「面目躍如」の読み方は…めんもく or めんぼく? 意味、語源、使い方の例文、類語、対義語、英語表現までを徹底解説!

評判通りの活躍をすることや、期待通りの活躍をして生き生きとする様子を表す『面目躍如』という四字熟語。この言葉の意味や正しい読み方を知っていますか?
本記事では、『面目躍如』の読み方から意味、語源、使い方、類語、対義語、英語表現までを一挙にお伝えしていきます。

「面目躍如」とは?

まずは、この言葉の読み方や意味、語源を押さえておきましょう。

読み方と意味

この言葉は、『面目躍如』と書いて「めんもくやくじょ(めんぼくやくじょ)」と読みます。
世間からの評判や名誉にふさわしい活躍をすること」や「期待通りに活躍して生き生きとしている様子」を意味します。

由来・語源

『面目躍如』は、『面目(めんぼく/めんもく)』と「躍如(やくじょ)』という2つの言葉から成り立つ四字熟語です。

『面目』とは、本来は「顔」という意味を持ち、そこから派生して「名誉」や「世間からの評判」の意味で使わる言葉。「面目ない」「面目を保つ」といった使われ方には馴染みがあるのではないでしょうか。

『躍如』は「生き生きとして見える様子」を意味する言葉です。

「世間・周囲からの評判にふさわしい活躍をすること」の意味を持つ言葉として、この2つの言葉が組み合わせられたことが、この四字熟語の語源といえます。

「めんもくやくじょ」「めんぼくやくじょ」正しい読み方はどっち?

『面目躍如』は、現代では一般的に「めんもくやくじょ」と読まれます。ただし、「めんぼくやくじょ」と読まれることもあり、これもまた間違いではありません。

上でお伝えしたとおり、『面目躍如』を構成する言葉のひとつ『面目』は「めんぼく/めんもく」どちらとも読まれます。読み方によって意味が変わり、「めんもく」なら「外見」、「めんぼく」なら「名誉」の意味に。

「世間からの評判や名誉にふさわしい活躍をすること」の意を持つ『面目躍如』の場合、「めんぼくやくじょ」と読んでも意味としては問題がありません。

使い方を例文でチェック!

ここからは、『面目躍如』の使い方を例文を通してチェックしていきましょう。

1:生徒会選挙で生徒会長に当選し、【面目躍如】を果たすことができた。クラスのみんなの期待に応えることができて安心した。

『面目躍如』は『面目躍如を果たす』の形で使われることが多い言葉です。周囲の人たちの期待どおりに活躍できた際などに使ってみましょう。

2:もちろん期待はしていたが、昨日の試合ではA君の戦いっぷりから目が離せなかった。まさに【面目躍如】たる活躍だった。

『面目躍如』は『面目躍如たる活躍』の形で用いられることもあります。『活躍』のほかにも『面目躍如たる働き』や『面目躍如たる演技』など、シーンに合わせて組み合わせを変えることもできます。

3:美大時代に成績優秀だった友人の個展に行った。【面目躍如】の作品が多数展示されていた。

このように『面目躍如の〜』という形で使われる場合もあります。料理がうまいと評判の友人の料理が本当に美味しければ『面目躍如の味』などと言うことが可能です。

類語や言い換え表現は?

では、『面目躍如』はどのような言葉言い換えることができるのでしょうか。ここでは、『面目躍如』の言い換えに使えそうな類語をご紹介いたします。

1:面目が立つ(めんぼくがたつ)

『面目が立つ』は、「世間的な名誉や体面が傷つけられずに保たれる」という意味を持つ言葉です。

「名誉通りの活躍をする」という意味の『面目躍如』よりは後ろ向きなニュアンスのある言葉ですが、似た言葉として覚えておきましょう。

2:期待通り(きたいどおり)

文字の通りに「期待した通り」という意味を持つ『期待通り』もまた、『面目躍如』の言い換え表現として用いやすい言葉です。日常会話においては、『面目躍如』よりもこちらのほうが一般的な表現として使われます。

3:本領発揮(ほんりょうはっき)

『本領発揮』とは、「自分が持つ能力や特性を存分に活かすこと」を意味する言葉です。

「世間からの評判や名誉にふさわしい活躍をすること」を意味する『面目躍如』の類語と言えるのではないでしょうか。ただし、『本領発揮』は周囲からの期待や評判の有無を問わない点に注意しましょう。

対義語は?

『面目躍如』の反対の意味を言い表したい場合は、どのような言葉を使えばよいのでしょうか。ここでは、『面目躍如』とは対照的な意味を持つ言葉をご紹介します。

1:不面目(ふめんぼく)

『不面目』とは、「社会的評価が下がること」「名誉が傷つけられること」を意味する言葉です。「世間からの評判や名誉にふさわしい活躍をすること」の意を持つ『面目躍如』とは対象的な言葉といえます。

2:面目が立たない(めんぼくがたたない)

『面目が立たない』とは、「面目が立つ(名誉が保たれること)」の否定形なので、「名誉が保たれないこと」「世間的な評判が下がること」を意味します。『不面目』と同様に『面目躍如』とは対象的と言えます。

3:沽券に関わる(こけんにかかわる)

『沽券に関わる』とは、「自分の価値が下がり、面目が保てないこと」を意味する言葉です。世間からの名誉通りの活躍をする『面目躍如』とは反対に近い言葉として覚えておきましょう。

英語表現は?

最後に、『面目躍如』を英語で言い表すことができる英語表現を押さえておきましょう。

1:worthy of one’s reputation

“worthy of her reputation”とは、「〇〇の評判に値する」と直訳できる英語表現です。

“His cooking was worthy of his reputation.(彼の料理は評判に値する[=面目躍如の]ものだった)”のように使えるため、『面目躍如』の英語表現として覚えておきましょう。

2:live up to one’s name

“live up to one’s name”とは、「〜の名に恥じない」と訳せる表現です。

“She lives up to her name as a student council president.(=彼女は生徒会長の名に恥じない。)”のように用いることができ、『面目躍如』に近い意味を持つ英語表現と言えます。

見慣れない・聞き慣れない一方で、意味自体は意外とシンプル

今回は、『面目躍如』の読み方から意味、語源、使い方、類語、対義語、英語表現までをご紹介してきました。あまり見慣れない・聞き慣れない言葉ではありますが、言い表される意味自体はシンプルでしたね。正しい使い方を把握して、ここぞという時にぜひ使ってみてくださいね。

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文・構成/羽吹理美

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