされています。
カーボヴェルデは島国あることから、新鮮な海産物も豊富です。まぐろやロブスター、タコなどもよく食べられています。
サッカーとバスケットボールが人気
カーボヴェルデの人気スポーツは、サッカーとバスケットボールです。
とくにバスケットボールは、ワールドカップでの躍進によって人気が高まっています。FIBAワールドカップ2023では、男子日本代表がカーボヴェルデと対戦しました。
魅力いっぱいのカーボヴェルデ
カーボヴェルデは、アフリカ大陸の西部、大西洋上に浮かぶ魅力あふれる島国です。その歴史や文化、自然の美しさが調和するこの地は、訪れる人々に忘れがたい印象を残します。
ここには世界遺産や、美しい海、山など、魅力的なスポットや見どころがたくさんあります。とても遠い国ですが、北大西洋の島々を国土とする異国に思いを馳せて、世界の広さを感じてみましょう。
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文・構成/HugKum編集部