RISU代表 今木智隆(以下、今木)本日は、女流棋士の北尾まどか先生にお越しいただきました。
北尾まどかさん(以下、北尾):こんにちは!
今木:僕は将棋が大好きなのですが、「学び」という視点で見たとき、将棋から得られるものが多いと感じています。
北尾先生は棋士であるとともに、将棋を普及するための会社を設立して将棋教室を開催したり、将棋を簡単にアレンジした『どうぶつしょうぎ』というボードゲームを開発されています。今日は将棋と教育という視点でお話しできたらと思います。
北尾:はい、ぜひ! よろしくお願いします。
「知識0」の小さな子どもに将棋をどう教えるか?
今木:北尾先生が作った『どうぶつしょうぎ』ですが、弊社のスタッフにも家にあったという者がいて、けっこう広まっているなという印象です。
北尾:ありがとうございます。2008年に出来たので、昔遊んだことがある方もいらっしゃるかもしれません。
今木:もう15年くらいになるんですね。
北尾:実は、当初は販売することは全く考えていなくて、将棋教室のために作った教材だったんです。ある日、4歳の小さな男の子が将棋をやってみたい!とやってきて。テレビを見て興味を持ったそうなのですが、ご家族のだれも将棋をやったことがなくて、教えられないと……。
今木:4歳だと、教えるのがだいぶ難しそうですね。
その後、販売してみたら?とお声がけいただいて売り出してみたところ、想像以上の反響がありました。もしかしたら、それ以前は将棋をやってみたいけど難しいから……とあきらめていたご家庭も多かったのかな?と思っています。
将棋は「よい負け方」ができる競技
今木:これは僕がつねづね思っていることなんですが、今って学校だとあまり勝ち負けをつけないですよね。一方で、将棋などの勝負の世界に触れることで、なんというか、変に傷つかずに負けることができると思うんです。
早いうちから負ける経験をして、そこから立ち上がって成長するプロセスを学ぶことができるのではないかと思っているのですが、女流棋士として、そして教室をやっている北尾先生の立場ではどう思いますか?
北尾:私は負けず嫌いな子どもだったので……(笑)。でも、将棋って勝っても負けても納得がいく競技なんですよね。
他の競技だと、チームの人のプレーに左右されたり、運が悪くて勝てないこともあったりします。でも、将棋の勝ち負けは全部自分が選んだ結果だから、負けても納得がいきます。だから、今度はこうしようと、次につなげることができる。自分が思ったとおりにやって結果が出る、潔い勝負だと思います。
今木:潔い。おっしゃるとおりですね。
北尾:それから、将棋ってなんとなく指しているのと、一手一手きちんと考えて指すのでは結果が全然違うので、一番いい手を常に考える癖がつくのもいいなと思います。
今木:学校や受験だと、答えが決まっているものを学んでいきますけど、将棋は答えがあるようでないと言いますか、選択肢がとても広いですよね。二十、三十の中から選択して、有利になったりとてつもなく不利になったりを繰り返します。
自分で決めて、勝ち負けが自分に降りかかってくる、ある意味では残酷な結果を体験できるのは貴重な機会ですよね。
将棋に触れるきっかけづくり
今木:最近だと、 藤井聡太さんが活躍していたり、将棋番組にAIの戦況分析がついて、将棋の知識がなくても試合を見て楽しめるようになりました。自然に将棋に触れる機会は増えていると思います。
北尾:はい、盛り上がっていますね。
今木:一方で、じゃあ将棋を指す人も同じように増えたかというと、そうではないような気がします。サッカーを見て興味を持ったから自分もサッカーをやる、というのと同じようにはいっていないような……。
将棋をやって身につくことってたくさんあって、やって損することはないと思うので、僕としてはぜひ将棋をする人が増えてほしいなと思うのですが、どう始めていいのかよくわからないという人も多いのかなと思うんです。
僕自身も、息子を将棋講座に連れて行ったことがあるのですが、正直子どもにとって面白いものではなかったようで、すぐ帰ってしまって……。
北尾:アプリをおすすめします! 無料のものがたくさんありますし、アプリのいいところなんですが、駒の動き方を覚えていなくても、押せば動き方が表示されるんです。ルールのチュートリアルがあったり、ヒントを出してくれたりするので、初めて将棋をやるのにはうってつけなんです。
今木:なるほど、アプリですか! 教育だと思っていたので、アプリは盲点でした。僕は将棋盤を出してきて教えようとしちゃった……。
北尾:それから、将棋は試合なので、誰か相手してくれる人が必要です。アプリならAIが対戦相手になってくれたり、オンラインで対戦ができます。身近に将棋が指せる人がいなくても始められますし、スポーツより手軽に始められるので、何か試合や勝負がしたいという人にもおすすめです。
今木:ありがとうございます。「ぜひ将棋を始めたい」という人には、アプリからスタートしてもらえたらうれしいですね。
北尾:なんとなく楽しんでいるうちに自然と身についた、みたいな感じがいいですよね。まずはとりあえずやってみましょうということで!
今木:本日はありがとうございました。
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協力/RISU Japan株式会社、 構成/HugKum編集部