「大義名分」って正しく使えてる? 意味と語源、使い方、関連語を一挙に解説!

行動の根拠を指す「大義名分」。聞き慣れてはいるものの、正しく使えるか不安に思う方も少なくないのではないでしょうか。今回は、そんな「大義名分」の意味や語源、例文、関連語を一挙に解説していきます。

「大義名分」とは?

まずは、「大義名分」の読み方と意味、由来・語源を押さえておきましょう。

読み方・意味

この言葉は、「大義名分」と書いて「たいぎめいぶん」と読みます。「行動をするうえで守るべき道義」「行動の根拠」の意味をもつ四字熟語です。

由来・語源

「大義名分」の語源には、儒教の考え方があります。

儒教では、主君や父兄など、自分の上の立場にある人を絶対的に正しいものとします。そのような上の立場にある人たちから命じられた行動を正当化する根拠が「大義名分」と呼ばれ、この言葉が由来となって、現代の日本にも四字熟語として根付いていると考えられています。

「建前」のニュアンスでも使われやすい言葉

行動の根拠を示す「大義名分」ですが、「大義名分を振りかざして」などと続けて、「建前」と同様のニュアンスで使用されることの多い言葉です。

「大義名分」そのものは、本来は「正当な理由」による根拠を指しますが、使い方によっては良い印象を与えない場合があるため注意しましょう。

使い方を例文でチェック!

ここからは、「大義名分」の使い方を例文を通してチェックしていきましょう。

1:町の人たちを守るという【大義名分】のもとで、ヒーローは敵をやっつけた。

映画やドラマのような物語のヒーローの多くは、「町の人を守るため」「仲間を助けるため」といった目的や道理に基づいて戦っていますよね。このような行動の根拠を指すものとして、「大義名分」を使うことができます。「大義名分のもとに」という表現も一般的な使い方です。

2:新入社員の歓迎会という【大義名分】を振りかざし、大いに飲み明かすのがこの課の上司たちの毎年の慣例だ。

「大義名分を振りかざして」として、「大義名分」を「建前」のニュアンスで用いた例文です。なにかやましい行動をする際に、それを正当化する根拠=建前が振りかざされる場合は少なくありません。「大義名分」は、このように用いられることも多い言葉です。

3:息子が家業を継いでさえくれれば、私が退陣する【大義名分】が立つのに。

この例文では、「自分が退陣する根拠」の意で「大義名分」を用いています。「大義名分が立つ」という表現も一般的で、この例文のように「正当な根拠が成り立つ」といったニュアンスで使われます。

類語や言い換え表現は?

では、「大義名分」にはどのような類語があるのでしょうか。言い換えにも使える「大義名分」の類語をご紹介します。

1:道義/道理(どうぎ/どうり)

「大義名分」の類語としてまず挙げられるのが、「人として行うべき正しい道」の意を持つ「道義」や「道理」。自分の行動の拠り所となる点において、「大義名分」と近い意味をもつ言葉と言えます。

2:名目(めいもく)

「名目」とは、「表向きの理由」という意味をもつ言葉です。「言い逃れの材料」のようなニュアンスがあるため、「建前」の意味で「大義名分」を使う際、言い換え表現として用いることが可能です。

3:口実(こうじつ)

「口実」もまた、「名目」と同様に「言い逃れの材料」といった意味をもち、言い訳のようなニュアンスで使われる言葉です。こちらもまた、「大義名分」を「自分の行動を正当化する建前」として使う際、言い換えに用いることができる表現です。

対義語は?

「大義名分」には、明確に対となる対義語が存在しません。そのため、ここでは反対の意味にあたる言葉をご紹介します。

1:無根拠(むこんきょ)

「無根拠」とは、文字通りに「根拠がないこと」を意味する言葉です。「行動の根拠」を指す「大義名分」とは反対に近い意味をもつ表現と言えるのではないでしょうか。

2:本音(ほんね)

「偽りのない本当の気持ち」のことを指す「本音」。「建前」や「口実」のようなニュアンスで使われる場合の「大義名分」の反対の言葉として覚えておきましょう。

英語表現は?

最後に、「大義名分」の英語表現をチェックしておきましょう。

1:in the cause of

“in the cause of〜”は「〜のために」という意味をもつ言葉です。例えば、“in the cause of justice(正義のために)”のように、名詞を続けて使います。行動の根拠や理由を言い表す「大義名分」の英語表現として用いることができます。

2:on the pretext of 〜

“on the pretext of 〜”は「〜を口実に」と訳せる英語表現です。こちらもまた、“on the pretext of sickness(病気を口実に)”のように、名詞を続けて使います。建前や口実のニュアンスを含む場合の「大義名分」の英語表現として適しています。

3:public stance

“public stance”とは、“public(公的な)”+“stance(姿勢)”で、「建前」と訳せる英語表現です。こちらもまた、建前や口実の意における「大義名分」を英語で言い換える際に使うことができます。

使い方によってニュアンスが変わる!例文を参考に注意してみよう

今回は「大義名分」の意味や語源、使い方、関連語までをお伝えしてきました。中には「大義名分」に「建前」のニュアンスがあることは把握していても、「行動の根拠・道義」という本来の意味は知らなかった方もいるかもしれませんね。

「大義名分」は、使い方によってニュアンスが変わることがあります。今回ご紹介した例文を参考に、正しく伝えられるよう注意してみてくださいね。

あなたにはこちらもおすすめ

「机上の空論」とはどんな議論? よく聞く誤用表現に注意! 意味や使い方、類語、英語表現を解説
机上の空論とは非現実的な理論のこと 机上の空論とは、「実際には役に立たないであろう理論」のことです。まずは、机上の空論の「語源」と...

文・構成/羽吹理美

 

編集部おすすめ

関連記事