梅雨時はラーメンを食べたほうがいい?
梅雨がなかなか明けませんね。雨がやんだと思ったら翌日は寒いぐらいの大雨で、ハッキリしない天気が続いています。
リカちゃんのパパがランチタイムに悩んでいますよ。この季節、ランチ選びは悩みますよね。冷たいものがいいのか熱いものがいいのか、さっぱり味か濃い味か、自分が何を食べるべきなのか、自分でもハッキリわからなくて困ってしまいます。
梅雨時に食べるべきランチは何でしょうか? ゆーまん博士は、ずばり「ラーメン」だと言っています。梅雨の蒸し暑い時期にラーメン? よけいに暑くなりそうですが?
ゆーまん博士の「説明しよう!」
こんな蒸し暑い季節にラーメンなんて……そう思うのも無理ありません。でもね、梅雨だからこそラーメンを食べて欲しいんです。
ある有名ラーメン店の店主が雑誌のインタビューに「雨の日のほうがラーメンはおいしくなる」と答えていました。どういう意味でしょう? 天気でラーメンの味が変わるなんて、そんなことがありますか? そんなことがあるんです!
1.低気圧のほうがおいしいスープがとれる
ラーメン屋さんが圧力鍋を使わないのは、骨からうま味成分だけを抽出したいからです。圧力鍋を使うと骨自体を柔らかくしてしまい、骨や骨髄からうまみ以外の雑味、いわゆる灰汁(あく)が出てしまいます。
圧力鍋と普通の鍋ほどの差はありませんが、気圧の違いは灰汁の量=雑味を左右します。気圧が低い=圧力が低いので、灰汁が少なくなり、よりおいしい澄んだスープが取れます(反対に豚骨スープのように濁った濃いスープの場合は、圧力なべを使うお店もあります)。
2.気圧や気温が味覚も変える
気圧は舌にも影響します。飛行機の機内食は物足りない、おいしくないという話をよく聞きますが、ドイツのルフトハンザ航空の調査で、空気が乾燥し、気圧が低い部屋(飛行機の機内は0.8気圧前後)では甘味と塩味の感受性が30パーセントも低下することがわかりました。
晴れた日よりも雨の日のほうが、人間は塩味が強く甘味の強い味をおいしいと感じるんですね。
温度も味に影響します。『女子大生の季節における味覚感度の変動』(仙台白百合女大)によると同大の 1 年生(18-19歳)81名を対象に夏と冬の味覚感度を比較したところ、五味の識別検査の正答率は夏が69.1%に対して、冬季は30.9%とダブルスコアの差がついたそうです。温度が下がると人間は味覚が鈍くなり、結果として濃い味を欲するようになるらしいんです。
道理で冬にラーメンを食べたくなるわけです。梅雨も同じです。梅雨寒と言いますが、梅雨の日は急に寒くなるものです。梅雨時期は気温低下と低気圧で味覚が鈍くなるわけです。だから普通の食事は機内食のように、物足りない味に感じます。
3.うま味が塩味をぐんとブースト!
ところがラーメンはうま味が豊富な食べ物です。味覚には対比効果があり、スイカに塩をかけると甘味を強く感じるように、違う味同士のかけ合わせで味は強められます。そして、うま味が強いと塩味も強く感じるのです。
梅雨のせいで味覚が鈍くなり、塩味をあまり感じなくなっても、ラーメンなら豊富なうま味が塩味を強化し、物足りなさを感じさせません。
梅雨で鈍った味覚をうま味でキックしておいしさを復活させる、しかも低気圧でスープもおいしくなっている、だから梅雨の日のランチには、ラーメンがおすすめなんです。
ゆーまん博士のワンポイント
●雨の日は舌の感覚が鈍くなり、濃い味のものを好むようになる
●うま味は塩味を実際より強く感じさせる
●冬だけでなく梅雨の時期もラーメンはおいしい!
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構成・文/川口友万 漫画/まめこ