アニメ版3RD SEASON が13年ぶりにスタート
椎名軽穂による同名少女漫画を、数々のメディアミックスで展開し、人気を博してきた「君に届け」。別冊マーガレットで2006年から2017年に連載された原作コミック全30巻は、累計3600万部(紙+電子)を突破し、完結後の今も新しい読者を獲得し続けています。
Netflixでアニメ化されたシリーズとしては、2011年配信の2ND SEASONから13年の時を経て新たに配信された続編『君に届け 3RD SEASON』が世界独占配信中です。
ヒロインは、ロングヘアで地味なルックスと物静かな性格から「貞子」というあだ名がつけられ、クラスでは浮いていた黒沼爽子。いわゆる少女漫画の華のある主人公とは程遠い爽子ですが、どこまでも優しく心が美しい彼女の本当の魅力に、クラスの人気者・風早翔太だけが気づいていました! 3RD SEASONでは、そんな2人が両思いになったあとのエピソードからスタートするので、改めてシリーズの魅力をご紹介します。
ダイジェスト映像でこれまでの物語をふりかえり
通常、青春ラブストーリーは、ほぼ片思いからスタートし、紆余曲折を経て両思いとなってハッピーエンド、というのが王道の方程式かと。「君に届け」もしかりで、両思いに至るまでの爽子と風早くんの揺れ動く心の機微が生き生きと描かれてきました。
また、2人の距離感の進展だけではなく、クラスメイトとの友情や家族とのやりとりなど、様々な人間ドラマの層が非常に厚いです。個々のキャラクターが呼応しあうことで色濃く浮かび上がるので、幅広い世代がいろんな登場人物に感情移入させられそう。気がつけば、劇中で爽子と風早くんの恋に旗振りする“味方”が増えていくのはもちろん、見る側も完全に応援体制に入っていくことに。
そして2ND SEASONではタイトル「君に届け」と言わんばかりに、爽子がついに勇気を出して自分の気持ちを風早くんに伝えます。もちろん風早くん自身も、ずっと爽子の穏やかで心優しい人となりを見てきて、いつしか彼女に惹かれていたことは周知の事実。彼が真っ直ぐな爽子の思いをちゃんと受け止め、カップル成立! さて、そこからどんな展開を見せるのでしょうか?
なお、『君に届け 3RD SEASON』公式YouTubeチャンネルでは、各種映像を公開中です。なかでも3RD SEASONを見る前にチェックしておきたいのが、これまでの物語をまとめた「10分くらいで振り返る『君に届け』ダイジェスト映像」です。過去の主要エピソードと、それぞれのキャラクターがコンパクトに紹介されているので、ぜひチェックしてみてください。
待望の“初デート”と互いの親と初対面したリアクションとは?
爽子と風早くんの新しい関係が始まった3RD SEASON。第1話で描かれたのは、待望の“初デート”です。言うまでもなく、心がウキウキしつつも、気恥ずかしさを隠しきれない爽子。クラスの人気者でモテモテ青年の風早くんですが、彼も初(うぶ)なところがあるので、2人のやりとりにキュンキュンさせられます。
“つき合う”ということに不慣れな2人の恋。風早くんが「初めてのデート。俺、一生忘れない」という言葉の矢は、多くの人々のハートに刺さること間違いナシ。なんというか、どこまでも透明感がある清流のごとく、非常に純度が高いんですよね。本当に見る側も心が浄化されそうです。
また、爽子と風早くんが、それぞれの親を紹介しあうという回なので、パパママ世代は親の目線からも前のめりで見てしまいそう。中でも爽子を溺愛する父と、バリバリ体育系である風早くんの父という2人のキャラ立ちしたパパにご注目。子どもから自分の“彼氏”“彼女”を紹介されたときの戸惑いぶりがなんだかとても愛おしいです。また、その後のやりとりを見ても「ああ、親という存在はありがたいな」と心を揺さぶられそう。
思えば、恋だけに限らず、人は生きていく上で、いろんな人からサポートを受けつつ、人生の階段を上っていくんだなと改めて痛感。そこを余すことなく描きこんでいく「君に届け」は本当に豊かな作品です。また、今後も爽子と風早くんがいろいろな局面でお互いに試されていくことに。そしてさまざまな恋が併走しつつ、引き続き家族愛もしっかりと織り込まれていきますので、大いに期待してください。
折しも夏休みということで、3RD SEASONはもちろん、3 SEASONイッキ見するというのもおすすめです。猛暑が続くなか、ステイホームな時間も多いと思いますので、ぜひ家族でたっぷり「君に届け」を堪能してください。
原作:椎名軽穂「君に届け」(集英社マーガレットコミックス刊)
監督:松澤建一
声の出演:能登麻美子、浪川大輔、沢城みゆき、三瓶由布子、宮野真守、小野友樹、平野綾…ほか
公式HP:https://kimitodo.com
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文/山崎伸子