Q:怒りたくないのに毎日怒ってしまいます。対処法はありますか?
娘が入学する前に妹が生まれ、若干赤ちゃん返りもあったと思います。そんな娘の気持ちは受け止めつつも、「小学生なんだからしっかりしてほしい」「何度も注意されたことは気をつけてほしい」といった気持ちから、ついきつく叱ってしまいます。
また、私自身に心の余裕はなく、感情的になってしまうことも。どうしたら、毎日叱らずに穏やかな気持ちで娘に接することができるでしょうか。 (あやママ)
A:まずは目を閉じて、ひと呼吸。伝えたいことは「私は」を主語で。
上のお子さんが1年生ですと、赤ちゃんとは6歳差ですね。年齢が離れていると、親はそのつもりがないにせよ、上の子に対しておのずと「子育てを手伝ってくれるのでは」と期待しがちです。にもかかわらず、こちらの思ったとおりに動いてくれなかったり、赤ちゃん返りされたりすると、ついイライラとしてしまう。
せめて自分のことは自分でしてくれると助かるのに、学校の宿題さえこちらが言わないとやらないとなると、イライラが蓄積して小言を言ってしまうのは無理もないことと思います。
加えてあやママさんの場合、産前、産後のホルモンバランスが大きく変化する不安定な時期。女性の体の状態として、イライラしやすいタイミングでもあるので、ご自身を責める必要はまったくないのです。「今はそういうものなのだ」と、まずはご自身をいたわってくださいね。
娘さんは、生まれたばかりの妹をどのように感じているのでしょう。もちろん、うれしいし可愛いと思っているはずです。けれど、妹が生まれたことで、自分の置かれている環境が激変していくことに戸惑いも感じているかもしれません。
どんなに年齢が離れていても、上の子が自ら「お姉さんになろう」とする気持ちが芽生えるまでは、今までと同じように振る舞いますし、妹ばかりに親の目が向けられていると感じれば、赤ちゃん返りもします。ですから、お母さんには「お姉ちゃんなんだから」という目線ではなく、これまでどおりに接してもらえたらいいのかなと思います。
それでも、宿題をしなかったり、寝る時間が迫っているのにお風呂に入ろうとしなかったりといった場面では、イライラすることもあるでしょう。そんな気持ちのまま子どもに何か言おうとすると、100%小言になってしまいます。
イライラを子どもにぶつけてしまいそうなときは、まず目を閉じて、ゆっくりと深呼吸しましょう。そして、何か違う作業を始めるのです。
お水やお茶をちょっと飲むだけでもいいですし、あるいはお皿を洗ったり棚を拭いたりするのもいいですね。違うことをしていると、気持ちがスッと静まるはずです。
子どもに伝えたいことは冷静になってからでも十分間に合いますし、嫌な言い方になることもないでしょう。
最後に叱らずに済む方法の一つとしては、「Iアイメッセージ」がおすすめです。
「Iメッセージ」の「I」は「私」という主語。つまり、子どもに何かを伝えたいときは「なんでやらないの」ではなく、「私はあなたが◯◯をしてくれたらうれしい」といったように、「私は」を主語にして話すことで、強い言い方をせずに済むのです。
すると、子どもも「わかったけど、これが済んでからでもいい?」と気持ちを言いやすくなります。そうすれば、お母さんも「いいわよ」と穏やかに話し合いができるようになるでしょう。
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私がお答えしました
構成/天辰陽子
1925年創刊の児童学習雑誌『小学一年生』。コンセプトは「未来をつくる“好き”を育む」。毎号、各界の第一線で活躍する有識者・クリエイターとともに、子ども達各々が自身の無限の可能性を伸ばす誌面作りを心掛けています。時代に即した上質な知育学習記事・付録を掲載し、HugKumの監修もつとめています。