「チュニジア」はどんな国? スターウォーズのロケ地、カルタゴ遺跡ほか、魅力・特徴を紹介【HugKum世界紀行】

チュニジアはアフリカ北部にある国。サハラ砂漠もあり、地中海にも面しており、変化に富んだ自然があります。かつてフランスの植民地だったことから、フランス文化も残り、アラブやアフリカの影響も受けています。そんなチュニジアはいったいどんな国なのでしょうか?

チュニジアってどんな国?

アフリカ大陸の最北端に位置するチュニジア。サハラ砂漠がありながら、地中海に面していて、アフリカ・アラブ・ヨーロッパなど、さまざまなカルチャーが混在する国です。そんなチュニジアはどんな国なのでしょうか?

基本情報から、治安情報、観光スポットやみどころ、国の特徴まで順に見ていきましょう。

チュニジア基本情報

首都チュニスの市街地

まずは、チュニジアの首都・面積・人口・言語などについてご紹介します。

国名

チュニジア共和国

首都

チュニス

場所

チュニジアがあるのは、アフリカ大陸の北部。北と東が地中海に面し、南部はリビア、西部はアルジェリアに隣接しています。

日本との時差

8時間

日本のほうが、チュニジアより8時間進んでいます。

面積

163,610㎢

日本の面積が約380,000㎢ですから、チュニジアの面積は日本の面積のおよそ約4割です。

エリア

チュニジアは24のウィラーヤと呼ばれる県に分かれています。首都チュニスがあるのはチュニス県です。

人口

1236万人

東京都の人口が約1400万人ですから、チュニジアの人口は東京都の人口の約9割です。

北部の都市ハマメットの旧市街と地中海

言語・公用語

アラビア語(公用語)、フランス語

公用語はアラビア語ですが、フランス語が人々の間で広く使われています。

通貨

チュニジア・ディナール

1 チュニジア・ディナール=48円(2024年4月2日現在)

宗教

イスラム教スンニ派

ごく少数ですが、ユダヤ教、イスラム教シーア派、キリスト教も信仰されています。

歴史

チュニジアの歴史は、紀元前9世紀頃に栄えた都市国家カルタゴから始まります。その後、紀元後になるとローマ帝国によってカルタゴは征服され、7世紀にはアラブ人が侵入することで、イスラム文化が伝わりました。

さらに1574年にはオスマン帝国の属州となり、1881年にはフランスの保護領となりました。フランスから独立したのは、1956年3月のこと。翌年には共和制に移行しました。

チュニジアの国旗

チュニジアの国旗は、赤に白で三日月や月が描かれたデザイン。五角星はイスラム教の行うべき5つの行為「5行」表しています。

天気・気候

チュニジアの気候は地域により異なり、地中海沿岸部は地中海性気候で、夏は高温になり乾燥し、冬は比較的温暖で雨がよく降ります。中部はステップ気候、南部は砂漠気候です。

チュニジアの治安・住みやすさ

土産用の陶器

チュニジアを訪れたいと思ったとき、気になるのは治安のこと。チュニジアの治安や住みやすさはどうでしょうか?

治安は十分な注意が必要

外務省「海外安全ホームページ」によると、チュニジアの危険情報は、「十分注意」のレベル1から、エリアによっては「不要不急の渡航中止」のレベル2、「渡航中止勧告」のレベル3が発令されています。

チュニジアの治安状況は以前より改善されてきていますが、それでもイラクやレバントのイスラム国などのイスラム過激派組織等にみられるテロが世界各地で発生しています。

チュニジアでは観光客をターゲットとしたテロが起きていて、2015年に起きたバルドー国立博物館襲撃テロ事件では日本人3人を含む22人が亡くなりました。そのため、チュニジアの治安状況は危険と言わざるを得ません。

特に「渡航は止めてください」という厳しい渡航中止勧告(レベル3)が出ているのが、アルジェリア・リビア国境地帯を含む南部砂漠地帯の一部及びカスリン県、ジャンドゥーバ県、ケフ県、シディブ・ジッド県、ガフサ県、トズール県などです。

そのような危険なエリアではなくても、強盗事件、ひったくり、スリ、置き引きなどが起きており、外国人旅行者は狙われやすいため、現金、デジタルカメラ、スマホ、パスポートといった所持品の管理にはくれぐれも注意が必要です。また、イスラム圏のため、女性は肌の露出の多い服装は控えましょう。

住みやすさは疑問

アフリカ諸国に比べれば、チュニジアの治安はひどく悪いということではないかもしれません。しかし、テロの脅威があり、犯罪も日本よりずっと頻繁に起きていることから、住みやすい国とは言えないでしょう。

チュニジアの見どころ・観光

さまざまな文化が混在し、多くの表情を見せるチュニジア。観光スポットや見どころを紹介しましょう。

シティ・ブ・サイド

チュニジアの観光地、シティ・ブ・サイド
チュニジアの人気観光地、シティ・ブ・サイド

チュニジアでも美しい観光地として人気なのが、シティ・ブ・サイド。景観保護令によって、建物は白色と青色に統一されているため、地中海のコバルトブルーが映え、白と青が美しい街並みが広がります。おしゃれな街で、あちこちにフォトジェニックなスポットがあるでしょう。

カルタゴ遺跡

チュニジア北部にあるカルタゴ遺跡は、古代都市カルタゴの遺跡です。円形闘技場・ローマ劇場・共同浴場など、当時の人々の生活を思わせる遺跡が残っています。

カルタゴ遺跡

ケロアン(カイルアン)

ケロアン(カイルアン)は首都チュニスから南に位置する場所。イスラム教の世界では、メッカ、マディーナに次いで、大切な聖都と言われています。ここで魅力なのが、グランドモスク。アラビック建築で美しいモスクです。

ケロアンのグランドモスク

チュニス旧市街(メディナ)

首都チェニスには、メディナと呼ばれる旧市街があります。ヨーロッパ風の近代的な建物が多く、新市街とは違った雰囲気に包まれた街。世界遺産に登録されていて、ヨーロッパ文化を感じられる場所です。

メディアで売られているお菓子

ジェルバ島(ナツメヤシの島)

チュニジアには地中海に浮かぶ小さな島、ジェルバ島があります。ここは外国から訪れる旅行者に人気のリゾートアイランド。島には数多くのホテルがあり、バカンスを楽しむ人々でにぎわいます。

ジェルバ島ではナツメヤシの木が多くあり、「ナツメヤシの島」とも言われています。

ジェルバ島の白いモスク Photo by Ammarabbassi, Wikimedia Commons

チュニジアの特徴・有名なもの

チュニジアでは何が有名でしょうか?

サハラ砂漠

サハラ砂漠は、面積が1000万㎢にもなる、世界最大の砂漠。アフリカ大陸の3分の1近くを占め、日本の24個分もの面積に相当する広大な砂漠です。そんなサハラ砂漠はチュニジア南部の一部にもあります。

映画「スターウォーズ」ロケ地

チュニジアで有名なものに、映画「スターウォーズ」のロケ地であることが挙げられます。

場所はチュニジア南部のマトマタという街。砂漠地帯であるここでは、先住民が地面に穴を掘って住居として生活してきました。そのような穴居住居を使って、主人公ルークの家の撮影が行われました。

マトマタの穴居住居

2019年には、この地でエレクトロニック・ミュージカルのイベントが開催され、何千人ものファンが各国から集まり話題となりました。

サハラ砂漠から遺跡・地中海リゾートまで!

チュニジアはアフリカにある国で、サハラ砂漠がある一方で、さまざまな遺跡があったり、地中海に面したエリアでは海外からの旅行客がバカンスを楽しむリゾートがあったり、多くの魅力にあふれています。また、映画「スターウォーズ」のロケ地になったことでも有名です。

現在は治安面で不安があるため、日本から気軽に旅行に行くのにはおすすめできる場所ではないかもしれません。しかし、アフリカの国について調べるとき、チュニジアについても目を向けてみると、多くの学びがあるかもしれませんね。

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文・構成/HugKum編集部

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