[HugKum独自インターネット調査:回答数720件、調査期間2025年1月22日~2月5日]
お食い初めは「家」でやる人が多い
そもそもお食い初めは、皆さんどこでやっているのでしょうか。冒頭で紹介した調査で「お食い初めをやる」と答えた600人に対し「どこで行いましたか?」と聞くと、次のような回答になりました。
1位・・・自宅(336人)
2位・・・料亭・レストラン(177人)
3位・・・祖父母など親せきの家(100人)
4位・・・その他(4人)
その他の回答には「神社で」「フォトスタジオで」という声もありました。ただ、あくまでも主流派は、家(自分の家、祖父母などの家)でやる人が多いと分かります。
ちなみに、参加者(保護者以外)を聞いた質問項目では、以下のような回答になっていました。
1位・・・祖父母(453人)
2位・・・祖父母以外の親せき(86人)
3位・・・その他(43人)
4位・・・保護者の知人・友人(15人)
祖父母を招待するケースが圧倒的に多い点を考えると、祖父母や親せきが参加しやすいように、祖父母などの家を最初から会場として利用している人も一定数いるのかもしれません。
手づくり料理が主流
では、お食い初めの料理はどうやって用意しているのでしょう。料理については、次のような声が寄せられていました。
1位・・・自分もしくは近親者の手づくり(302人)
2位・・・会場とした飲食店の料理(173人)
3位・・・仕出し業者の出前料理(79人)
4位・・・お食い初め用ミールキット(74人)
5位・・・その他(12人)
2位の「飲食店の料理」と回答した人の数と、先の場所に関する質問項目で「料亭・レストラン」を選んだ人の数がほぼ一致しています。
言い換えると、家派(自宅や祖父母などの家)の人たちは、手づくりの料理が主流で、手づくりの負担を考えて出前料理を頼んだり、お食い初め用ミールキットを用意したりする人も少なくないと分かります。
ちなみに、お食い初め時の赤ちゃんの服装について「赤ちゃんの服はどうしましたか?」という問いに、次のような回答が集まっていました。
1位・・・ちょっと上等なベビー服(240人)
2位・・・お食い初め用の衣服(183人)
3位・・・普段のベビー服(170人)
4位・・・その他(7人)
主流派としては、ベビー服でお食い初めをする家庭が一般的のようです。
会場も家、料理は手づくり、衣服もベビー服という主流派の声を聞くと、お食い初めはあくまでも、形式ばった盛大な儀式ではなく、ちょっとしたお祝いといった感覚の人が多いと分かります。
「歯固めの儀式の石」を神社で拝借する場合の注意点
では、最後に、お食い初めの象徴的な儀式である歯固めについては、皆さんどうしているのでしょうか。そもそも「歯固めの儀式を行いましたか?」の問いについて、
はい・・・345人
いいえ・・・259人
と回答が分かれました。お食い初めをやりながらも、歯固めの儀式をやらない人も、一定数いるのですね。筆者個人の感覚としては意外な結果でした。
歯固めの儀式に使う石の入手経路は次のとおりです。
お食い初め料理の付属品・・・160人
お宮参りの授与品・・・74人
お宮参りの神社から拝借・・・58人
神社以外で拾う・・・27人
お宮参り以外の神社から拝借・・・22人
その他・・・25人
付属品や授与品としての石を使う人が最多で、神社で拝借してくるという人が続きました。
筆者の場合も、お宮参りの神社で拝借でしたが、この「神社で拝借」は法的に注意が必要な様子。
富山県富山市に事務所を構える入江祐典弁護士によると「持って帰っていい」という意思が神社の側から明示されていない場合、厳密に言えば窃盗、違法行為になるのだとか。
仮に明示されていない場合でも、使った後で返却するという一連の流れが神社と地域で前提となっていて、伝統として黙認されているような場合は、使用後に返却すればセーフかもしれないと入江弁護士は言います。しかし、神社側の意思の明示、または地域における暗黙の了解がない場合は、違法行為になりかねないので注意が必要です。
なにしろ「神社で販売されていたのを購入した」(女性)との声も今回の調査で実際にあったくらいです。歯固めの石を神社でもらいたい場合は一言、神社の側に確認したほうが良さそうですね。
石の入手が面倒な場合、もしくは、石が衛生的に気になる場合は、歯固めの石を何かで代用する手もあります。HugKumの独自調査では、歯固めの石の代わりとして、以下のような代用品で済ませているケースも確認できました。
「幸運の石」(女性)
「タコで代用」(女性)
「代わりのタコで、口には付けずに」(女性)
「梅干しで代用」(女性)
「タコ」(女性)
タコの多さが目立ちます。大阪や兵庫では、歯固めの石としてタコを使うといった習慣があるそう。
「多幸(たこう)」とありがたい言葉の響きがあったり、食材そのものに弾力があったりと、歯固めの石の代用品としてタコは意外に便利かもしれません。使用後、食べてしまえる点も、楽ではないでしょうか。
以上、お食い初めに関するさまざまな疑問点をまとめてみました。お食い初めの儀式を近く予定している方はぜひ、参考にしてみてください。
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構成・写真・文/坂本正敬
【取材協力】入江佑典(いりえゆうすけ )さん。入江法律事務所代表。気軽に立ち寄れる地域の法律事務所として、さまざまな相談を引き受け、早期円満解決を目指し、サポートを続ける。