「鰻の蒲焼」は温め直し方にコツが!「蒲焼」の意味、おすすめのアレンジレシピ、地域による違いなどを紹介

日本人が大好きな鰻の蒲焼。甘辛いタレで照り焼きにされた鰻は、ご飯ともよく合い、スーパーなどで購入される方も多いのでは? 本記事では鰻の蒲焼について紹介していきます。
なぜ「蒲焼」というのか、気になるカロリー、自宅で美味しく食べる方法やアレンジレシピなどを一緒に見ていきましょう。

日本人が大好きな鰻の蒲焼

土用の丑の日など、日本には昔から鰻を食べる文化があり、鰻の蒲焼などの鰻料理は多くの人を魅了してきました。商店街などを歩いていると、鰻を焼く香ばしい香りと甘辛いタレのにおいに誘われて、「鰻の蒲焼が食べたくなった!」という人も多いのではないでしょうか。

そんな、日本人が大好きな鰻の蒲焼ですが、なぜ「蒲焼」というのか疑問に思ったことはありませんか?

鰻の蒲焼、なぜ「蒲焼」というのか?

現在では、鰻を開いて串を打ち、タレをつけて焼いたものを「鰻の蒲焼」といいますが、この調理法が確立されたのは、江戸時代からです。

それ以前は、鰻を開かずにぶつ切りにして、それを串に刺して焼きていました。その様子が、「蒲(がま)の穂」に似ていることから、「蒲焼き(がまやき)」といわれ、そこから「蒲焼(かばやき)」になったといいわれています。

しかし、鰻の蒲焼の焼き上がった形や色合いが「樺(かば)の木」に似ていることから由来するという説もあるようです。

鰻の蒲焼は地域によって違う!

日本全国で食べられている鰻の蒲焼ですが、地域によってその調理方法が違います。よく「関東風鰻」や「関西風鰻」といいますよね。その違いをチェックしていきましょう。

金属製の串を用い、蒸さずに焼くのは関西風。
金属製の串を用い、蒸さずに焼くのは関西風。

東日本と西日本で違う鰻の開き方

東日本では、鰻の背中から包丁を入れて開く、「背開き」が主流。一方で西日本は、腹側から包丁を入れて開く「腹開き」です。

なぜ東と西で鰻の開き方が違うのかというと、それには諸説ありますが、その当時の関東(江戸)には武士が多く、武士社会でした。そのため切腹を連想させる「腹開き」を嫌がったため、「背開き」になったといわれています。

一方で西日本は、とくに関西では商人が多く、商売や人間関係などでは「腹を割る」ことがよしとされていたため、「腹開き」になったという説が広く信じられています。しかし明確な理由はわかっていません。

東日本と西日本では、使う串や焼き方も違う

東日本と西日本では、鰻を焼くときに使う串や、焼き方も違います。東日本では開いた鰻に刺す串は竹串です。竹串を刺した鰻はまず白焼にしてから蒸し、そしてタレをつけて焼き上げます。そのため、関東風の鰻はふわふわと柔らかい食感になります。

一方で西日本、関西風の鰻は、金属製の串を使い、串を刺したら蒸さずにそのままタレとつけて焼きます。そのため皮目が香ばしい鰻の蒲焼に仕上がるのです。

気になる鰻の蒲焼のカロリーは?

鰻の蒲焼100gあたりのカロリーは、285kcalです。生の鰻のカロリーは100gあたり228kcalですが、砂糖や醤油を使って蒲焼にすることで、カロリーは少しだけあがります。

またタレをつけずに鰻を焼く、白焼のカロリーを見てみると、100gあたり300kcal。蒲焼よりもカロリーが少々高いことがわかります。

「醤油や砂糖を使ってないのになぜ?」と思いますよね。実は鰻の蒲焼は蒸したり(関東風)、タレをつけて焼いたりと、じっくり火を通します。その工程で鰻の余分な脂が落ちるためです。しかし白焼は一度で焼き上げるため、蒲焼ほど加熱工程がありません。そのため、鰻の脂が落ちにくく、蒲焼よりカロリーが高い傾向になるというわけです。

家庭で鰻の蒲焼を美味しく食べるには?

スーパーやデパートでは鰻の蒲焼が売られていることがあります。美味しそうなものを見つけると購入し、自宅で温めてから食べる方も多いのではないでしょうか。その際、温めに失敗して鰻が固くなってしまった、という経験はありませんか?

家庭で鰻の蒲焼を温める方法などを紹介していきます。

フライパンを使った鰻の蒲焼の温め方

本記事ではフライパンを使った鰻の蒲焼の温め方を紹介していきます。市販されている鰻の蒲焼をふわふわで柔らかく温めるコツは、タレを水道水で洗うことです。鰻を洗うなんてびっくりしますが、鰻自体にはしっかり味がついているため、洗っても大丈夫です。

1.鰻の蒲焼を水道水で洗い、ついているタレを洗い流します。

2.1はキッチンペーパーなどで水分をよく拭き取ります。

3.フライパンにアルミホイルを敷き、2を並べます。

4.酒大さじ1を鰻の蒲焼にふりかけ、蓋をして中火で3~5分蒸し焼きにしていきます。

5.付属のタレもしくは、作ったタレをかければふわふわの柔らかい鰻の蒲焼の完成です。

鰻の蒲焼のタレのレシピ

【材料(2人分)】

・酒… 大さじ3
・みりん… 大さじ3
・砂糖… 大さじ2(甘めが好きな方は大さじ3)
・醤油… 大さじ3

【作り方】

1.鍋に酒、みりんを入れ、煮立たせます。

2.1に砂糖、醤油を入れ、とろっとするまで煮たら完成です。

おすすめアレンジレシピ「鰻の蒲焼そばめし」

市販の鰻の蒲焼のアレンジレシピ、ガッツリ食べたいときにおすすめの「鰻の蒲焼そばめし」のレシピの紹介です。

鰻の蒲焼そばめし

【材料(1人分)】

・鰻の蒲焼… 1/2本
・付属のタレ… 1個
・焼きそば麺… 1袋
・もやし… 1/2袋
・ご飯… お茶碗軽く1杯
・サラダ油… 適量
・大葉… 適量
・お好みのソース(ウスター、お好みソースなど)… 大さじ1.5
・塩コショウ… 少々
・山椒… お好みで

作り方

1.市販の鰻の蒲焼は流水で洗い、水分を拭き取って、食べやすい大きさにカットしておきます。

2.もやしと焼きそば麺は食べやすい大きさに、大葉は千切りにしておきます。

3.熱したフライパンにサラダ油を入れ、鰻の蒲焼、もやし、焼きそば麺、ご飯を入れ、混ぜながら炒めます。

4.全体が混ざったら、タレとお好みのソースを加えて混ぜます。

5.大葉(トッピングに少しとっておいてください)と山椒を入れよく混ぜ、塩コショウを加えて味を整えたら、皿に盛り付けます。

6.さらに上から大葉をのせ、お好みで山椒をかけて食べてください。

みんな大好き鰻の蒲焼

甘辛いタレで焼かれた鰻の蒲焼。多くの人が大好きな料理の一つではないでしょうか。

お店で買ってきたものを美味しく温め直すコツは、鰻の蒲焼を洗うということです。フライパンでもふんわりと柔らかくなりました。せっかくの鰻の蒲焼は美味しく食べたいですよね。一手間加えて、家庭でも柔らかくて美味しい鰻の蒲焼を楽しんでみてはいかがでしょうか。

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構成・文・写真(一部を除く)/松田慶子(京都メディアライン)

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