黒い車が熱くなるなら、日焼け肌は夏に不利なんじゃ・・・?
夏の日差しは強烈です。外で遊ぶのが大好きなリカちゃん、最初は日焼けで肌が赤くなりましたが、すぐにひと皮むけて真っ黒になりました。
リカちゃんは黒くなった自分の肌が不思議です。皮がむけたら黒くなったのはなぜ? ママは夏用の肌っていうけど、服でも車でも色の黒い方が熱くなるとパパは言う。肌が黒くなったらもっと暑くなるんじゃないかな? と首をかしげています。
なぜ日に焼けると肌が黒くなるのでしょう? もっと暑くなって困ってしまうんじゃないかと思いますが、ゆーまん博士に聞いてみましょう。日焼けで肌が黒くなるのはなぜですか?
ゆーまん博士の「説明しよう!」
リカちゃんが不思議に思っている日焼けの役割を説明する前に、まずどうして日焼けするのか、肌が黒くなるメカニズムを説明しましょう。
リカちゃんは最初に肌が赤くなり、その後、黒くなりました。最初の肌が赤くなる日焼けのことをサンバーン、その後で肌が黒くなることをサンタンと呼びます。
サンバーンは太陽の光でヤケドをした状態です。太陽の光には紫外線という目に見えない強力な光が含まれていることはご存じだと思います。皮膚の細胞が死に、新しい細胞が生まれます。この時、新しく生まれる細胞は日焼けモードで、炎症因子を出すために皮膚が赤く痛くなります。やがて死んだ細胞が剥がれ落ちます。これが皮のむける理由です。
サンバーンで日焼けモードに変化した皮膚の細胞は、メラニン色素を作る色素細胞が刺激されています。お母さん方にとってもはや天敵、シミやソバカスの原因となるメラニン色素が、黒い日焼け肌を生み出すわけです。
肌の内側にヨロイをつくるメラニン色素
なぜ日焼けした皮膚が黒いのかといえば、メラニン色素が多くなるためです。では、なぜ黒い必要があるのか? それは黒い色で紫外線を吸収するためです。
黒いメラニン色素の層が紫外線を吸収、そこから先に紫外線が届かないようにします。皮膚は表皮と真皮の二層構想です。色素細胞が集まっているのは表皮の一番底で、真皮のすぐ上の基底層と呼ばれる場所です。
メラニン色素が肌を黒くすることで紫外線を吸収、紫外線が真皮を破壊することを防ぎます。黒くなった肌は、いわば紫外線の攻撃を防ぐヨロイです。肌の内側をがっちりガードしてくれます。
メラニンに頼らず、日焼け止めの使用を
しかし残念なことに、この黒いヨロイは年齢とともに弱くなります。若い時は色素細胞が元気でメラニンの量も多く、だから外で遊ぶ子どもたちは真っ黒ですね。中高年になるとメラニンの分泌量が減り、紫外線を防ぐことが難しくなります。
紫外線がメラニン色素の層を突破すると真皮層を壊すため、肌に弾力を与えるコラーゲン層が壊れてシワやゴワゴワ肌の原因になります。また年齢とともに皮膚の細胞が入れ替わる「ターンオーバー」の力が弱まり、完全に細胞が入れ替わらずに傷ついたままの細胞やメラニン色素が排出されずに残ったままになります。中高年が日焼けをすると、すぐにシミやくすみが増えるのはそのためです。
そこで日焼け止めの出番です。日焼け止めには紫外線を反射させるタイプと紫外線を吸収して熱に変える物質を使うタイプの2種類があります。現在の主流は後者の日焼け止めです。長時間、紫外線を防ぐことができ、色もつきません。ちょっとした外出の時も、面倒くさがらずに日焼け止めを塗りましょう。
小さい子にも日焼け止めは必須です。まだ肌が弱いので、サンバーンがひどくなると水ぶくれができて傷跡になることも。敏感肌にも大丈夫な子ども用の日焼け止めを使いましょう。
日焼けによる肌の老化は光老化と呼ばれ、皮膚の老化は8割が紫外線が原因とされています。いかに日焼け止めが大事か、わかりますね。
ゆーまん博士のワンポイント
●日焼けで黒くなるのは、皮膚の中を守るため
●光老化が肌の老化の原因
●大人も子どもも日焼け止めは忘れずに
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構成・文/川口友万 漫画/まめこ