成長に伴ってできることが増えてくると、「この子にいろんなことを経験させてあげたい」と考えるようになりますよね。そんなとき、気になってくるのが「習い事」。これからわが子の初めての習い事を選ぶママ・パパたちへ、大切にしたいポイントをご紹介します。
「親子で楽しむ」ことからまず始めよう
幼児期における習い事は、子どもが「楽しい、おもしろい」と思えることに出合うための「下地作り」と考えるといいでしょう。そのためにも、お子さんが好きなことや親が望むものを何でも体験してみるのはとてもいいことです。
このときに大切なのは、まず親自身がそれを楽しむ姿を見せること。ママ・パパが楽しそうにやっているのを見ると、お子さんも「やってみたい!」と自分から楽しむようになります。
それでも、楽しそうじゃない、合わないかもと感じるなら、やめてもいいでしょう。叱ったり、嫌がるのに無理をさせたりする必要はありません。幼児期は、「楽しい」という体験が大切なのです。
目先だけを見ないで、20年後に目を向けて
どんな習い事をさせるかと考える際に心に留めておいてほしいのは、20年後、どんな人になってほしいかという姿を思い描くこと。これからの時代にどんな人が求められるのか、視野を広げて考えてみましょう。その上で、その能力を身につけられる習い事は何だろうと考えるといいでしょう。
習い事は、長く続けることで上達し、自分のものになっていきます。幼児期だけでなく就学後も通うことを見据えて、何歳まで親が送り迎えするか、一人で通える場所にあるかや、今後どの程度費用がかかるかなどを、教室を選ぶ際に検討しておくようにしましょう。
習い事アンケート
1歳から3歳までのママ・パパ1,000人に聞きました。お子さんに何か習い事をさせていますか?
1、2、3歳すべての年代で8割以上の人がまだ習い事をさせていないという結果に!
※2017年3月実施、3~18歳の子どもを持つ母親16,170名対象
※複数回答 ※子どもが複数名の場合、第一子について回答
どうして選んだ?やってみてどう?人気の習い事6選
幼児期の習い事の中で特に人気が高いのは、こちらの6種類。実際に習わせている先輩ママたちの体験談を交えてご紹介します。
【スイミング】
ベビーから始められる人気No.1の習い事
【どんなことをするの?】
いきなり泳法を学ぶのではなく、まずは水に慣れることから始めます。水の中で動くことに慣れてきたら、けのびや呼吸など泳ぎ方を学んでいきます。
【どうして始めたの?】
「ぜんそくを持っていたので心肺機能を鍛えられたらと思い、始めました」(4歳・男の子)
「『水に入ると、陸上と違う子どもの様子を見られる』とすすめられ、ベビースイミングを始めました」(1歳・女の子)
【やってみてどう?】
「体が強くなった! 風邪をひきにくくなりました」 (5歳・男の子)
「水が苦手でずっと号泣。先生のおかげで少しずつ慣れてきました」(4歳・女の子)
【サッカー】
コミュニケーション力も養えるチームスポーツの定番
【どんなことをするの?】
幼児期のサッカー教室はたくさん走り回りながら複数のサッカーボールを使って自由にボールを追いかけるなど、ボールの扱いに慣れることから始めます。
【どうして始めたの?】
「球技の中で一番低年齢から始められるのがサッカーだったので」(4歳・男の子)
「チームスポーツなので、力を合わせて協力し合うことでコミュニケーション力を養ってほしかったので」(5歳・男の子)
【やってみてどう?】
「いつも体力が有り余っているので、たくさん走り回れて楽しそうです」 (4歳・女の子)
「初めはゲームでボールを独り占めしていましたが、続けているうちにだんだんパスを回せるようになってきました」 (6歳・男の子)
【体操教室】
自信につながるスポーツの基本
【どんなことをするの?】
マットや鉄棒、跳び箱、なわとび、平均台、ボール運動など、スポーツの基本を学びます。英語で体操を教える一石二鳥の教室もあります。
【どうして始めたの?】
「体を動かすのが大好きなので、伸ばしてあげたいと思って」 (3歳・女の子)
「運動があまり好きではないので、入学までに苦手を克服できればと」 (5歳・男の子)
【やってみてどう?】
「逆上がりや側転ができ、『体育が得意』と自信を持てるように」 (6歳・女の子)
「あいさつや順番を重視する教室なのですが、なかなか守れずいつもハラハラしています」 (5歳・男の子)
【音楽教室】
幼いころから音楽やリズムに親しめる
【どんなことをするの?】
ドレミで歌を歌ったり、リトミックなど演奏に合わせて楽器で音を鳴らしたりしながら、「聴く・歌う・弾く・楽譜を読む」という力を身につけていきます。
【どうして始めたの?】
「ピアノを始める前に音楽に親しんでほしいと思ったので」 (3歳・女の子)
「音楽に合わせて体を動かすのが好きなので、伸ばしてあげたいと思って」 (4歳・男の子)
【やってみてどう?】
「グループレッスンなので、お友だちと一緒に奏でるのが楽しいようです」 (4歳・女の子)
「音楽教室は楽しんでいましたが、5歳からピアノ教室になったら練習を嫌がるように……」 (6歳・女の子)
【幼児教室】
さまざまなタイプの教室があるので相性を見極めて
【どんなことをするの?】
学びや遊びなどさまざまな活動に取り組みながら、集団生活でルールを守って楽しく過ごすための力を育てます。
【どうして始めたの?】
「人見知りが激しいので、集団生活に慣れてほしかったため」 (3歳・女の子)
「ひとつの教室で読み書きや数字、お絵かきなどさまざまな活動ができるのがいい」 (4歳・男の子)
【やってみてどう?】
「初めは全然座っていられず歩き回っていましたが、周りの子を見ながら座って集中できるようになりました」 (4歳・男の子)
「引っ込み思案でいつももじもじ。自己紹介や発表がまだ苦手なようです」 (4歳・女の子)
【どんなことをするの?】
独自の知育玩具や教材などを使い、幼少期ならではのアプローチで子どもが持つ潜在的な能力を伸ばしていきます。
【どうして始めたの?】
「『IQを上げる』というコンセプトが具体的だったので惹かれました」 (4歳・女の子)
「教材が科学的に考えられているから」 (5歳・女の子)
【やってみてどう?】
「園が大人数なので、少人数クラスで先生に注目してもらえるのがうれしいようです」 (5歳・女の子)
「創造力を鍛えてほしくてアート系の教室に通わせましたが、全然興味がなかったようで1時間半何もしなかったと聞き、泣く泣く退会しました」 (6歳・男の子)
【英語】
習い事の新定番焦らず楽しめるレッスンを
【どんなことをするの?】
英語の歌やダンスを楽しんだり、イラストカードを使って身近な英単語を覚えたり、英語の絵本やゲームで遊ぶなど、英語に親しむことから始めます。
【どうして始めたの?】
「英語を習得するには幼少期から始めることが大切だと聞いたので」 (3歳・女の子)
「将来は国際的に活躍できる人になってもらいた いから」 (4歳・男の子)
【やってみてどう?】
「英語教室の帰りは『apple!』『dog!』などいい発音で英単語を話すので感心します」 (4歳・女の子)
「なかなか話せるようにはなりませんが、外国人の先生と幼いころから触れ合うだけでも意味があるように思う」 (5歳・男の子)
お話をうかがったのは
杉山 由美子先生
教育ジャーナリスト。おもに教育、女性が働くことについて取材、執筆。著書に『お金をかけずに「できる子」を育てる』(岩崎書店)『中学受験SAPIXの授業』(学研新書)など多数。
『ベビーブック』2019年7月号 イラスト/ひらのゆきこ デザイン/平野 晶 文/洪 愛舜 構成/童夢