「地球型惑星」の特徴とは?「木星型惑星」との違いや具体的な惑星名を紹介【親子で学ぶプチ科学】

惑星の分類として「地球型惑星」が知られています。地球型惑星とは、どのような惑星を指すのでしょうか? 共通点や太陽系内・太陽系外にどのような惑星があるのかも紹介します。もう一つの分類である「木星型惑星」の特徴もあわせて確認しましょう。

「地球型惑星」の特徴

惑星にはいくつかの分類があり、その中で「地球型惑星」と呼ばれる惑星があります。地球型の惑星とは、どのような惑星を指すのでしょうか?  地球型の惑星として判断される、主な定義を解説します。

主に岩石と金属で構成されている

地球型惑星の共通点として、成分の構成が挙げられます。

一般的に、地球型惑星の中心部にある「中心核」の主成分は金属です。地球の場合、中心核は鉄やニッケルで構成されています。

中心核と地殻の間に存在するのが「マントル」と呼ばれる層です。地球のマントルにはカンラン石が含まれており、岩石の層であることが分かります。

マントルの上にある「地殻」も、岩石の層です。地球の場合、主に酸素やケイ素が含まれています。地球の周辺にある地球型惑星も似た構成で、岩石惑星と呼ばれることもあります。

地球と同じように、地球型惑星の構成は岩石や金属が主成分であることが一般的です。

比較的小さい惑星で表面が固体である

地球型惑星は、惑星の中では比較的小さいといわれています。例えば、地球の直径は約1万2,756kmです。

太陽系の中でも巨大な惑星として知られる木星の場合、直径は約14万2,984kmで、地球の10倍以上にもなります。惑星によって、ずいぶん大きさが違うことが分かるでしょう。

また、惑星の表面が固体であることも、地球型惑星の特徴です。地球の場合、地殻が惑星の表面を覆っており、さまざまな岩石が含まれています。

惑星の大きさや表面の状態から、地球型惑星であるかどうかを判断することもできるでしょう。

出典:地球型惑星 | 天文学辞典
新・惑星50のなぜ+3|名古屋大学

太陽系内の「地球型惑星」

太陽系の惑星には、地球型惑星が複数あります。太陽系内の地球型惑星は、水星・金星・地球・火星の四つです。

地球以外の惑星について、基本情報や特徴を紹介します。どの程度、地球と似た要素を持っているのでしょうか?

太陽に近い「水星」

水星は、太陽に近い位置にある地球型惑星です。直径は約4,880kmと地球よりも小さく、鉄・ニッケル・ケイ酸塩岩などの金属や岩石でできています。

クレーターが多く、月に似た雰囲気の惑星です。サイズが小さいといっても密度は高く、鉄の中心核が内部にあるといわれています。

温度変化が激しい点も、水星の特徴です。太陽の光を浴びる側は約430℃と高温になりますが、反対側は約-170℃まで温度が下がります。地球よりも太陽に近いため太陽の熱が影響する一方、光が当たらない側では熱がすぐに逃げてしまうのです。

同じ地球型惑星に分類されるとはいえ、地球のような環境ではありません。温度変化が激しく、厳しい環境にさらされている惑星であるといえるでしょう。

出典:水星とは | 水星磁気圏探査機「みお」

地球に似た「金星」

金星は、地球に似た惑星といわれます。惑星上の分類も地球型惑星です。地球からその姿を見ると、夕方か明け方の空に輝いています。

直径は約1万2,104kmで、地球の大きさとそれほど差はありません。重さも地球よりやや軽い程度で、サイズを比較すると地球に似た惑星といえるでしょう。

構造も地球と似ており、ケイ酸塩を主な成分とする地殻とマントルでできています。鉄とニッケルを含む中心核があり、構成としては地球とほぼ同じです。

しかし、内部の環境は地球と異なります。金星は二酸化炭素でできた大気に覆われており、表面温度は約460℃と高温です。

出典:JAXA|金星の概要

探査が進む「火星」

火星は直径約6,787kmと、地球の半分ほどの大きさを持つ地球型惑星です。地球の隣にあり、無人探査機による探査が進んでいます。

フォボスとディモスと呼ばれる衛星を二つ持ち、赤っぽい色をしています。表面には岩石や砂があり、酸化鉄が含まれているため赤い色に見えているのです。

大気の主成分は二酸化炭素で、平均気温は-60℃ほどです。温度変化が激しく、最低気温は-100℃以下にもなります。

現在は厳しい環境ですが、かつては水が流れていた痕跡があり、数十億年前には微生物も存在していたのではないかという可能性も指摘されています。

出典:火星とは | 国立天文台(NAOJ)

「地球型惑星」と「木星型惑星」の違いとは

木星

太陽系の惑星は、大きく分類すると「地球型惑星」と「木星型惑星」に分類されます。地球型惑星と比較されることの多い「木星型惑星」には、どのような特徴があるのでしょうか?  主な違いや、木星型惑星の特徴を解説します。

「木星型惑星」はガス成分で構成される

木星型惑星は、主にガス成分で構成されています。特に、水素・ヘリウムが主成分です。巨大ガス惑星と呼ばれることもあります。

地球型惑星に比べると大きく、表面はガス状の物質で覆われており固体ではありません。

例として木星を挙げると、地球の10倍以上にもなる直径を持ち、水素・ヘリウムに加えてメタンやアンモニアでできています。主成分がガスであることから、密度は低い傾向です。

大きな惑星であることも特徴で、引力が強いことから衛星を多く持っている点も知られています。

出典:木星型惑星 | 天文学辞典

太陽系内の「木星型惑星」

太陽系内には複数の木星型惑星があります。大まかに分類すると木星・土星・天王星・海王星が木星型惑星です。

土星は木星と同じように、水素・ヘリウムを主成分としたガスでできています。太陽系内では、木星の次に大きい惑星です。

太陽系内の木星型惑星の中で、天王星・海王星は木星とは成分が異なるため、木星型惑星ではなく「巨大氷惑星」に分類されるケースもあります。

巨大氷惑星は、メタンを含む氷や水が主成分です。水素やヘリウムを多く含む木星とは、やや異なる雰囲気の惑星といえるでしょう。

出典:巨大氷惑星 | 天文学辞典
土星|富山市科学博物館

太陽系外の惑星発見の歴史と現在

太陽系外でも、多くの惑星が発見されています。太陽系外の惑星発見の経緯や、太陽系外で発見されている地球型惑星についても詳しく見ていきましょう。さまざまな惑星の特徴を知ることで、地球型惑星の特徴がさらにつかめるはずです。

太陽系外惑星の発見は1995年

最初に太陽系外で惑星が発見されたのは、1995年のことです。天文学者ミシェル・マイヨールによって、ペガスス座51番星で発見されました。

ドップラー法と呼ばれる観測方法で発見された惑星は「ペガスス座51番星b」と呼ばれています。

最初の惑星発見からほとんど間を置かず多くの惑星が発見され始め、1999年には複数の恒星を持つ惑星が見つかっています。

また、2008年には有機物を含む惑星が発見されており、生命の誕生と関わっている可能性も指定されているようです。今後さらに研究が進めば、さらに地球によく似た惑星が発見されるかもしれません。

出典:もうひとつの地球を探せ~太陽系外惑星について知る|経済ナレッジバンク

地球型惑星も発見されている

太陽系外で発見された惑星の中には、地球型惑星もあります。どのような惑星が見つかっているのでしょうか?

例えば、「LP 890-9c(SPECULOOS-2c)」と呼ばれる地球型惑星は、地球から約100光年先にあります。エリダヌス座周辺で発見された恒星です。

生命の生存が可能である可能性を持つ、ハビタブルゾーン内に存在します。惑星の温度が低いため、惑星内に水があるのではないかと考えられているようです。

また、「K2-18b」と呼ばれる地球型惑星には、惑星内に水があることが確認されています。水が存在すれば、地球のように生命が存在している可能性も高くなるはずです。

出典:エリダヌス座に「超地球型」太陽系外惑星発見、居住可能性は2番目に高い | Forbes JAPAN 公式サイト
太陽系外の地球型惑星で「水」を初確認=英大学研究チーム – BBCニュース

[まとめ]地球型惑星は宇宙に数多く存在する

地球型惑星とは、地球と似た構成の惑星を指します。必ずしも、地球と同じように生命が存在するとは限りません。

太陽系内では、地球の他に水星・金星・火星が地球型惑星です。太陽系外でも地球型惑星は数多く見つかっており、中には水が存在する惑星もあります。

今後、惑星の研究が進めば、さらに地球に似た惑星も発見されるでしょう。

こちらの記事もおすすめ

「小惑星」とはどんな天体? 大きさや形の特徴から有名な小惑星まで
どのような天体が小惑星? 小惑星は、太陽系に属する天体のうち、一定の基準に当てはまるものを指します。どのような天体を小惑星と呼ぶのか、...

構成・文/HugKum編集部

編集部おすすめ

関連記事